「障害児産んだら人生終わったから、日本死ねっつーか死にたい」-障害のある子の親になること

「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログが波紋を広げ、政府も動かざるを得ない状況を生み出しています。

是非政府に動いてもらいたいことは他にもあります。そのひとつが、障害児を育てる家庭への支援です。

障害児を育てている私自身、身につまされる思いが浮かぶ心情がつづられたブログをご紹介します。

障害児産んだら人生終わったから、日本死ねっつーか死にたい

http://anond.hatelabo.jp/20160229202916

 

ブログでは、「どんな子が生まれても普通に生活を続けていける社会になって欲しいと切に願う」と書かれていますが、その通りです。

なぜ、障害のある子が生まれると、それができなくなってしまうのでしょうか。

 

皆さんは、「障害のある子の親になる」という自分を想像したことがありますか?

「考えたこともない」という方も多くいるのではないでしょうか。

私自身、障害児の親になるまでは、誰かが約束し保障してくれたわけでもないのに、子どもの親になる自分は想像しても、障害児の親になる自分など考えたこともありませんでした。考えたくなかったと言ったほうが正直なところかもしれません。

 

文科省の資料によると

http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h27hakusho/zenbun/pdf/s5_1_2.pdf 

義務教育段階の全児童生徒のうち、特別支援学校 特別支援学級、通級による指導をうけている児童生徒が全体の3,3%。これに、通常学級で特別な指導は受けていなくても発達障害(LD・ADHD・高機能自閉症等)の可能性のある児童の在籍率6.5%を足すと9.8%。

およそ10人にひとりです。この数字からも、誰でも障害のある子の親になる可能性があると言えます。

 

さらには、障害のある子を授かった夫婦の離婚率は一般家庭よりも高く、そのため、ひとり親になった時の経済的な問題も大きな課題です。

それだけに、誰が障害のある子の親になったとしても、どんな障害の程度であったとしても、「子育てと仕事の両立」が保障される制度があってこそ、安心して子どもを生むことができるのではないでしょうか。

 

そもそも、出生前診断を受けても障害のある子の親にならないと約束されたわけでは、ありません。

検査を受けて染色体等による障害を持つ子どもの親になるかどうかの選択肢があったとしても、むしろ、生まれてからわかる障害の方が多く、それは出産年齢などに関係なく、障害のある子の親になるかもしれない、ということなのです。

年齢も、経済的余裕の有無も、学歴も何も関係なく、障害のある子の親になる可能性は、自分でなくてもきょうだいや子ども、孫にもあり、他人ごとではなく、自分の身の上に起きることとして考えてもらうことが重要です。

 

そうした意味では、行政の果たす役割は大きいものの、まだまだです。

例えば、文京区では成人を迎えた人たちに妊娠・出産の支援の充実を掲げた「ぶんきょうハッピーベイビープロジェクト」事業で、「ライフ&キャリアデザイン ワークブック」という冊子が配布され、就職、結婚、妊娠、出産のライフイベントを作成してみようと書かれています。

ライフ&キャリアデザイン ワークブック

http://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/shussan/ninshinshussan/_18818/guidebook.html

ですが、ライフ&キャリアデザインを考える中で、障害のある子を授かる人生はまったく想定されていません。それは「リスク」と考える文京区の姿勢が出ているのかもしれません。

障害のある子を育てる子育てもあることを想定したストーリーを示した上で、「でも大丈夫だよ。きちんと支援していくよ」と伝えてくれる区だったらどんなに素敵でしょうか。

障害児産んだら人生終わったから、日本死ねっつーか死にたい

成人された人たちが、突然障害児の親になったら、想定外の子育てに不安や孤立感を深めていくことになると思います。

障害のある子を育てることが、リスクになるとすれば、それは障害のある子を育てることの大変さに見合う支援がまだできていない、ということです。

 

どの自治体も、「すべての子ども、子育てを支援する」ことを掲げていますが、その「すべて」から「障害のある子」「障害のある子を育てること」を外しているといっても過言ではありません。あくまでも「自己責任で頑張りなさい」という姿勢です。

例えば、障害のある子が保育園に入るには、「集団生活が可能」であることが条件づけられているため、知的障害があったり、医療的ケアが必要だったりすると「集団生活が可能ではない」と判断されるなど、保護者の就労状況とは関係なく「不承諾」とされるケースがあります。

 

障害があることで差別をしてはいけないという「障害者差別解消法」が来月から始まりますが、どれほど改善していくのでしょうか。もちろん、そこでは、「政治」が力にならないといけないと思います。

その解決に向けては、議員一人ひとりが「障害のある子を産んだら、仕事をやめたり、自分の人生をあきらめたりしてもしょうがない」という発想から、いかに脱却できるかにかかっていると思っています。

 

下記にご紹介するのは、私が2009年に雑誌に書いたものですが、障害のある子を持つ家庭への子育て支援は、その当時とあまり変わっていないことを痛感します。

「障害のある子を育てる」ということについて知っていただく材料にもなると思いますので、お時間があれば是非、目を通してみてください。

雑誌①

雑誌②


「障害児産んだら人生終わったから、日本死ねっつーか死にたい」-障害のある子の親になること” に対して 5 件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    「軽度なら〜」て医療従事者にも「そんな程度なら大丈夫でしょ。もっと大変な人はいるんだから」と言われるけど、
    軽度でも本人も家族は本当に辛い。辛いだけなら我慢と思ってたけど、命に関わることがあると身をもって知った。
    軽度でも命を落としてしまうことはある。それでも軽度なら大丈夫て言えるのかなぁ。

  2. 海津敦子 より:

    障害は生きづらさで決るもので 障害の程度で決まるものではないです
    軽度だから大丈夫というのは あまりにも障害をしらなさすぎ で そうした人たちがまさに障害になると私は常々 思っています

  3. 仕事を続けてきた母 より:

    うちの息子が20数年前に生まれて育ててくる中でこういう声を何度聞かされたことか。
    まだ保育園は助けてくださって感謝でしたが、小学校中学校は悲惨でした。
    親の人格まで否定するような言動の数々、まさに「人生終わった?」という状況の中で過ごしてきました。
    共生社会が実現することを目指し、一歩一歩進む努力をして行けたらと思っています。排除されない、堂々と生きられる社会になって行くよう微力ながらなんらかの形で関わって行けたらと思います

    時代は大きく変わってきています。ここだけ取り残されることのないように。

  4. 田中結衣(仮名) より:

    うちにも重い自閉症児がいます。
    昨年四月から特別支援学校の1年生です。(来月2年生)
    うちは、幼稚園の頃が悲惨でした。
    息子に障害がある負い目から、誰もやりたがらない役員を引き受け、
    幼稚園と保護者をつなぐパイプ役のような役目を引き受け、
    自分なりに一生懸命頑張っていたのですが、
    ある日、園の中心的人物の役員の方8人くらいに呼び出され、
    「障害がある子をなんで幼稚園に通わすの?」
    「ただでさえ人手が足りない中、先生一人つけて月謝が皆と同じなのもおかしい」と
    猛批判され、その日の夜、息子と本気で心中しようかと考えるほど落ち込みました。
    近隣の方も理解ない方が多いです。
    エレベーターで挨拶しても無視されます。
    見た目が普通なので、独り言を喋り続ける息子を見て、大半の方が引きます。
    障害児を持つ親の何がつらいかって、
    我が子に障害があることよりも、親子で世間から受け入れてもらえない孤立感が
    とてつもない、って所につらさがある。
    障害児を持つ家庭を温かく受け入れてくれる世の中だったら、我が子に障害があっても
    私や息子は幸せでいられると思う。
    差別や偏見や、近隣や幼稚園で言いふらされる悪口などが
    障害児を持つ親の心をズタズタに傷つけ、
    毎日親子心中の方法を考えるほど追い込むんです。
    障害者への本当の支援って、経済面などの物理的な支援よりも、
    障碍児や障害児を持つ親を差別したり悪口を言いふらさない、など、
    精神的な部分での支援が何より必要です。
    国に願うこととして、全国の幼稚園保育園や小中高校に通達してほしい。
    校長先生が朝礼や保護者が集まる行事などで、
    「障害児や障害児を持つ家族の悪口を言いふらすのは恥であり悪質な行為である」
    ということをしつこく毎回言ってもらうだけでも、意識に植え付けられるので、全然違うと思います。
    これなら国のお金は、ほとんどかかりません。
    今は帰宅後、リタリコという発達障害の教室に通っていますが、
    そこに来ている(児童は普通級に通わせてる)ママさん達数人からも、死にたいって言葉をよく聞いてます。
    親子心中を考えるほどギリギリまで追い込まれてる人達が、日本全国、山ほどいるんだってことを
    安倍総理にはどうしても知ってほしいです。
    障碍児を持つ親のつらさをテレビでも新聞でもガンガンやってほしいです。
    SOSの文章長くなってしまってすいませんでした。

    1. 海津敦子 より:

      保護者から「あの子がいるから、うちの子が…クラスが…」といった批判を向けるのは、問題の本質をすり替えています。保護者にすれば、誰にとっても「我が子が一番」であるのは当然ですが、「あの子がいるから」では何の問題解決にもなりません。
      そもそもが学級運営の力の問題であり、人手の問題は子どもに関係することではありませんよね。
      保育士・教員の研修講師をさせてもらう折には、「あの子がいるから…」という話が出てきたら、それは
      「自分の子どもをしっかりと見てもらえない」というメッセージなので、そこは重く受け止め、改善を速やかに図らなければならないこと。「誰かひとり」のせいにして、学級で他の子どもが見れていない状況となれば、それはまた「次の誰か」を探すことの繰り返しになるだけです。と伝え、自治体等の補助金を申請して人手を確保すると共に、園・学校全体でチームとなり指導の在り方を見直す重要性をお話させていただいています。
      ぜひ、みなさんと共に、障害のある子どもを育てることも子育て支援から取り残されることなく、当事者のニーズに応えていかれるように声を上げ、提案を重ねていきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)