令和8年6月文京区議会本会議質問(1/3)

6月に私、海津敦子が本会議で一般質問を行いました。
区長・教育長それぞれへの質問と、それぞれの答弁を一問一答形式に編集して共有します。
また、各答弁に対する「海津の考え」も付記しました。長いので、3回に分けて投稿して行きます。
ぜひ、お時間のある時に、ご興味のある項目をご覧の上、区長・教育長の考えにご注目頂き、ご意見を聞かせて下されば嬉しいです。

なお、質問は、事前に区に提出したものです。


令和8年6月8日 質問

区長は、大学院で公共政策を学ばれ、公共政策学修士でもあります。

私は、公共政策とは、社会の変化や現場の声を踏まえ、より良いものへ更新し続ける営みだと考えています。

その時に大切なのは、

「今、誰にとって困りごとや、生きづらさがあるのか」

という視点ではないでしょうか。

制度に合わせることが難しい人がいる時、

その人だけに努力や適応を求めるのではなく、

制度や環境の側を問い直していく。

それこそが、政治の責任だと私は考えます。

本日は、この視点から、

区民共有の財産を、どのような手続きと考え方で活用しているのか

そして、子どもたちの権利や、心の安全が、制度の中で本当に守られているのか。

その点を中心に伺います。

複雑で難しい課題もあります。

しかし私は、区長もまた、より良い文京区を目指している、と信じています。

だからこそ、区民の納得につながる誠実なご答弁を期待し、伺ってまいります。

1. 園庭部分の取り扱いと貸付料算定について

海津質問

園庭の地下は順天堂が使っている。それなのに、なぜ、園庭部分を貸付料の対象外なのか伺います。

認定こども園の園庭の地下には、順天堂が利用する体育館や駐車場の一部があります。

しかし区は令和7年3月、園庭部分を貸付対象から外し、順天堂への貸付面積を約2,855㎡から約1,971㎡へ縮小しました。

区は、

「園庭は区が専用で使用するため貸付対象外」

「もともと貸付料に算入していないため、貸付面積が減っても貸付料に影響はない」

と説明しています。

しかし実態としては、地下は順天堂が利用しています。

区民感覚からすれば、

「地下は使う。でも貸付料は対象外」

この整理に疑問を持つのは自然ではないでしょうか。

しかも、この施設は、園庭下利用を前提に設計されています。

つまり、約2,855㎡の土地全体があったからこそ、現在の施設配置が成り立っているとも考えられます。

そこで伺います。

地下利用という実態があるにもかかわらず、なぜ園庭部分を貸付料の対象外にできるのか。

また、園庭部分を除外しても現在の施設設計が成立すると、どのような根拠で判断しているのか。区民にも分かるよう説明してください。

区長答弁

最初に、元町ウェルネスパークに関するご質問にお答えします。 

まず、事業計画範囲の面積等についてのお尋ねですが、 

本事業については、平成31年3月に公表した「旧元町小学校の整備と元町公園の一体的活用事業 _事業者公募型プロポーザル募集要項」に基づき、公募を実施いたしました。

その際、公募時の事業者からの質問に対して、認定こども園の園庭部分については、区が使用するため、貸付料の算定面積から除くことを、全参加予定事業者に回答しております。

また、土地の権利関係を整理する中で、昨年3月に、認定こども園として専有使用する園庭については、事業用定期借地権の範囲から除いたところです。

一方、事業計画範囲の面積については、基本協定書において、当初から園庭部分も 

含めて定めております。事業計画範囲に変更はなく、園庭の地下に体育館を整備し使用することについても、区と事業者において合意しているものです。 

なお、土地の貸付料の算定にあたっては、地下にある建物等についても対象としております。 

次に、貸付面積の変更等についてのお尋ねですが、 

先ほどご答弁申し上げたとおり、基本協定書における事業計画範囲の面積については変更がないことから、貸付面積の変更に伴い減額率も変更すべきという、議員のご指摘は当たらないものと認識しております。

海津の考え

区長は、園庭部分を貸付料の算定面積から除く一方で、「事業計画範囲に変更はない」と答弁しました。つまり、園庭部分を含む土地全体を使って現在の施設計画が成り立ち、園庭地下には順天堂が使用する体育館も整備されています。

さらに、情報公開で入手した区とコンサルタントとの当時の打合せ記録を見ると、区側から、園庭部分が二重に差し引かれているようで「腑に落ちない」との疑問が示されていたことも分かりました。

これは重要です。

現在、区は貸付料の算定は適正だったとの立場ですが、算定過程では区自身が疑問を持っていたのです。では、その疑問について、どのような検証を行い、なぜ最終的に問題ないと判断したのでしょうか。

また、園庭部分を貸付面積から除外しながら、その地下は順天堂が利用し、事業計画範囲には園庭部分も含まれたままです。こうした土地利用の実態を踏まえても、現在の貸付料が適正なのか、客観的な検証が必要だと考えます。

この問題については、住民監査請求を受け、7月24日から個別外部監査が実施されています。

だからこそ、当時の打合せ記録や算定資料を丁寧に検証し、区自身が抱いていた疑問がどのように解消されたのかも含め、区民に分かる形で明らかにしてほしいと考えています。

2. 55%減額の整合性について

海津質問

区は、順天堂への土地貸付料について、約55%という大幅な減額を行っています。

その理由として区は、

• 本来この土地で建てられる建物規模に対し、順天堂が約45%分を使っていないこと

• 認定こども園による制約(約10%)

をあわせて、55%だと説明してきました。

しかし、区は認定こども園の園庭部分を除外し、貸付面積を約2,855㎡から約1,970㎡へ縮小しました。

そうであるならば、本来建てられる建物規模そのものも小さくなる以上、「使っていない割合」も変わると考えるのが自然ではないでしょうか。

順天堂の実施設計を前提に試算すると、「使っていない割合」は当初の約45%から約19%程度になる可能性があります。

だとすれば、減額率も55%ではなく、約29%程度になります。

それにもかかわらず、

貸付面積は小さくなる。

一方で、55%減額はそのまま。この2月の土地貸付料の見直しでも55%維持しています。

これでは、区民から

「二重に優遇しているのではないか」

と疑問を持たれても無理はないのではないでしょうか。

しかも、その差額は年間約1,500万円規模になる可能性があります。

1,500万円あれば、放課後の子どもの居場所づくりや、学校で困っている子どもへの支援を、もう一歩前に進められるかもしれません。

伺います。

貸付面積を縮小したにもかかわらず、なぜ55%減額を維持しているのか。区民が納得できる具体的な算定根拠を、数値も含めて説明してください。

3. 公募の公平性と透明性について

海津質問

次に、公募の公平性について伺います。

西館の貸付料は、令和4年の算定時から、

園庭は順天堂が使えないとして、園庭部分を除外し、

建物で順天堂が使う部分だけを支払う床面積割合で按分し、

さらに、建設上の制約を理由に約55%もの減額

が行われています。

区は、

「園庭部分の除外や床面積割合は減額ではなく、順天堂が使う範囲を整理した当然の計算」と、説明します。

区の説明は理解します。

しかし、

上記の条件で計算すると、その結果、貸付料は本来の水準から約8割近く下がっています。

しかも、こうした貸付料に大きく影響する条件は、

公募時に具体的に示されていたとは言い難い

ものです。

もし最初から示されていれば、

応募の判断や提案内容、場合によっては応募そのものが変わった可能性

もあったのではないでしょうか。

私は、ここで問われるのは、

金額そのもの以上に、公募の公平性と透明性

だと考えます。

そこで伺います。

貸付料に大きく影響する条件が、選定後に次々整理・追加され、結果として貸付料が大きく下がる状況を、公平・公正な公募と言えるのか。

また、この決定プロセスについて、区長は区民への説明責任を果たしていると考えているのか、認識を伺います。

区長答弁

本事業については、募集要項に基づき実施しております。貸付料については、導入する公共機能の内容等や歴史性の継承などにより、事業者が敷地に建設する建約を受けることを考慮し、減額も含めた額を参考地代として募集要項に示しているなど、事業者選定後に条件を整理・追加したものではございません。また、本案件については、他の公有財産と同様、公有財産管理運用委員会において貸付料を決定しております。 

海津の考え

私が問うたのは、「参考地代が公募時に示されていたか」だけではありません。

貸付面積が約2,855㎡から約1,971㎡へ大きく変わったにもかかわらず、約2,855㎡を前提に算出した容積未消化による減額を、そのまま維持することが合理的なのかという問題です。

また、貸付料を大きく左右する具体的な算定方法や条件が、公募参加者にどこまで明確に示されていたのかという公平性・透明性の問題もあります。

区長は「事業者選定後に条件を整理・追加したものではない」と答弁しましたが、私が示した具体的な疑問への説明にはなっていません。

公有財産管理運用委員会で決定したという「手続き」だけでなく、その判断が合理的だったのか、改めて検証する必要があります。

4. 貸付料算定方法の客観性と行政責任について

海津質問

最後に、貸付料算定について伺います。

区有財産は、区民共有の財産です。

だからこそ区には、

その価値を適正に評価し、適正な対価を得る責任

があります。

ところが西館では、

55%減額

園庭部分の除外

地下利用

など、複数の特殊条件があるにもかかわらず、

土地貸付料は路線価方式

で算定されています。

一方で、

区が土地を取得する際や、順天堂東館の貸付料算定では、不動産鑑定評価が行われています。

一般に、路線価は、不動産鑑定価格の8割程度が目安

とも言われています。

区民から見れば、

「区が買う時は慎重に鑑定する。順天堂に貸す時は、なぜ鑑定ではなく路線価方式なのか」

という疑問が生じても不思議ではありません。

また、一般的に路線価方式は、社会福祉施設等の公共性が極めて高い案件で採用される手法です。しかし、順天堂の事業は営利活動も伴うものであり、福祉事業とは異なります。

しかも今回は、地下利用を伴う特殊案件です。

本当に、

路線価方式だけで適正な価値を評価できるのでしょうか。

そこで伺います。

なぜ西館については、不動産鑑定評価を行わず、路線価方式を採用したのか。

また、

区民共有の財産について、客観性・適正な対価をどのように担保したのか、区長の認識を伺います。

区長答弁

元町ウェルネスパークの西側敷地の土地貸付料は、他の公有財産と同様に、相続税路線価に必要な補正を加えた利回りを乗じて計算しております。相続税路線価による適正な算定により、貸付基準が明確になり、土地のより正確な評価が可能となっているものと認識しております。

なお、元町ウェルネスパーク東館の建物貸付料については、相当年数が経過した建物を保全するための復元的改修を実施していることから、不動産鑑定評価により算定しております。

海津の考え

情報公開で確認したところ、文京区の公有財産管理規則では、普通財産を貸し付ける場合、貸付料は「適正な時価により評定した額をもって定めなければならない」とされています。

区長は、相続税路線価に必要な補正を加えることで「より正確な評価が可能」と答弁しました。

しかし、今回の土地には、園庭部分の除外、園庭地下の利用、容積未消化による大幅な減額など、通常とは異なる条件が重なっています。

問われるべきは、単に「路線価方式で計算したから適正」ということではなく、その算定結果が、公有財産管理規則が求める「適正な時価」になっているのかという点です。

区有財産は区民共有の財産です。

これほど特殊な条件が重なる土地だからこそ、不動産鑑定評価など客観的な検証も行い、実際の土地利用や市場価値を踏まえて「適正な時価」であることを区民に説明する責任があると考えます。

       

1. 利用者とご家族の不安について

海津質問

区立高齢者施設で、事業者交代が相次いでいる問題について伺います。

高齢者施設にとって大切なのは、建物ではなく、慣れた職員との関係や、安心して相談できる環境です。

だからこそ、運営主体が変わることは、

「今の支援は続くのか」

「慣れた職員はどうなるのか」

「また環境が変わるのか」

という、利用者や家族の大きな不安につながります。

しかし今、文京区では、白山の郷、千駄木の郷、そして再び白山の郷と、事業者交代が相次いでいます。

今回、白山の郷を運営する芙蓉会は、区内複数の高齢者施設等も担っており、利用者は少なくとも450人にのぼります。

その芙蓉会が、事業運営から退き、別事業者への事業譲渡が決まりました。

区が「安定運営できる法人」として公募で選定し、令和6年9月に協定を結んだ法人芙蓉会が、令和7年4月の運営開始から、わずか1年余で運営主体を変わることになります。

この間、区は運営状況の把握をどのように行っていたのか。区による事情徴収の時期、回数、内容を時系列でお示しください。

さらに不安に向き合う利用者・家族・職員へのケアはどのように行うのか。

また、区長は、この事態をどう受け止めているのか、認識を伺います。

2. 事業譲渡に至る経緯と公募の公平性について

海津質問

区立高齢者施設で、事業者交代が相次いでいる問題について伺います。

高齢者施設にとって大切なのは、建物ではなく、慣れた職員との関係や、安心して相談できる環境です。

だからこそ、運営主体が変わることは、

「今の支援は続くのか」

「慣れた職員はどうなるのか」

「また環境が変わるのか」

という、利用者や家族の大きな不安につながります。

しかし今、文京区では、白山の郷、千駄木の郷、そして再び白山の郷と、事業者交代が相次いでいます。

今回、白山の郷を運営する芙蓉会は、区内複数の高齢者施設等も担っており、利用者は少なくとも450人にのぼります。

その芙蓉会が、事業運営から退き、別事業者への事業譲渡が決まりました。

区が「安定運営できる法人」として公募で選定し、令和6年9月に協定を結んだ法人芙蓉会が、令和7年4月の運営開始から、わずか1年余で運営主体を変わることになります。

この間、区は運営状況の把握をどのように行っていたのか。区による事情徴収の時期、回数、内容を時系列でお示しください。

さらに不安に向き合う利用者・家族・職員へのケアはどのように行うのか。

また、区長は、この事態をどう受け止めているのか、認識を伺います。

区長答弁

当該施設に関する事業運営の方向性について、

現時点では、法人間で様々な手続きを調整、検討、実施している段階です。

法人の活動や安定した事業運営に支障を与えることのないよう、情報の取り扱いについては慎重な対応が必要であることから、詳細についての答弁は差し控えさせていただきます。

一方で、議員ご指摘のとおり、利用者及び家族が不安なく介護サービスを利用できることが重要であると認識しております。 

社会福祉法人における「事業譲渡」に関しては、利用者及び職員の利益を守りながら、良質な福祉サービスを継続して提供できる方法のひとつとして国がガイドライン等を定めており、各法人における安定的な運営においては、この方法を含め、法人の自主的な判断のもと、日頃から様々な検討がなされているものと認識しております。区としては、引き続き介護サービスの安定的な提供に向け、各法人における判断を尊重しながら必要な支援に努めてまいります。

なお、令和6年度に実施した公募時点における評価は適切に行われており、公平性等、その後の判断には影響しないものと認識しております。

海津の考え

区長答弁を聞いて、最も気になったのは、「法人の自主的な判断」という言葉です。

もちろん、社会福祉法人による事業譲渡という仕組みそのものを否定しているわけではありません。

しかし今回問うているのは、一般的な民間法人同士の事業譲渡ではありません。区有施設を活用し、区が公募・審査を行い、「安定的に運営できる」と判断して選定した法人が、事業開始からわずか1年余で運営主体を変更しようとしている問題です。

区長答弁では、事業継続が難しくなったことを区がいつ把握したのか、なぜ再公募ではなく事業譲渡なのか、どのような選択肢を比較したのか、そして譲渡によって現事業者に不当な経済的利益が生じないことをどう確認するのか、という質問には答えられませんでした。質問では、まさにこれらの点を具体的に尋ねています。

さらに区長は、「令和6年度に実施した公募時点における評価は適切に行われており、公平性等、その後の判断には影響しない」としています。

しかし、公募の信頼性は「選定した時点だけ適切だった」で終わるものではないと考えます。

選定から短期間で運営主体が変わるのであれば、なぜそうなったのかを検証し、その結果を次の事業者選定や契約のあり方に生かすことが行政の責任です。

そして何より、450人という数字の向こうには、利用者一人ひとりの暮らしがあります。

高齢者福祉は、事業者が変わっても同じサービスを提供すればよい、というものではありません。慣れた職員との関係や、相談できる人がいること、その場所で積み重ねてきた安心そのものが支援の一部です。

だからこそ、「法人間の問題」として扱うのではなく、区が公募で選定した事業である以上、利用者・家族・職員への影響、公募の公平性、事業者選定の検証まで、区が主体的に責任を持つべきだと考えます。

海津質問

区長に伺います。

来年早々に実施予定の「入学準備金制度」についてです。

本制度は、所得制限を設けず、高所得世帯を含む幅広い層を対象とする一方で、生活保護世帯や就学援助受給世帯の子どもたちは対象外としています。

予算特別委員会で区は、「既存制度がある層を除き、制度のない層を支援する」と説明しました。しかし、生活保護や就学援助は、本来、子どもが最低限の教育環境を維持するための制度です。

私は、「既存制度がある」という理由だけで対象外とする考え方が、子どもたちの実態に即しているのか、疑問を感じます。同じ「入学」という人生の節目を迎える子どもたちに対し、そこにどのような公平性があるのでしょうか。

他自治体では、生活保護制度上の収入認定の整理や、入学祝金等の仕組みを活用し、これらの世帯も含めて支給している例があります。つまり、制度上できなかったのではなく、区として対象外とする判断をしたということです。

そこで伺います。

今回、生活保護世帯や就学援助世帯を対象から除外したのは、制度上不可能だったのか。それとも、対象としないという政策判断だったのか、明確な答弁を求めます。

また、その判断は、本年4月施行の「文京区こどもの権利条例」が掲げる「こどもの最善の利益」と、どのように整合すると考えているのか、区長の具体的な認識を伺います。

区長答弁

区では、「こどもの権利に関する条例」の趣旨を踏まえ、各施策において必要な取り組みを適切に実施して

おります。本制度は、幅広い層の家庭の経済的負担を軽減することで、子育て世帯を後押しするものであり、

格差を広げるものではありません。

こうした取り組みが結果として、こどもの最善の利益に資するものと考えております。

教育長答弁

本事業は、昨年6月に国から発出された現下の物価高に対して地域の実情に応じた取組みの検討を求める
通知を受け、子育て世帯全体の教育にかかる経済的な負担を軽減することを目的に事業化したものです。
支援が必要な世帯の教育費については、
従前から就学援助制度等により物価高騰も加味した一定の経済的な負担の軽減が図られているものと認識
しております。
本事業はこれまで対象外だった中間層等を対象とすることで、従前からある制度を補完し、子育て世帯全
体を後押しする事業として設計したものです。
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そのため、支援を必要とする世帯を対象から除外するために準備金としたものではありません。
入学準備金の支給により、子どもがいるご家庭の教育にかかる経済的負担が軽減され、本区の子どもたち
は皆公平に入 学の準備を進めてもらえるものと考えており、結果として、こどもの最善の利益 に資するも
のと捉えております。
なお、支援が必要な世帯については、塾代助成や自然体験教室の費用補助などの事業も行っているほか、
様々な子育て支援メニューを用意し多面的に支援を行っているところです。
また、「祝金」については、教育費の負担軽減とは趣旨が異なる事業であると考えております。子育て世帯
への給付については、子育て世帯への支援全体の枠組の中で検討すべき課 題であると認識しております。

海津の考え

教育長は、生活保護世帯や就学援助世帯については、すでに一定の経済的支援があるため、今回の入学準

備金は「これまで対象外だった中間層等」を支援する制度として設計したと答弁しました。

しかし、私が問うたのは、「別の支援制度があるかどうか」ではありません。

所得制限を設けず、高所得世帯にも支給する新たな入学準備金を創設する一方で、経済的に最も支援を必

要とする世帯の子どもたちを対象外とすることが、本当に「公平」と言えるのかということです。

生活保護や就学援助は、最低限必要な教育環境を保障するための制度です。それを受けていることを理由

に、新たな子育て支援から外すことが当然であってはならないと考えます。

区長は「格差を広げるものではない」、教育長は「本区の子どもたちは皆公平に入学の準備を進めてもら

える」と答弁しました。

しかし、制度をつくる時に大切なのは、制度ごとに「支援されているか」を見るだけではなく、一人の子

どもの立場から、支援全体がどう届いているのかを見ることではないでしょうか。

文京区では、この4月から「こどもの権利に関する条例」が施行されています。

だからこそ、「既存制度があるから対象外」ではなく、すべての子どもの最善の利益という視点から、本

当にこの線引きでよいのか、改めて検証する必要があると考えます。

また、区長は、生活保護世帯や就学援助世帯を除外したのは、政策判断だったのか の問いには答えてい

ません。

重要なことなだけに、確認していきます。

海津質問

区長に伺います。

文京区は、男女平等参画推進条例やパートナーシップ宣誓制度を通じ、多様な生き方や家族のあり方を尊重する姿勢を示してきました。

私は、法制度の技術論ではなく、文京区のトップとして、「個人の尊厳」や「多様な家族のあり方」をどのように認識しているのか、その姿勢を伺います。

まず、パートナーシップ宣誓制度についてです。

文京区は、同性カップルを「尊重すべき存在」として位置付ける主体的な価値判断を示しています。

しかし現実には、法律婚が認められていないことで、相続、親権、税制、医療同意など、人生の根幹に関わる場面で不利益や不安定さが残されています。

また、病院での面会や住居契約なども、法的保障ではなく、周囲の理解や配慮に委ねられている場面があります。

そこで伺います。

区長は、

「配慮によって支えられている状態」と、「法的な権利として保障されている状態」の違いを、どのように認識されていますか。

次に、自治体の責任についてです。

区長はこれまで、同性婚や選択的夫婦別姓について「国の動向を注視する」と答弁されてきました。

確かに法制度そのものは国の所管です。

しかし、文京区が理念を掲げ、当事者を尊重すべき存在として位置付けた以上、「国の制度だから」と整理するだけで、自治体の責任を果たしたと言えるのでしょうか。

制度の狭間で生きづらさを抱える区民に対し、

「今、自治体として何ができるのか」

を問い続けることこそ、基礎自治体の役割ではないでしょうか。

区長は、理念を現実の安心につなげる自治体の役割を、どのように認識されているのか伺います。

次に、選択的夫婦別姓についてです。

現行制度では夫婦同姓が前提となっており、改姓による負担や不利益を受ける方がいます。

一方、選択的夫婦別姓は、同姓を望む人に変更を求める制度ではなく、同姓か別姓かを選べる制度です。

その中で、現在の制度が「同姓」を法律上の前提としていることについて、区長は、「個人の尊厳」や「自己決定」の観点から、どのように受け止めているのでしょうか。

多数派には見えにくくても、制度の前提からこぼれ落ち、生きづらさを抱える区民が現実に存在します。

自治体として、現時点で何ができ、何ができないと整理しているのか。

区長の明確なご答弁を求めます。

区長答弁

まず、パートナーシップ宣誓制度に関する認識についてのお尋ねですが、 

区のパートナーシップ宣誓制度は、同性パートナー関係にある方々が、様々な場面で二人の関係を尊重した公平かつ適切な対応を受けられるよう、区が関係機関に配慮を求めるものであり、法的権利として関係性が一律・安定的に保障される状態とは異なるものと認識しております

次に、区の役割についてのお尋ねですが、

同性婚の法制化や選択的夫婦別姓制度の導入は、国において議論がなされるべきものであり、区の役割は、多様な性のあり方や家族の形を尊重し、区民が安 心して生活できる環境を整えることであると認識しております。

今後とも、国や都の動向を注視しつつ、パートナーシップ宣誓制度 によって利用できる行政サービスの拡大やSOGIに関する啓発活動 など、区としてできる取り組みを着実に推進してまいります。

次に、選択的夫婦別姓制度についてのお尋ねですが、

現行の夫婦同氏制度においては、改姓した方の職 業生活や日常生活の不便や不利益、アイデンティティの喪失などの問題が指摘されていることを認識しております。

現時点で、区独自の対応を検討する考えはございませんが、今後とも国の動向を注視してまいります。

海津の考え

区長は、パートナーシップ宣誓制度について、「配慮を求める制度」と「法的権利として一律・安定的に保障される状態」は異なると明確に答弁しました。

この認識は、とても重要だと考えます。

一方で、同性婚や選択的夫婦別姓については、国で議論されるべき課題であり、「国の動向を注視する」との答弁にとどまりました。

もちろん、婚姻制度そのものを変えるのは国です。

しかし、国の制度が変わるまでの間にも、文京区には、制度の狭間で不利益や生きづらさを抱えて暮らしている区民がいます。

文京区はすでに、男女平等参画推進条例やパートナーシップ宣誓制度を通じて、多様な性や家族のあり方を尊重するという理念を掲げています。

であるならば、自治体の役割は「国の動向を注視する」だけではなく、区の制度や行政サービスの中に残る不利益を一つひとつ点検し、今できることを具体的に進めることではないでしょうか。

特に選択的夫婦別姓について、区長自身が、改姓による「職業生活や日常生活の不便や不利益、アイデンティティの喪失」が指摘されていることを認識しながら、「区独自の対応を検討する考えはない」としたことには疑問が残ります。

制度を変える権限がないことと、自治体として何もできないことは同じではありません。

理念を掲げるだけで終わらせず、「今、このまちで暮らしている人の困りごとを少しでも減らすために何ができるのか」を問い続け、具体的な施策につなげることが、基礎自治体の責任だと考えます。

令和8年6月文京区議会本会議質問
令和8年6月文京区議会本会議質問

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