文京区議会6月議会本会議~区長・教育長への質問&答弁一問一答+海津の考え(2/3)
前回に引き続き、2/3をUPします。
6月7日に私、海津敦子が本会議で一般質問を行いました。
区長・教育長それぞれへの質問と、それぞれの答弁を一問一答形式に編集して共有します。
また、各答弁に対する「海津の考え」も付記しました。長いので、3回に分けて投稿して行きます。
ぜひ、お時間のある時に、ご興味のある項目をご覧の上、区長・教育長の考えにご注目頂き、ご意見を聞かせて下されば嬉しいです。
目次(クリックすると移動します)
6. 避難所について
6. 海津質問
4月に起きた台湾地震の避難所の充実ぶりと、「難民キャンプ並み」と揶揄される日本の避難所との格差に、多くの人が驚きを感じたと思います。避難所は苦しい生活を耐え忍ぶ場所ではありません。生活再建に向けて前向きになれる場所にすべきです。そのためには、平時から避難所の質の向上を図る様々な施策が求められます。例えば、災害関連死を防ぐためには、プライバシーの担保など避難所環境の改善と共に、各種NPOとの連携も重要ですが、災害前の公助としては、避難所のハード面の整備が待ったなしです。学校再開後も被災者が心置きなく過ごせ、くつろげる空間や、男性と女性のトイレの割合を1対3に整備し、トイレにいかないために水分を控えることをしない状況を見据えた避難所の対策強化が必要です。現在改築中、増築中の公共施設も含め、「我慢を強いられない」「前向きになれる」「災害関連死ゼロ」を目指す避難所となる対策強化として、ハード面での具体的なアクションを伺います。
6. 区長答弁
避難所の生活上の支障や、生活面での不安などに、寄り添っていくためには、環境整備は、重要な課
題であると認識しております。そのため、区では、避難所となる施設の、トイレの洋式化や、バリアフリー化等、ハード面の対策を行っております。また、プライバシー等に配慮した、パーテーションや段ボールベッドの備蓄などに取り組むとともに、発災時においては、被災した区民の不安に寄り添い、新たな生活に向かうことが、できるよう、健康相談や、申請手続き等の相談を実施するなど、ソフト面でも、必要な支援を行ってまいります。さらに、学校等についても、平時の活動と、発災時の避難所としての利用が、両立できるよう、動線に配慮するなどしており、今後も工夫して、取り組んでまいります。
6. 海津の考え
文京区の避難所(体育館)は、学校が再開されると、避難者が日中に体育館のみで過ごすことになる可能 性が高いです。他区の自治体では、学校再開後も避難者が避難所(体育館)に閉じ込められないよう、特 別教室(音楽室、家庭科室、図書室等)を体育館近くに配置し、これらの教室も避難者が使えるように設 計しています。平時には、体育館同様に特別教室を地域に開放しています。
文京区は、避難所の質を向上させるための工夫が不足しているのが現状です。
7. 子供の最善利益〜教育センターのあり方
7. 海津質問
来年4月に児童相談所が開設を控え、子どもたちの最善の利益を守るためには、教育センターの重要
性が増す中、抜本的な改革が急務です。特に、支援を要する子どもの問題を、子どもの発達、家族の 問題にすり替えがちな専門職の意識改善は待ったなしです。 例えば、不登校の子どもたちの学習権を保障するふれあい教室では、自傷や他害行為があった子ども に対し「家で休んだ方がよい」と安易に判断する事例があります。アセスメントも不十分で、単に子 どもの問題にすり替えるだけで、教育者自身の関わり方や教材の提供を省察する姿勢が欠けています。 子どもの学習権を保障するうえで、対話的な学び · 関係で子どもの学びを広げ、深められる専門性が 求められます。が、子ども、保護者からは疑問の声があがります。 そもそも、ふれあい教室の日常は原則、午前中は一律に自主学習とし、「わからないところがあれば聞く」という形態をとっていますが、自習も自分で教材を準備することも難しいものです。不登校の子 どもたちの過ごす場所を提供しているだけにすぎないように映ります。本来であれば、一人ひとりの 知的好奇心に応じた個別カリキュラムを子どもと共に作り上げ、個別な学習支援をすることが望まれ ています。それだけの専門性を持った人材が不足しているのでしょうか。同じ施設内にある b- ラボ の活用すら遅々としてすすみません。 23区中10区で長期休暇中も子どもが毎日利用できる環境を提供する中、文京区は、毎日、利用で きることの意義を理解しているとは言い難く、多様な子どもたちに応える運営に限界を感じます。 ふれあい教室の課題をどのように捉え、早急な改善を図るのか、伺います。
子ども権利条約やこどもの基本法を理解している職員がどれほどいるのかも疑問です。子どもが自分 の持つ権利を理解し、実感できる場所であるべきですが、現状では子どもの意見表明権すら十分に担 保されていません。子どもたちが教育センターで受ける支援が自分にとってどう感じられているかを 把握するためには、匿名性を担保し、安心して意見を伝えられるように第三者機関に委ねたアンケー トを実施することが重要です。これは、子どもの声を反映させ、支援の質を向上させるために不可欠 な手段です。伺います。
チーム学校の実現が急務です。教育委員会もチーム学校の実践を掲げていますが、保護者からの実感 は聞こえてきません。教員だけでは子どもの多様な学びを支援するには限界があるにもかかわらず、 保護者からの子どもに関わってきた専門職の学校への派遣要請を、教育センターは断るなど、子ども の最善の利益を損ねる判断がなされています。 区として重層的な支援を重要課題に掲げ、「断らない相談」の実現を目指していますが、教育センター がそれを理解していないため、子どもや家族への支援に大きな支障が生じている現状です。また、ア セスメントと支援のプログラミングができる専門性の高い専門職が学校と積極的に連携できない形態 で、さらに、具体的なアプローチまでに相当な時間を要しています。このままでは、教員の休職 · 退 職の増加につながり、公教育の崩壊の危険さえあります。教育長は、「チーム学校の実践で子どもたち に質の高い学びを提供する」と答弁されていることが机上の空論で終わってしまいます。伺います。
7. 教育長答弁
まず、ふれあい教室の長期休暇日も中の利用等についてのお尋ねですが、夏季休業中は、普段体験で きない活動に取り組む機会が増える反面、生活のリズムが崩れやすい面があります。そのため、ふれ あい教室では、夏季休業中に「教室開放日」を設定しております。 夏季休業期間をよりよく過ごすた めの準備として、夏季休業開始後5日間と、2学期開始に向けた準備のため、夏季休業期間の最終週5 日間の計10日間、午前中に、自主学習や軽運動などを実施しております。ふれあい教室の長期休暇中 のあり方については、子どもの意見や参加状況等を踏まえながら、教室の目的である、「子どもの情緒 の安定」、「基本的生活習慣の改善」などにつながるよう、更に工夫してまいります。 また、「学びの保障」に繋がるよう、利用している子ども一人ひとりの知的好奇心に目を向け、指導内 容の更なる工夫 · 充実に努めてまいります。 次に、第三者機関によるアンケートについてのお尋ねですが、教育センターでは、子どもたちの身近 にいるカウンセラーや各種専門職が、日々、直接、子どもたち一人ひとりの声を丁寧に聞き、各事業 の実施や運営に活かすよう努めております。そのようなことから、現時点においては、直ちに第三者 機関によるアンケートを実施する予定はございませんが、子どもの権利を子ども自身が理解できるよ う、子どもが声をあげやすい環境づくりに努めてまいります。 また、不登校などの背景や、相談内容が複雑化 · 多様化している中で、子どもや保護者の考えを的確 に受け止め、関係者の気持ちに寄り添った支援につなげることができるよう、専門職を含めた職員の 更なるスキルアップに努めてまいります。
最後に、チーム学校についてのお尋ねですが、教育センターに、心理や福祉の専門性を有するスタッ フとして、「スクールカウン セラー」や「スクールソーシャルワーカー」を配置し、各校と連携する なかで、早期に気になる子どもの様子を把握しております。把握した情報は、校内で開催される支援 会議などを通して教員と共有しており、心のケアに留まらず、必要に応じて福祉的支援へとつなげて おります。
さらに、特別支援学級や通常学級に在籍する特別支援教育を必要とする児童 · 生徒には、作業療法士 等の専門家を派遣し、児童 · 生徒本人への働きかけを行っております。あわせて、教員に対しては、 指導方法についての助言を行っております。 なお、個別の事例については、当事者のご意見を丁寧にお聞きし、子どもの状況を踏まえ、関係者間 で対話を重ねて、個に応じた対応に努めてまいります。また、子どもを中心とした、より良い支援の あり方について共通認識を持つことで、「個別最適な学び」やきめ細やかな支援へとつなげてまいりま す。
「チーム学校」として、学校が教育活動に取り組めるよう、教員、専門職、福祉分野などの様々な関係 者が共通認識を持ち、子どもを中心に協力体制を築くことにより、子どもや保護者の安心につながる よう、更に進めてまいります。
7.海津の考え
文部科学省の「誰一人取り残さない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLO プラン)」は、すべての 子どもが適切な教育を受けられるようにする包括的なアプローチを提唱していますが、教育センターはこ のプランを理解し、実践できていないことが答弁から見て取れます。教育長の答弁で、教室の目的を「子 どもの情緒の安定」「基本的生活習慣の改善」としている点も問題です。これは本来、子どもの多様な学 びを保障した上でのことです。
また、この答弁は、子どもの「情緒の不安定」や「基本的生活習慣の欠如」を不登校の主因と見なしてい るスタッフの考え方を反映しています。不登校の子どもたちにとって、夏休みも毎日通える居場所がある ことは非常に重要です。学校に通えないことで孤立感や不安を感じやすい子どもたちにとって、夏休み期 間中も安心して過ごせる場所があることで、心の安定が保たれます。毎日通える居場所は、子どもたちが 日常のリズムを維持し、社会とのつながりを感じる機会を提供します。これにより、学校に対する恐怖心 が和らぎ、復帰への第一歩を踏み出すきっかけにもなります。 さらに、居場所を提供する活動や支援は、子どもたちの興味や関心を引き出し、自信を取り戻す手助けと なります。友達や支援者との交流を通じて、人間関係の構築やコミュニケーション能力の向上も期待でき ます。これらの経験は、子どもたちの自己肯定感を高める大きな力となります。引き続き、夏季休業中も 毎日、ふれあい教室が開かれるように求めていきます。
さらに、子どもたちが「意見を聴かれていない」と感じているにもかかわらず、自己評価で「丁寧に聴い ている」とし、第三者機関によるアンケートを実施しないとする考え方には大きな問題があります。これは、 子どもや保護者から信頼を得るのが難しい現状を反映しています。教育センターのスタッフによる聞き取 りでは独立性と客観性が欠け、公正な意見収集には限界があります。内部だけの取り組みでは不十分です。 第三者機関によるアンケートの実施は、子ども誰ひとり取り残すことのない多様な学びの実現に必要不可 欠です。
8. 家庭任せにしない包括的性教育
8. 海津質問
昨年度、区長は「包括的性教育を義務教育に加えていくことは様々な意見があり、扱い方は慎重に検討すべきものである」と答弁されました。しかし、包括的性教育は、子どもたちが健康的で安全な生 活を送るために必要な知識とスキルを提供し、ジェンダー平等や多様性の理解を促進する重要なもの です。また、性に関する正しい情報を得ることで、子どもたちは自己尊重と他者尊重の意識を持ち、リ スクを避ける能力を身につけることが研究で明らかにされています。 家庭まかせでは、家庭によって教育の格差が生じる可能性があります。国連からも包括的性教育の実 施を求める勧告が出ています。昨年度には性犯罪に関する法律が改正され、「不同意性交罪」が新設され、 包括的性教育を子どもたちが受ける重要性はまったなしです。区長は、子どもたちが包括的性教育を 受ける重要性をどう捉えているのでしょうか。家庭任せにせず、区として、包括的性教育を確実に子 どもたちが学べる取り組みをどのようにしたら実現できるか検討されたのか、伺います。
8. 区長答弁
包括的性教育は、人権尊重を基盤に、子どもの幸福 · 健康、肉体的、精神的、社会的に、全て満たされた状態である、「ウェルビーイング」の実現を目的とする、重要な取り組みと認識しております。 区では、男女平等センターでの、啓発事業のほか、「性と生殖に関する健康と権利」の大切さを、若い世 代が同世代へ伝える、「ピア · アクティビスト」育成事業等を通じ、普及啓発などに、取り組んでいると ころです。 子どもへの包括的性教育については、人権、ジェンダーや多様性への理解、年齢別のテーマ等が、多岐 にわたることから、様々な視点から、子どもたちが学べる取り組みについて、関係する機関が連携しな がら、引き続き、研究してまいります。
8. 海津の考え
区の答弁は結局、「家庭が頑張るしかない」という諦めを抱かせるものでした。また、包括的性教育の重 要性を理解しているとは思えません。家庭任せにせず、子ども誰ひとり取り残さず、包括的性教育を学べ る仕組みを「今」実現することを求めます。
9.まちづくり:児童数増と学校インフラの不均等について
9. 海津質問
文京区では、高層マンションや大型マンションが次々と建設される中、事業主と事前協議を行い、「快適なまちづくり」や「地域貢献」等を求めていますが、実際には事業者からの協力はほとんどありま せん。マンション建設が法律を守ってさえいれば進行し、区として止める手段を持ちません。 結果として、学校インフラが追いつかず教室不足が深刻です。学級数に対応する教室を確保するのが 精一杯で、多様な学びや個別のニーズに応える「個別最適な学び」のための教室整備は限界に達して います。建替えを終えたばかりの誠之小でも、新しい時代の学びを実現するには程遠い学校環境です。 このような状況は、「文の京」と呼ぶにはお粗末で、戦後の教室不足を思い起こさせます。先生方は工 夫を凝らして対応していますが、多様な学びを保障する教室不足が続く中で疲弊しています。増築中 の本郷小学校区域でも、大型マンションの建設予定があり、教室がさらに不足することは確実です。 子ども一人ひとりがその子らしく学べる環境を整備することは、子どもの今を応援し、将来への投資 でもあります。他区では大型建築物の事業者から学校施設への整備費などの協力金を得ています。 文京区は、大規模マンション建設に伴う学校インフラの不足をどのように改善し、子どもにとっても「安全で快適な魅力あるまちづくり」を推進するのか伺います。
9. 区長答弁
マンション建設等による,人口増加に伴い、学校インフラ整備に課題があることは、認識しております。
区では、今後も年少人口の増加が想定される一方、将来的な人口減少社会の影響も、見据える必要が あります。そのため、今後、改築を予定している学校については、より柔軟に、児童 · 生徒数の増減 に対応してまいります。 · また、現在見直し中の、都市マスタープランでは、子どもを含め、誰もが安全で快適な魅力あるまち づくりに向け、まちの将来像や、土地利用 · 都市施設などの整備方針を示しております。 見直しを行う中で、子どもを対象にした、パブリックコメントとして、10年後の文京区をどのような まちにしたいかを聞いており、これらの意見を踏まえ、子どもたちにとっても、魅力あるまちづくり を進めてまいります。 なお、議員ご提案の手法等については、他自治体の事例を、研究してまいります。
9. 海津の考え
文京区が「個別最適な学び」を子どもたちに届ける気がないことが、答弁から見えてきます。全国学力学 習状況調査で文京区の子どもたちの学力が高いのは、家庭が子どもを塾等で勉強させている背景があるか らです。区長は、家庭での教育がしっかりしている文京区では、大型マンション建設に対して物言いして まで、教室環境を整備して「個別最適な学び」を区立小学校で届ける必要はないと思っているように感じ ます。しかし、子ども一人ひとりの多様な学びを保障するために学校環境を整備することは、自治体の責 務です。「個別最適な学び」の実現に向けて、教室整備を改めて求めていきます。
10. 障害者への合理的配慮について 法令遵守は?
10. 海津質問
障害者差別解消法が施行され、自治体に基礎的環境整備や合理的配慮が義務付けられてから8年が経
過しました。昨年度、区長は「法令や条例の遵守が自治体経営の根本であり不可欠である」「所管部署 と法規担当部署が連携し、法令、条例等の適用関係について、多様な視点から適切に確認を行っている」 と自信を持って答弁されています。しかし、答弁と現状の区政には大きな違いがあります。区長には 実態が伏せられているのでしょうか。例えば、障害のある人からの合理的配慮の申し出を「特別扱い はできない」と断る事例があります。職員間で法の順守や人権意識が十分に培われていない実態が見 受けられます。障害者差別解消法は「障害福祉課だけの問題」「自分の仕事には関係ない」といった思 考が根付いているようです。研修は実施されていますが、効果は感じられません。人権についての理 解が不足している対応も見受けられます。区長の目指す区政と実態の乖離をどのように省察し、改善 していくのか伺います。
令和4年5月に「障がい者情報アクセシビリティ及びコミュニケーション施策推進法」が施行され、 文京区には、障害のある人が障害のない人と同じタイミングで情報を取得でき、格差を感じないよう にするための環境を整備する責務があります。しかし、2年経っても、聴覚障害のある人などが、障 害のない人たち同様に当たり前に傍聴できる環境を整えていない審議会 · 委員会がほとんどです。 これは法令遵守がなされておらず、区民の区政参画を謳う自治基本条例にも反していると考えます。 区長は「障害のある人は社会の対等な構成員である」という認識を持たれていますか。 区の法令遵守が不十分な原因は、職員の中に「障害のある人を受け入れてあげる」という「思いやり」 や「慈悲」のレベルで考えている側面があるからではないでしょうか。 障害のある人が人生に制約を受けている文京区政の現状を、区長には危機感を持っていただきたいと 願います。伺います。
文京区はこの4月から「手話言語条例」および「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通の 促進に関わる条例」を施行しました。具体的にどのような取り組みをいつから行い、この条例を文京区全体で育てていくお考えですか。伺います。
また4月からは、障害のある人への合理的配慮が民間事業者にも義務化されました。商店や企業が合 理的配慮をするためには、行政の支援も必要だと思います。実践の専門知識を持った人材による相談 や経済的支援、商店などのユニバーサルデザインも重要です。 文京区が目指す「だれもがいきいきと暮らせるまち」を、障害の有無に関わらず、身近な生活の中で 実感できる「まちの活性化」に向け商店等を、さらにどのように支援していかれるか。 かつ、合理的配慮の提供は、障害のある人たちのわがままなどではなく、誰にとっても生きやすい、 公平な社会を創ることなのだということを、区長はどのように発信していくのでしょうか。伺います。
10. 区長答弁
まず、合理的配慮の、認識についてのお尋ねですが、区が実施する、事務事業等については、障害の
ある方から、社会的障壁の除去についての意思表明があった時に、実施に伴う過重な負担がない場合は、個々の状況に応じて、合理的な配慮をしなければならないものと、認識しております。一方、合理的配慮に関する、区の対応についてご意見をいただくこともあり、個々に改善に努めているところですが、改めて、区全体として、法に則った対応が重要であることを再認識する必要があると考えております。こうしたことから、障害者差別解消法の趣旨を、再度全庁に周知し、理解を深めるとともに、具体的な相談や対応を収集し、事例として、共有することで、区全体の対応力を向上させるなど、障害のある方に対する、合理的な配慮を進めてまいります。
次に、審議会·委員会の、傍聴における対応についてのお尋ねですが、希望する方が、手話通訳を利用できるよう、手話通訳者の確保や養成等を進め、環境整備に努めてまいります。
また、意思疎通を支援する、ICT等の活用について、今後の技術革新や、他自治体の動向を注視しながら、検討を進めることで、法の趣旨に則った対応ができるよう、努めてまいります。次に、障害のある方に対する、認識等についてのお尋ねですが、区は、基本構想を貫く理念として、だれもがいきいきと暮らせるまちを掲げており、全ての人が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会を目指しております。本年4月の、改正障害者差別解消法の施行や、手話言語条例、障害者による、情報の取得及び利用、並びに意思疎通の促進に関する条例の制定、という機会を捉え、改めて、区全体として、障害の特性や、必要な合理的な配慮等に基づく対応を推進していくため、職員に対して、法律や条例の趣旨を周知し、障害の有無に関わらず、誰もが、あたりまえに、区民として、地域でともに暮らし、ともに活躍できる社会の実現に向け、取り組みを、一層進めてまいります。次に、手話言語条例等に基づく、取り組みについてのお尋ねですが、条例の概要については、区報等において、区民に周知を行ったところであり、具体的な取り組みについては、今後、当事者団体の意見等を踏まえ、進めてまいります。次に、区内商店への支援についてのお尋ねですが、文京産業ニュース、「ビガー」や、区内商店を対象としたセミナーにおいて、合理的配慮について周知を行うなど、区内商店や区内産業団体等の事業者にも,様々な機会を通じて、情報を発信することで、障害者差別解消法に基づく、合理的配慮の理解を進めてまいります。また、区内商店を始めとする、民間事業者からの、相談対応等に係る支援策や、建築物のユニバーサルデザイン等の環境整備の支援については、他自治体の取り組み事例を参考に、研究してまいります。次に、合理的配慮の提供の発信についてのお尋ねですが、全ての区民が、互いに人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会を実現するため、障害や障害のある方に対する理解を促進できるよう、様々な機会を通じて、発信してまいります。
10. 海津の考え
区長が繰り返す「努めてまいります」「進めてまいります」という言葉に強い違和感を覚えました。なぜなら、 努めることも進めることも、法律では自治体の責務として当然のことだからです。
区長が本来語るべきことは、これまでの「努め方」や「進め方」の何に問題があり、なぜそれがうまくい かなかったのかです。文京区は「誰もがいきいきと暮らせるまち」を目指し、「全ての人が障害の有無に関わらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会」を掲げています。しかし、現状は障害のある人が取りこぼされており、区の施策に何が不足しているのかを明確にすることが重要です。
区のリーダーが具体的な問題点を把握しないままでは、障害の有無による分け隔てのない社会の実現は難しいでしょう。
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▼議会中継(録画)は以下からご覧いただけます
https://bunkyo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=594
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