令和8年6月文京区議会本会議質問(2/3)
前回に引き続き、2/3をUPします。
6月に私、海津敦子が本会議で一般質問を行いました。
区長・教育長それぞれへの質問と、それぞれの答弁を一問一答形式に編集して共有します。
また、各答弁に対する「海津の考え」も付記しました。長いので、3回に分けて投稿して行きます。
ぜひ、お時間のある時に、ご興味のある項目をご覧の上、区長・教育長の考えにご注目頂き、ご意見を聞かせて下されば嬉しいです。
第5章 公共図書館の今後について
5.海津質問
小石川図書館の改築は、今後数十年使われる、文京区にとって大きな公共投資です。
区は「中間のまとめ」において、
文化的で豊かな生活を支える学びの拠点
多様な人の交流や賑わいの創出
を掲げています。
一方、世界の図書館は今、
「本を借りる場所」から、
学び、対話し、地域とつながる場 へと役割を広げています。
公共施設は、一度建てると簡単には変えられません。
だからこそ、建てる前に、
「今の延長」ではなく、
50年、100年後を見据えた図書館像
を描くことが重要ではないでしょうか。
小石川図書館改築にあたり、区は、
従来型の図書館機能の更新にとどまらず、
子どもや若者、高齢者、居場所を必要とする人、
学び直しや地域交流も含めた未来の図書館像
を、どのように描いているのか。
また、
区が掲げる「学びの拠点」「交流の創出」という理念を、
どのような機能として具体化しようとしているのか、伺います。
5.教育長答弁
50年、100年後の図書館像については、お答えすることはできませんが、将来的なニーズを見据えた、だれもが利用しやすく居心地のよい図書館の実現に向けて検討を進めることが重要であると考えております。小石川図書館の建替えに当たっては、地域の身近な「学びの拠点」として、資料の収集・保存・貸出といった基礎的なサービスに加え、ライフステージに応じた催しや多様な学習活動等に対応できる図書館を目指しております。
具体的には、図書館で静かに読書や勉強をしたいというご要望がある一方、絵本の読み聞かせやグループ学習、小石川図書館の特性である音楽を生かした空間づくりなど、一定のざわめきを許容する環境も求め
られていることから、多様な活動に対応できるような空間づくりが重要と考えております。
5.海津の考え
答弁では、これからの小石川図書館について、静かに読書や勉強をする場だけでなく、読み聞かせやグループ学習、音楽を生かした空間など、「一定のざわめき」も許容し、多様な活動に対応できる空間を目指すことが示されました。
図書館を単に本を借りる場所として捉えず、多様な学びや活動の場として考えていることは評価したいと思います。
一方で、「50年、100年後の図書館像については答えることはできない」との答弁には、疑問が残りました。
もちろん、50年後、100年後の社会を正確に予測することはできません。
しかし、未来を予測することと、未来に向けた理念やビジョンを描くことは違います。
小石川図書館は、建て替えれば今後数十年にわたり使われる公共施設です。
だからこそ、今ある図書館サービスを新しい建物に移すという発想だけではなく、
「これからの地域に公共図書館は何のためにあるのか」
「子どもや若者、高齢者、居場所を必要とする人にとって、どんな場所であってほしいのか」
「学び直しや交流、地域とのつながりをどう支えていくのか」
という未来像を、建物や部屋の配置を決める前に議論することが必要だと考えます。
そして、その答えを行政だけで決める必要もありません。
子どもや若者を含め、実際に図書館を使う人、今は図書館を使っていない人、地域で暮らす人たちと一緒に、「これからの公共図書館」を考えていくこと自体が重要です。
答弁で示された「学びの拠点」「多様な活動」「居心地のよい図書館」という方向性を、具体的にどのような機能や空間として実現するのか。
未来は分からないから描けないのではなく、未来が分からないからこそ、変化に対応できる図書館を、今みんなで考える。
小石川図書館の建て替えを、その機会にしてほしいと考えています。
第6章 こどもの権利条例の実効性と「助けを求められる場所」について
6.海津質問
区長に伺います。
本年4月から、「文京区こどもの権利条例」が始まりました。
私は、この条例は子どもを守るための大切な一歩だと思っています。
しかし、条例は、つくっただけでは意味がありません。
子どもが困った時、
「助けてと言っていいんだ」
「ちゃんと守ってもらえるんだ」
そう思えることこそ、何より大切ではないでしょうか。
一方で、相談・救済の中心となる「こどもの権利擁護委員」の開始は10月予定です。
つまり今は、条例は始まった一方で、助ける仕組みの本体は、まだこれからという時期です。
そこで、この間、子どもをどう守るのか、4点伺います。
【1点目:今、困っている子どもを誰が守るのか】
現在の窓口は、主に相談や助言です。
では、今、深刻な権利侵害が起きた時、誰が、どの部署が、事実確認や学校・関係機関との調整を行い、子どもを守るのでしょうか。
現在の体制を、単なる相談窓口ではなく、実際に解決につなげる仕組みとして、どう位置付けているのか伺います。
【2点目:通う場所で守られ方が変わらないか】
子どもにとって、区立か私立か、公立か民間かは関係ありません。
そこは毎日を過ごす、大切な場所です。
条例に基づく相談や救済は、文京区にいるすべての子どもが対象であり、通う場所によって守られ方が変わることはないと考えてよいのか伺います。
【3点目:権利擁護委員は「聞いて終わり」にならないか】
10月開始予定の権利擁護委員について伺います。
学校や民間施設などで権利侵害が疑われる場合、区の権限が及ばない相手に対しても、必要な事実確認や関係者との調整を行い、改善につなげていく想定なのでしょうか。
「話を聞いて終わり」では、子どもは守れません。
どこまで実態把握と改善につなげる仕組みとして考えているのか、具体的に伺います。
【4点目:制度の谷間で子どもを置き去りにしないために】
4月から10月までに寄せられた相談のうち、解決に至っていないものについて、擁護委員開始後に必要な調査や支援につなげることを想定しているのでしょうか。
制度の切り替わりで、困っている子どもが置き去りになってはなりません。
相談を継続して支える仕組みについて伺います。
6.区長答弁
まず、現時点での救済体制についてのお尋ねですが、
こどもの権利擁護委員は、本年10月に設置する予定ですが、設置されるまでの間に事案が発生した際には、その事案に応じた部署が中心となり、学校や関係機関等と連携するほか、虐待が疑われる場合には、児童相談所等と協力して支援するなど、こどもの安全確保や課題解決に向けた、必要な対応を行っているところです。
次に、救済の対象についてのお尋ねですが、
「こどもの権利に関する条例」に基づく救済の対象は、本区に在住、在学、在勤など、区内で生活し、活動する18歳未満の方等としております。
したがいまして、こどもが通う場所によって権利保障の扱いが変わることはありません。
次に、こどもの権利擁護委員の仕組みについてのお尋ねですが、
こどもの権利擁護委員は、こどもの権利侵害に関する相談を受けた際に、こどもの最善の利益を守る観点から、必要に応じて事実確認のための調査や調整を行います。また、区の指導権限が直接及ばない相手先に対しても、相談内容を丁寧に把握した上で、関係機関との連携や協力を得ながら、状況確認や必要な働きかけを行うことを想定しております。
今後は、相談から事実確認、関係機関との調整や改善要請に至るまで、より実効性のある仕組みとなるよう、先行自治体の事例等を参考に研究を進めてまいります。
次に、解決に至っていない案件への対応についてのお尋ねですが、
こどもの権利擁護委員が設置されるまでの間に寄せられた権利侵害に関する相談については、まずは
所管部署において丁寧に相談を受け止め、必要に応じて関係機関との連携や調整を行いながら、こどもの最善の利益の実現に向けて対応してまいります。権利擁護委員が設置された際に継続している案件については、内容を精査した上で、必要に応じ引き継いでまいります。
6.海津の考え
今回の答弁で、大切なことがいくつか確認できました。
まず、こどもの権利条例に基づく救済は、区立学校だけではなく、私立・国立学校や民間施設などに通う子どもも対象であり、「こどもが通う場所によって権利保障の扱いが変わることはない」と明確に答弁されました。
さらに、10月に始まる「こどもの権利擁護委員」は、相談を聞くだけではなく、必要に応じて事実確認のための調査や調整を行い、区の指導権限が直接及ばない相手に対しても、関係機関と連携しながら状況確認や必要な働きかけを行うことも示されました。
これは重要な答弁です。
また、権利擁護委員が始まる10月までに寄せられ、継続している案件についても、内容を精査した上で、必要に応じて権利擁護委員へ引き継ぐことが確認できました。
一方で、制度はつくるだけでは、子どもの権利を守ることにはなりません。
区長答弁でも、「相談から事実確認、関係機関との調整や改善要請に至るまで、より実効性のある仕組み」とするため、今後も研究を進めるとしています。
大切なのは、子どもが勇気を出して声を上げた時に、「話を聞いてもらった」で終わらず、必要な調査や調整が行われ、実際の環境改善や救済につながることです。
そして、学校や施設の種類、区に指導監督権限があるかどうかによって、守られる子どもと守られない子どもが生まれてはなりません。
「相談していいんだ」
「声を上げたら、ちゃんと動いてもらえる」
子ども自身がそう信じられる制度になって初めて、条例は生きたものになると考えます。
10月の権利擁護委員のスタートをゴールにするのではなく、実際に子どもの権利侵害を救済できる仕組みとして機能しているのか、今後もしっかり確認していきます。
第7章 子どもへの性被害防止と初動対応の「見える化」について
7.海津質問
【子どもが「言えない理由」への想像力】
もし、子どもが勇気を出して「嫌なことをされた」「何かおかしい」と打ち明けた時、大人にまず求められるのは、何よりもその子の安全を速やかに守ることではないでしょうか。
本年10月には「こどもの権利擁護委員」制度が始まり、12月には日本版DBSも始まります。しかし、制度を整えること以上に大切なのは、「困った時、文京区が具体的にどう自分を守ってくれるのか」が、子どもや保護者に見えていることです。
性被害や不適切な関わりは、子どもにとって極めて声を上げにくい問題です。
「学校に居づらくなるのが怖い」
「信じてもらえないかもしれない」
「親にはまだ言わないでほしい」
そうした不安から、言葉を飲み込んでしまう子どもも少なくありません。
だからこそ、「相談していいよ」と促すだけでは足りません。「相談したら、どう守られるのか」——その安心の道筋が見えていることが、子どもたちの勇気を支える土台になると考えます。
【相談後の流れの「見える化」】
そこで伺います。
学校や施設等で、性被害や不適切な関わりの疑いが生じた際、
•誰が最初に話を聞くのか
•専門的支援にどうつなぐのか
•秘密や安全をどう守るのか
この流れを、子どもや保護者が事前に理解できる状態になっているでしょうか。
「相談した先に何が待っているのか分からない」という不安そのものが、声を上げることをためらわせることもあります。
だからこそ、子どもや保護者が「相談したら、こう守られる」と安心できることは極めて重要です。
現在、区として、相談後の流れや守られ方について、どのように子どもや保護者へ伝えているのでしょうか。また、今後、どのような課題認識のもと、周知や仕組みの整備を検討しているのか伺います。
【「何かおかしい」を見逃さない初動対応】
次に、初動対応について伺います。
重要なのは、本人からの相談だけではありません。周囲の大人や教職員が抱く「何かおかしい」という違和感こそ、見逃してはいけないサインです。
しかし現実には、
「確証がない」
「思い違いかもしれない」
「大ごとにしたくない」
そうした迷いや遠慮から、結果として見て見ぬふりになったり、組織の中で十分に共有されないまま、問題が止まってしまうこともあります。そして、その初動の違いが、子どもの安全を守れるかどうかを大きく左右します。
学校によって、先生によって、相談先によって対応が違う——そんなことで、守られる子どもと、守られない子どもが生まれてはならないと思います。
そこで伺います。
学校、教育センター、子ども家庭支援センターなど、相談の入口がどこであっても、「違和感」の段階から、誰がどう判断し、どこまで安全確保につなげるのか。現在、初動対応の考え方や基準はどのように共有されているのでしょうか。
また、一人の教職員や職員の気づきが、見過ごされたり、組織の中で止まったりすることなく、確実に子どもの安全につながるために、現在どのような体制があり、どのような課題認識のもと整備を検討しているのか伺います。
最後に。
子どもたちが、「声を上げれば守られる」「誰かが気づけば守られる」*と心から信じられる文京区に向け、相談後の流れの伝え方や初動対応について、現在どのような課題を認識し、今後どのような検討を進めていくのか、見解を伺います。
7.区長答弁
まず、学校や施設等での性被害等についてのお尋ねですが、学校においては教職員やスクールカウンセラー等が、児童福祉施設等においては施設職員等が初期対応を行い、こどもの心理面に配慮しながら内容を把握した上で、こども家庭支援センターや児童相談所、警察等の関係機関につなぐ体制としております。
その際には、個人情報等の取り扱いに十分配慮しながら、必要な安全確保につなげております。
また、相談を受けた際には、相談内容を丁寧に聴き取り、本人の意向や状況を確認した上で、必要な助言や関係機関との連携等を図り、可能な限り分かりやすく説明しながら対応しているところです。
こどもたちに向けて、SOSの出し方や心と体を守るための教育などを行っておりますが、性被害のおそれが生じた際の相談後の流れや安全確保の対応については、こども本人や保護者が十分に理解できるように周知していく必要があると認識しております。
今後とも、こどもや保護者がためらわずに相談できるよう、各施設等の相談窓口の一覧化や、相談後の流れを見える化したものを作成し周知徹底を図るなど、こどもの安全確保を最優先に取り組んでまいります。
次に、相談の初動対応等についてのお尋ねですが、各施設等で受ける、
こども本人や保護者からの相談の中で、不自然な様子など違和感を抱いた際には、組織として情報を迅速に共有し、緊急性や支援の必要性を判断しております。
また、性被害が疑われる場合には、関係部署等と連携し、こどもの安全確認や必要な支援につなげることとしております。相談先によって差が生じることのないよう、性暴力に関する国や都のマニュアル等を参考にしながら、引き続き、こどもの視点に立ち、違和感を早期に受け止め、適切な支援につなげてまいります。
次に、現在の体制や課題認識についてのお尋ねですが、
先程ご答弁申し上げたとおり、組織として情報を迅速に共有し、必要に応じて関係機関と連携して対応しております。
一方で、職員の経験年数にかかわらず、多忙な状況の中でも、小さな気づき等を確
実に共有し、迅速な初動対応につなげていくことが重要であると認識しております。今後とも、職員等による気づきが見過ごされることのないよう、研修等の実施により早期に共有できる環境づくりを進めることで、こどもの安全を最優先とした対応に努めてまいります。
次に、相談後の対応等についてのお尋ねですが、先程ご答弁申し上げたとおり、
相談後の流れや安全確保の対応について、こどもたちに向けて、より分かりやすく周知していく必要があると認識しております。
今後とも、こどもの視点に立ち、相談後の流れや守られ方を分かりやすく示していくとともに、職員や関係機関が初動対応の考え方を共有するなどの取り組みにより、こどもの最善の利益の確保につなげてまいります。
7.海津の考え
今回の答弁では、具体的な前進がありました。
区長は、性被害などのおそれが生じた際、「相談した後にどうなるのか」「どのように安全が守られるのか」について、子どもや保護者に十分理解できるよう周知する必要があると認めました。
その上で、相談窓口を一覧化し、相談後の流れを「見える化」したものを作成すると明言しました。
これは大切な一歩だと評価しています。
ただし、私が求める「見える化」は、ホームページに掲載した、チラシを配布した、という行政側の「周知しました」で終わるものではありません。
子ども自身が見て、分かること。
「ここに相談していいんだ」
「相談したら、次はこうなるんだ」
「自分の話はこう守られるんだ」
「危険な時は、こうやって守ってもらえるんだ」
と、子ども自身が理解でき、安心して助けを求められることが「見える化」の目的です。
年齢や発達段階、障害の有無などにかかわらず、必要な情報が子ども本人に届き、理解できる伝え方になっているかという視点も欠かせません。
また、本人が声を上げられない場合もあります。だからこそ、周囲の大人が感じた「何かおかしい」という小さな気づきを組織で共有し、学校や施設、担当者によって対応に差が生じることなく、安全確保につなげる仕組みも必要です。
「声を上げれば守られる」
「誰かが気づけば守られる」
今回の答弁を具体的な仕組みにどう落とし込み、本当に子ども自身に伝わる「見える化」になるのか。
そこまで確認していきます。

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