差別していることに気づかない!?預かり保育をいまだ実施しない文京区教育センターの児童発達支援事業
子育て支援とは、「保護者の多様な生き方を支援しつつ、子どもの最善の利益を守るもの」だと私は考えています。
子どもとの縁で親子となり 暮らしの中では様々なことが起こっていきます
- 子どもの発達、園や学校になじめない我が子・・不登校、進路の心配
- 心身の疲労、不調
- 思い描いた人生が子どもによって苛まれるような焦り
- 経済的な不安
- パートナーとのすれ違い
- ひとり親としての葛藤
- 子育てと介護が重なる時間的、肉体的、経済的な苦痛
- などなど・・・
そうした親の折々様々な事情の中でも、すべての子どもが家庭環境に左右されずにその子らしく育っていくために、子育てを社会で支えるのが「子育て支援」であり、必須の事業だと考えています。
そのため、議員になって2期8年間、「だれひとり取り残さない」子育て支援を目指して取り組んできました。
しかし、文京区はそうした子育て支援事業の中で、未だに障害のある子どもの家庭への支援が不十分で、「取り残された」と感じる家庭を生んでしまっている現実があります。むしろ、認識は持っていながらも遅々としており「そもそも進める気はあるのか?」と疑わざるを得ない状況です。
特に、障害のある子を支える機関として中心となるべき文京区教育センターの認識不足が否めません。
例えば、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育てを支援するための法律(子ども子育て支援法 平成24年施行)では、各自治体に、地域子育て支援拠点事業(放課後児童クラブ(学童保育)、一時預かり、延長保育、病児・病後児保育、妊婦健診など)を拡充することを求めています。そうした背景もあり、幼稚園であれば「預かり保育」が拡充されてきている経緯があります。
当然、文京区でもこれを受けて、ホームページには以下のような記載があります。
地域の子育て支援の充実を図ります
共働き家庭だけではなく、すべての子育て家庭を支援するため、ご家庭で子育てをする保護者も利用できる「一時預かり」や、身近なところで子育て相談などが受けられる「地域子育て支援拠点」など、地域の様々な子育て支援を充実していきます。
https://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kosodate/kekaku/_19210.html
ところが、文京区教育センターでは、同センターの児童発達支援事業「そよかぜ」に通う、週5日のお子さんたちに向けての「預かり保育」を実施していません。
理由は「場所がない」という言い訳です。教育センターは4年前に建てたまだ新しい施設です。子ども子育て支援法は平成24年に公布されており、当然、「預かり保育」を実施できるように見据えた建物を作っておくべきだったのです。
私自身は議会で教育センター建設の実施設計に対して、このままでは預かり保育を実施するのは困難を極めると指摘し、改善することを要望してきました。それでも、文京区の悪しき習慣とも思える、「もうここまできたから設計は変えられない」として、「運用で預かり保育等を検討していく」との答弁が繰り返されていました。
結果として、オープンから4年が過ぎた今になってさえ「場所がない」からと、運用も進んでいないお粗末な実態です。相も変わらず「場所がない」を繰り返すだけです。要は、障害のある子の家庭に「預かり保育」を提供する気がないのだと指摘せざるを得ません。
実際に、こうした状況から、文京区では、児童発達支援事業に子どもを通所させるためには就労をあきらめざるを得ないという不幸な現実が生まれています。通所は2時までなので、その後は帰宅することになります。預け先がままならず、きょうだいの保護者会などへの出席にも困難をきたすなど様々な障害を生んでいます。
こういった行政のあり方がこのまま放置されて良いのでしょうか?
私は、障害のある子どもの家庭が「一時預かり保育」を利用できるようにしないというのは、(教育センターは気づいていないかもしれませんが)明らかに差別だと思っています。
教育センターにすれば「差別をしている」意識はないのだと思いますが、意識がないことが一番、やっかいです。幼稚園等のような「一時預かり」がないために、保護者がリフレッシュや「子育てと仕事の両立」ができない状況を4年間も放置しているのは、差別だと私には思えてなりません。
区が掲げる子育て支援から明らかに障害児家庭を除外しているように映ります。
今年の3月に、各自治体に国から通知された「児童虐待の抜本的強化」では、
虐待のリスク要因の一つとされる知的障害や発達障害等のある子ども(その疑いのある子どもを含む)のいる家庭があり、「障害のある子どもとその保護者への支援の強化」があげられています。
●厚生労働省:児童虐待防止対策の抜本的強化について
https://www.mhlw.go.jp/content/000496811.pdf
●NHK:障害児入所施設で暮らす子どもの3割が、入所前に虐待を受けていた疑いがある
また、上記に関連して、文京区が配布している「みんなで防ぐ障害者虐待」のパンフレットには、以下のような記述もあります。
「虐待される人」「虐待してしまう人」の両方を救うために
養護者への支援も大切です
<負担を軽くする>
養護者の心身の疲れなど負担感が大きい場合、短期入所など障害福祉サービスの利用で、休息できる時間などをつくる。
https://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0095/4888/leaflet.pdf
3年後には児童相談所も開設する文京区は、虐待予防を最重要課題のひとつとしています。
であるなら、児童発達支援事業を行う教育センターが、障害のある子の家庭に対しての子育て支援として、虐待予防の観点からも必要不可欠であるはずの「預かり保育」を実施しないまま放置している現状は、速やかに改善することが区の責務です。不幸な事件が起きてからでは遅いのは、昨今のニュースの悲しい事件の数々を見ても、誰しもが感じているところだと思います。
だれひとりとして、取り残された思いをもつことのない、孤独感を感じることのない、子育て支援の実現を目指していきたいと改めて強く決意しています、あなたの「今」に間に合うように。
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そよかぜに息子を通園させている者ですが、こちらのブログ内容は全くその通りだと思います。職員の方も最低限の発達支援をしていますといった受け答えで一般企業に勤める親への配慮は一切ありません。
民間の療育施設へ通わせた方が子供にとっても良いように思います。