文京シビック大ホール改修~多様な方々の利用に応えられない残念な点
文京シビック大ホールの改修が終わり、見学会がありました。
シビックホールは20年以上経過しており、設備等の耐用年数から大規模修繕・改修等が必要になり、利用者の安全確保の観点から天井の改修、トイレの利便性・快適性向上、バリアフリー対応等々の大規模改修が行われました。
綺麗にはなりました。耐震化もさらに進み安心です。
ただ、とても残念に感じたのが、大ホールを利用する多様な方たちを想定できていないことです。
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◆多様な利用者を想定していないトイレ仕様
多機能トイレには、オストメイトを設置しました。が、病気や障害等によっておむつ替えを要する方たちを、トイレ難民にさせてしまう大規模改修です。
多機能トイレに大人用の介護用ベットを設置していないのです。
介護用ベットが設置されないトイレでは、必要とされる方は、床にブルーシート等を敷いて利用せざるを得ないと聞きます。
知恵を絞れば設置できたはずです。そもそも、そうした人たちも含め、誰一人取り残さずに、楽しんでもらうことを目指す発想が足りません。
都内でも練馬区は、条例で介護用ベットの設置を義務付けています。周回遅れの文京区です。
◆車イス利用者用の座席は両端の6席のみ
一般のトイレも、手動の車いすが利用できる広さのものも一カ所もなく、車いすの人は一律に 多機能トイレを利用せざるを得ない改修です。
また、観覧席も車椅子の方々用の席は数が少なく、1,2階合わせて1802席のところ、1階席の左右に3席ずつ、計6席あるのみです。前の人が立ち上がっても視線が遮られてしまわないように配慮された席でもなく、子どもや小柄な方は視界の確保が難しいこともあるように見受けられました。
そもそもが、なぜ、中央真正面から観るという選択肢を提供できないのか、問題です。
◆改修方針の5つの視点の具現化は!?
文京区は「東京オリンピック・パラリンピックが目指した理念や精神をレガシーとして継承する」としています。
新国立競技場は、様々な障害のある方が訪れることを想定して、世界基準を満たしたユニバーサルデザインの設計です。
そうしたことから学ぶことがなかったのか、様々な方が訪れることを想定した大ホールの改修とは言い切れない、というのが内覧しての感想です。
また、文京区が事前に策定した改修方針では、以下の5つの視点が定められました。
- 視点1防災拠点としての機能向上
- 視点2省エネ・CO²排出量の削減による環境負荷の軽減
- 視点3ユニバーサルデザインの充実による来庁者等の利便性向上
- 視点4行政需要の変化への対応
- 視点5計画的な改修等で費用の縮減と建物の健全性確保
掲げた理想を具現化してこその「方針」です。
本当にやるべきことを全てやったのか、疑問です。
方針に基づき、改めてチェックして、必要なことは、さらに改善をもとめていきます。
この大ホールは、令和5年1月26日からリニューアルオープンします。
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