文京区は障害のある子の親は働けない「中一の壁」を放置したまま?公設民営の放課後等デイサービス開設へ
来年7月には、障害のある中高校生を対象とした公設民営の放課後等デイサービスが開設されます。文京区内では賃貸料が非常に高いため、放課後等デイサービスの需要に対して供給が追いついていない状況です。それだけに非常に喜ばしいことです。
一方、とても残念なこともあります。
文京区は、障害のある中高校生を抱える家庭が、「仕事と子育ての両立」への支援を必要としていることをまったく理解していないことがわかりました。
この放課後等デイサービスの開設に際して、中学生以上の障害のある子どもたちが、保護者が就労している時間、安心して過ごせる場所を提供しようという発想がないのです。
今回の放課後等デイサービスの開所時間は、以下になります。
- 学校のある日 13時から18時30分まで
- 学校が休みの日
- 長期休業日(月~金曜日)及び振替休業日 9時から17時まで
- 土曜日 9時から17時まで
学校が休みの日は、17時まででは、保護者は現実的に就労できません。
どのような想定で計画したのか、理解に苦しみます。
ちなみに区内の育成室(学童保育)は、学校が休みの日でも以下の通り18時30分までとなっています。
- 長期休業日(月曜日~金曜日)8時15分から18時30分
- 振替休業日(月曜日~金曜日)8時30分から18時30分
長期休業中も学校がある時と同じ18時30分までです。
「子育てと仕事の両立」を支援する子育て支援であれば当たり前のことです。
この時間でさえ、就労状況によっては急いで帰宅するのが困難な人もいるのが現実です。
令和5年度で、育成室を利用する障害のある子等の特別な支援が必要な子どもは約141人、在籍しています。その中には、6年生6人も含まれています。
彼らが来年3月に小学校を卒業すると、学校がある日も長期休暇中も、放課後に安心して過ごせる居場所がありません。となれば、親の就労が困難になってしまいます。
区に、今回の新規開設で学校がある日とな い日で終了時間が異なる理由を尋ねたところ、
「区内の区営の放課後等デイサービスは学校がある日は18時半まで、学校がない日は17時までの営業時間で、それに合わせた」
文京区
という回答がありました。
また、
「学校がない日も18時半まで延長すれば事業者の経営が成り立たない」
文京区
とのことです。
障害のある子どもを育てる家庭にとって、「中学生になると保護者の就労継続が難しい」というのは重要な問題です。まさに「中一の壁」です。
以前に問題提議したブログ記事もぜひ合わせてご覧ください。
▼「こども家庭庁」発足で文京区は変わるか!? 障害のある子の親は働けない「中一の壁」
http://kaizuatsuko.com/archives/2063#i-5
区が、問題を認識し、改善しようとする意識さえあれば、「他の区営事業所と横並びの終了時間にする」という前例踏襲主義ではなく、新しく開設する事業所だからこそ、「子育てと仕事の両立」を支援を改善する開所時間設定を目指すはずです。
経営が成り立たないのであれば、補助金で支えることも考えられます。
「中一の壁」は放置したままで良いはずがありません。
障害のある子の子育ては「ずっと続くもの」。
そのためにも「仕事もずっと続けるもの」です。
「子ども子育て支援法」でも、国は市区町村に「仕事と子育ての両立のための基盤整備」を求めており、これは、小学校までではなく18歳になるまでの子どもと家族に対してです。
開設予定は来年7月ですので、まだ時間があります。
中学生以降の障害のある子どもの家庭への支援策として、「子育てと仕事の両立」への支援の拡充を求めていきます。
皆さんもぜひ、区の動向にご注目いただき、ご意見をお寄せください。
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