在宅勤務と育児両立の難しさ~「ぜひ相談を!」それはワガママじゃない
◆ テレワーク推奨も特別保育から外す!?
新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、国から「新しい生活様式」が示されました。「働き方」については、テレワークの推奨も書かれています。
しかし、いっぽうで、緊急事態宣言で臨時休園をしている中、特別保育を行うのは「仕事を休んで家にいることができない」保護者に対しての特別措置でありながら、テレワークを臨時休園中の特別保育から外している自治体も少なくないのが現実です。
これでは、緊急事態宣言が解除されたとして、テレワークを継続することになったご家庭では、不安が募るばかりはないでしょうか。
テレワークで在宅勤務している場合は、仕事を休んで家にいるわけではありません。
厚労省は「仕事を休んで家にいることが可能な保護者」には必ずしも該当しないと見解を示しています。
文京区は、仕事を休めることが可能な方に対して最大限の協力を求め、保育園の「臨時休園」を6月末まで、と決定しています。その中で、「テレワークの方には、極力ご自宅での保育のご協力をお願いします」としてきています。
その後、テレワークの世帯が特別保育を保育園に相談すると「区の方針」として断る ケース等があったことから、区は、自宅待機で仕事が休みであることと、在宅で仕事をするテレワークの違いを、あらためて各保育園に通知してきました。 さらに、テレワークをする世帯から緊急特別保育の申請があり、「保育に欠ける状況」の場合は、保育を行う対応の重要性を再三、各園に求めています。
◆ 文京区がメッセージ”ぜひご相談ください!”
区は、昨日14日、新たな文章を保育園の保護者宛に通知しました。
ぜひご相談ください!
感染リスクだけでなく、長引くご家庭での保育によって生じる様々な課題についてのリスクも 回避する必要があり、感染リスクとお仕事や育児等、ご家庭によって異なる様々な課題については個別に対応することが大切と考えます。三密を避けるあまり、心の距離も広げてしまわないよう、 「三密から心密(しんみつ)へ」気持ちをつなぎ、心の距離を緊密にし、相談を密にして、 親密な関係を築くことでコロナ禍を乗り越えていきたいと考えております。
お子さまの様々な 福祉に関わる必要な支援は、緊急特別保育の実施によってしっかりと取り組んでおりますので、ご家庭のご事情や保育の不安など、ぜひ園にご連絡いただき、ご家庭の個別の事情に必要な支援をご相談ください。
https://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0198/1457/2020514154513.pdf”
文京区幼児保育課
◆ 相談することは「わがまま」ではなく「社会参加」
「テレワークで子どもと共に家庭に居ること」と、「家庭での保育が可能かどうか」 は、まったく別問題です。テレワークに限りませんが、自治体が、様々な家庭の個々 の状況を深く理解し把握しているとは言えません。
あなたの「困りごと」は、他の誰かの「困りごと」でもあるはずです。
相談されることは 自治体が具体的なことを、実感を伴って把握することに繋がり 当事者にたった施策を作成する貴重な資料になります 。
「保育に欠ける状況」という言葉を使う際の「保育」とは、単に「子どもの面倒を見る」「預かる」ということではありません。
文科省の幼稚園教育要領でも、厚労省の保育所保育指針でも、共通して次のように考えられています。
”就学前の幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期として、幼児が「生活や遊びといった直接的・具体的な体験を通して、情緒的・知的な発達、あるいは社会性を涵養し、人間として、社会の一員として、より良く生きるための基礎を獲得していく」”
*このあたりは先日、別の記事で詳しく書きましたので、ご参照ください。
http://a-kaizu.net/blog/archives/1293
つまり、「保育」という言葉は、このように重要な就学前の幼児期における「幼児教育」を指すものです。テレワークで家で子どもと(物理的には)一緒にいても、上述したような意味での「保育」が出来る家庭ばかりではないでしょう。もちろん、感染リスクを避ける等のお考えから自主休園する選択も尊重されるべきです。
相談することは、国が目指すテレワークの推進と併せて、コロナ禍等でも、子どもが 十分に遊びを通して学び、成長する機会を確保するための「幼児教育」政策に通じて いく声にもなると考えます。そういった意味でも「社会参加」だと思うのです。 ぜひ、各保育園にご相談されてください。
また、区は、
「新年度ということもあり、園とのご相談に不安があるときなどは、区にお問い合わせください」ともしているので、合わせて参考にされてください。
区への相談:幼児保育課
区立保育園 03-5803-1189
私立保育園 03-5803-1845
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仕事をお休みできていても、体調を崩されて家庭で「保育」するのがむずかしくなることもあるかと思います。
そうしたときにも、保育園、または幼児保育課へ相談を是非されてください。
力にきっとなってくれるはずです!