2022年末のご挨拶

「229,866人」

これは、今月1日現在の文京区の人口です。

私が初当選した2011年は192,990人(2011年12月1日現在)。
丸11年経って、人口は3万6,876人増え、約23万人が、一人ひとり、それぞれの2022年の終わりを迎えようとしています。

年の始めには想像もしなかった、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、辛いこと・・・

先々が見えなくなってしまったこと、光が差すような思いのこと・・・

誰にも誰もが、色々あったと思います。 

「大丈夫?」と聞かれ、

ときには、「大丈夫じゃない」と言えた今年でしたか?

大丈夫じゃないのに、「大丈夫」と答えてしまう・・・

大丈夫じゃないのは、自分の頑張りが足りない気がして、つい「大丈夫」・・・

「大丈夫じゃない」と言ったところで、どうしようもないから、「大丈夫」・・・

心配をかけることになって申し訳ないから、ついつい口にでるのは「大丈夫」・・・

がまんをし続けていることに慣れてしまって、何が大丈夫じゃないのかもわからなくて、「大丈夫」・・・

令和2年、文京区では、死後数日から数週間経過して発見される孤独死(自宅住居で亡くなった単身世帯者)が108人(東京都監察医務院調査)。 

このうち60歳以上の高齢者が約9割、89人(男性52人・女性37人)で、特に男性が女性よりも多く、社会的に孤立しやすいと考えられています。年々、都内では高齢者の孤独死が増加しています。

内閣府の平成30年の調査によると、一人暮らしの60歳以上の者の5割超が「孤立死を身近な問題と感じている」

と答えています。

成澤区長は、今年2月の文京区議会定例会の所信表明で、以下のとおり述べられました。

都市自治としての「文の京」の価値を更に広げ、全ての区民の皆様から「住んでいてよかった」「これからも住み続けたい」と思っていただけるよう、その責務を果たし、全力で区政運営に尽力していくことを、ここにお誓い申し上げます。

「文の京」の価値・・・とはなんでしょう。

最優先されるべきは、誰ひとり取り残すことなく、誰もが安心して、日々を暮らせることではないでしょうか。

長引くコロナ禍に加え、食費等の物価高騰で生活や雇用にも深刻な影響が及び、「だれもがいきいきと暮らす」どころか、非正規雇用で働く女性や若者、高齢者の暮らしは悪化の一途です。

学校は家庭教育を前提にすることが増え、子どもの教育格差は、家庭の経済状況左右にされることが増えています。
不登校もさらに増えています。子ども・家族の障害、病気等で家族は仕事を辞めざるを得なくなったり、制限したりして、経済的にも困窮しています。

学校では、なり手不足やメンタルで休職する教員の増加等、人員不足が深刻で個別最適な学びまで遠いみちのりです。学校が楽しい子どもばかりではありません。

保育現場では、保育士一人が対応する子どもの数の多さと担う子どもの安全確保の責任の大きさ、子どもたちの成長に寄り添うためのゆとりのなさに、疲弊する声があがっています。

経済的に困窮したり、建替え等で退去せざるを得なくなり、住み続けたいのに文京区を去らざるを得ない人も出て来ています。見通しの立たない日々に不安を募らせ「死にたい」と訴える方も増えています。

行政は最後の砦となり、社会から遠ざけられて孤立を抱かないように、希望を見いだせる力となり得ているか。まだまだ足りていないと言わざるを得ません。

文京区政は、言うまでもなく税金で運営しています。
その区政を監視し、その税金で行われる事業が、区民の「大丈夫じゃない」ときに、しっかりと機能し、支援、配慮ができるよう具体性を備えて構築できているか?

「大丈夫じゃない」状況にならないように、小さなほころびにも目を向けて対処しているか?

苦しく、辛く、希望が見い出せないとき、行政は希望を見出すための光となるように、常にアンテナを張って仕事がされているか?

区民への事業周知は、「伝えている」ではなく、「伝わっているか」を確認できているか?

ジャーナリストの筑紫哲也さんが、亡くなる直前の番組(2008年3月28日放送「NEWS23」)で語られたことを、あらためてかみしめています。

権力の監視

力の強いもの、大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること

少数者の視点

とかく一つの方向に流れやすいこの国で、少数派であることを恐れないこと

多様な意見の確保

多様な意見や立場を登場させることで、この社会に自由の気風を保つこと

これからも、約23万人の区民誰もにとって、「信じられる文京区」「頼りになる文京区」を目指していきます。

「常識」や「前例」「普通」を疑い、 問題意識を持って、 古い価値観を押し付けることなく、 誰もが、自らが望む道を歩むための選択肢や方策を手にできるよう、ひるまずに区政の監視、改善を図っていきます。

また、区民の知る権利を保障するために、首長をはじめとする職員には説明責任を求め、情報公開や取材を行い、積極的に得た情報を区民のみなさんと共有してまいります。

引き続き、ご意見を聴かせていただければ幸いです。

この一年もブログを読んでいただき、コメントをいただき、ありがとうございました。

新しい年が、誰にとっても希望を見いだせる年となりますように。

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