【全文】2021年度予算総括質問と答弁 一問一答+かいづの考え
菅総理は、各国と同様に気候変動対策を強化する姿勢を鮮明にし、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会・カーボンニュートラルの実現を目指す、と「グリーン社会の実現」を大きな柱にしています。
地方自治体も当然、その動きに連動していかなければなりません。文京区にとっても主要課題になるはずです。持続可能な社会を目指すためにも不可欠なことです。
目次(クリックすると移動します)
- Q質問:海津敦子~◆温室効果ガス排出ゼロへの取り組みについて
- A答弁:八木資源環境部長
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:八木資源環境部長
- Oかいづの考え
- Q質問③:海津敦子
- A答弁:八木資源環境部長
- Oかいづの考え
- Q質問④:海津敦子
- A答弁:八木資源環境部長
- A答弁:松井企画制作部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆小石川図書館と竹早公園の一体的整備について
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子 ~◆デジタル社会の実現について
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問:海津敦子~◆地方消費税率引き上げ分に係る使途の明確化
- A答弁:松井企画政策部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」
- A答弁:松井企画政策部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆コロナ禍でのメンタルヘルスについて
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:佐藤保健衛生部長
- Oかいづの考え
- 質問:海津敦子~◆コロナ禍で経済的に困窮する区民への支援
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問③:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問④:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問⑤:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問:海津敦子~◆地域包括ケアシステム
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問③:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問④:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Q質問:海津敦子~◆防災について
- A答弁:吉岡総務部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆子ども宅食について
- A答弁:大川子ども家庭部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆就学相談について
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆障害児施設について
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:大川子ども家庭部長
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問③:海津敦子
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問④:海津敦子
- A答弁:木幡福祉部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆教室対策について
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問②:海津敦子
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問③:海津敦子
- A答弁:山崎教育推進部長
- Oかいづの考え
- Q質問:海津敦子~◆女性管理職比率について
- A答弁:吉岡総務部長
- Oかいづの考え
Q質問:海津敦子~◆温室効果ガス排出ゼロへの取り組みについて
約100カ国で活動している環境保全団体、WWF(世界自然保護基金)は、2050年までに排出ゼロを実現するためには、その中間である2030年の排出削減目標を45%以上に引き上げることが必要であると指摘しています。しかし、文京区の2030年までの削減目標は34%の設定です。
- 国が目指す2050年までに温室効果ガス排出ゼロについて、文京区はどのように考えているのでしょうか。2050年までにゼロを目指すのであれば、2030年に45%以上を目標に見直すことが、文京区の本気度を区民に伝えることになるかと思います。伺います。
A答弁:八木資源環境部長
- 昨年度改定した「文京区地球温暖化対策地域推進計画」において「将来的な脱炭素社会の実現」に向けた取組みを進めております。
- 目標値につきましては、区における世帯数などの将来推計値に基づき設定したものであります。
- 目標値の見直しにつきましては、計画を改定する際に検討してまいります。
Q質問②:海津敦子
- 令和元年度を目標年次とした28%の削減目標に対して、約12%削減にとどまっています。目標の半分にも至らなかった要因はどのようなものでしょうか。
A答弁:八木資源環境部長
- 主な要因としては、行政需要の変化によるエネルギー使用量の増加、電力会社の二酸化炭素排出係数の上昇などによるものと考えております。
Oかいづの考え
分析して終わりでは意味がありません。その先の施策に反映することが重要です。
Q質問③:海津敦子
- 総合戦略では、温室効果ガスである二酸化炭素排出量の削減に向けた更なる取組を推進するとしています。が、新たに示された具体策は、2008年に制度ができたオフセット・クレジットの購入がメインです。一方、国は、経済産業省・国土交通省・環境省が連携し、住宅の省エネ・省CO2 化に取り組むZEH(ゼッチ)の実現に力を注いでいます。文京区でも断熱窓設置費用の助成を設けたことは大きな一歩だと思います。ただ、コロナ禍による在宅時間の増加により、暖房・給湯・照明などの使用量が増加し、家庭での電力消費量が増加しています。テレワークの進展によるエネルギー消費・CO2排出を抑制するため、住宅の断熱化等に向けて助成等の検討は待ったなしではないでしょうか。ですが、新エネルギー等利用促進事業では予算を約720万円減額しています。増額するのであれば理解できるのですが、2030年の目標34%の半分、17%が実は目標なのではないかとの疑念が生じます。伺います。
A答弁:八木資源環境部長
- 予算額については、近年の実績に基づき適正に計上しております。
- また、委員ご指摘の目標数値でございますが、削減目標の34%は、昨年度改定しました「文京区地球温暖化対策地域推進計画」に定めた2030年度における送料削減目標28%の内数である、「業務部門」における削減目標となっております。
- なお、区役所全体の二酸化炭素削減目標は、「文京区役所地球温暖化対策実行計画」において、今年度から5年間で15%削減と定めております。
Oかいづの考え
「近年の実績に基づき適正に計上」するという前例踏襲の予算編成が、そもそも大きな課題です。令和元年度には28%の削減目標を掲げてきたわけです。ところが実績は、約12%にとどまっており、目標の半分も達成していないにもかかわらず、実績に基づいた予算編成を行うようでは、目標達成に向けて本気で改善して行く姿勢が見られません。
なぜ実績が伸びないのか、どうしたら実績を伸ばせるのか、目標達成のための戦略を練ることが重要だと考えます。
Q質問④:海津敦子
区有施設を改築する折には、災害時に避難所としての活用を念頭におくと、災害関連死を減らすだけでなく、エネルギー消費収支ゼロの実現にも有効だと考えます。
2030年度の目標実現のためにも、区有施設にはビルをエネルギー消費収支ゼロにする「ZEB(ゼブ)」を最低限でも取り入れることが不可欠だと思います。例えば、現在建築中の学校は省エネ率が20~25%と極めて低いものです。区民の方からは、2050年度にゼロを目指している省エネ率とは思えないとの指摘を頂いています。
- 建築中の区有施設についても「ZEB」の基準に近づけるために、複数の区有施設において、二酸化炭素排出係数の低い電力会社への契約変更を実施するだけでなく、さらに、施設整備の英知を結集して省エネ率を上げるように策を練るのは必須ではないでしょうか。施設完成後にゼロエネルギーのために改修するのは社会的投資としても問題があると思います。持続可能な公共施設整備という観点から設計の再考が必要かと考えます。伺います。
A答弁:八木資源環境部長
「ZEB(ゼブ)」の導入については、今後の研究課題と認識しております。
* ZEB = Net Zero Energy Building の意味
A答弁:松井企画制作部長
- 建設中の区有施設に「ZEB」を取り入れることについては、設計変更による工期延長等で、施設の利用開始が遅れ、区民サービスに影響をあたえることになるため、その考えはございません。
- なお、今後の区有施設については、実効性やコスト等を勘案しながら、総合的に判断することが必要トン考えており、研究課題としてまいります。
Oかいづの考え
2014年に、エネルギー基本計画で、「2020年までに国を含めた新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す」と閣議決定しています。文京区は、「閣議決定」を軽んじているのかもしれません。明化小、柳町小等の改築計画では「ZEB」について一言も触れられていません。まったく意識していなかったことは明らかです。
いっぽう、東京都は都立学校のZEB化方針を打ち出しています。
文京区がZEB化を「研究課題」とし、「検討課題」としていないことに、問題意識の薄さを感じます。2050年にCO2排出ゼロを目指す中、10年後には、公共施設の断熱改修が求められる時代が来るとも言われています。建築中の施設が完成後すぐに断熱改修に踏み切らなければならないといった事態に陥り、さらに税金を使わなければならなくなるような場当たり的な計画は大きな問題です。設計変更で対応した方が結果的に安くなることは、多くの専門家が指摘するところです。
叡智を結集し、設計変更に踏み出すことを求めていきます。
Q質問:海津敦子~◆小石川図書館と竹早公園の一体的整備について
グリーン社会の実現に関連して、小石川図書館と竹早公園の一体的整備について伺います。
区長は施政方針の中で、「感染症の拡大は、『新しい生活様式』や新たな価値観等、様々な社会変革を生み出しております」と語られています。
国は、グリーン社会の実現について、さらなる緑とオープンスペースの確保を求めるとともに、新しい生活様式の中でこそ、公園の力が必要ともしています。国の調査によると、公園利用者はコロナ禍で平日1.9倍、休日1.4倍に増えています。国は、心身の健康のために運動をこれまで以上に推奨しています。小石川図書館の報告書で示された新たな図書館のあり方を着実に具体化することも大事ですし、脱炭素や新しい生活様式で必要性が増していることを踏まえると、竹早公園の広さ、テニスコートの数は現状維持も不可欠かと思います。整備をどのように検討されていきますか。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 既に、文京区立図書館改修等に伴う機能向上検討委員会の最終報告書が提出され、一定の考え方が示されております。今後、基本計画策定に向けて、竹早公園やテニスコートを含めた整備について、利用者や地域の声を丁寧に伺ってまいります。
- ご指摘の点については、関係部署との調整を進める中で、協議してまいります。利用者との意見交換は、関係部署との調整結果を踏まえて実施してまいります。
Oかいづの考え
検討委員会の議論のほとんどはコロナ禍の前に行われたものでした。また、グリーン社会の実現が打ち出される前にまとめられた報告書でもあります。
想像の射程距離を伸ばし広げ、30年後、50年後の社会を見据えた整備を進めていくことが重要です。
Q質問:海津敦子 ~◆デジタル社会の実現について
次に、国は、オープン・透明、公平・公正、安全・安心等を基本原則として「デジタル社会の実現」をも目指しています。
予算案では、テシタル社会の恩恵を高齢者・障害者も想定し、多くの住民が実感できるようなデジタル活用支援を進めることが重要です。
「文京区ICT推進ビジョン」では、便利な区民サービスの提供と共に、デジタルデバイド対策にも取り組みます、とあります。
コロナ禍では、利便性の向上のみならず、孤立化を防ぐ「人とのつながり」の点からも、あらゆる世代のICT活用の必要性が浮き彫りになりました。
災害時のICT活用も含めて、今やICTの活用は、すべての人々のライフラインと言えます。
高齢者や障害者をはじめ、ICTとの親和性が低い区民への、ICT機器の購入代金の補助や自宅へのインターネット回線整備費の助成など、ICT活用におけるインフラ整備を支援していくことも重要かと考えます。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 高齢者や障害者等にとっても、ICT機器は生活に不可欠な新しい社会基盤となりつつあり、その価値や便益が享受できるよう、ICT機器の活用支援に取り組んでいく必要があると捉えておりますが、ICT機器の購入代金の補助など、インフラ整備の支援については、新たな財政負担になることを踏まえ、今後の研究課題としてまいります。
Q質問:海津敦子~◆地方消費税率引き上げ分に係る使途の明確化
国は、「地方税法、及び地方交付税法の改正で、地方消費税率の引き上げ分については、社会保障施策に要する経費に充てること、また、その使途については、予算書、及び決算書の説明資料等において、使途の明示を遺漏なく実施していただきたい」と求めています。
文京区はHPのなかなかたどり着けないところで、どのような経費に充てているかは報告しています。ただ、予算書、決算書等の説明資料にはありません。今後について伺います。
A答弁:松井企画政策部長
- 引き続き、区ホームページにて公表するとともに、区民の方に一層分かり易い掲載方法となるよう、努めてまいります。
- 予算書、決算書等の説明資料につきましては、国から示された明示の例や他区の状況を参考にして、使途の明確化のあり方を研究してまいります。
Oかいづの考え
予算、決算書等の説明資料にも、わかりやすく明示していくと明言できないのでしょうか。すぐにやるべきことだと思います。「使途の明確化のあり方」は、速やかに説明資料で公表し、その「あり方」について、区民からアンケート等で評価を受けて改善して行けば良いことです。
重要なのは、スピード感をもって公表していくことです。
Q質問:海津敦子~◆SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」
「文の京」総合戦略では、SDGsの視点を活かしていく、としています。
しかしながら、文京区の事業計画の中には、SDGsの基本理念である「誰ひとり取り残さない」という文言がどこにも明記されていません。
基本構想には「だれもがいきいきと暮らせるまち」を理念のひとつに掲げています。が、これは ひとりひとりが主体である行動についての文言です。
いっぽう、SDGsで望まれているのは、行政は「誰ひとり取り残さない」ことを施策の一つ一つの中で具現化しているかどうかです。似て非なるものです。「誰ひとり取り残さない」というSDGsの基本理念を示すメッセージを今後も記載する検討はしないのでしょうか。
A答弁:松井企画政策部長
- SDGsは、様々な人間活動に起因する諸問題を喫緊の課題として認識し、持続可能な社会の構築に向けて、国際社会が協働して解決に取り組んでいくための国際目標です。
- 本区では、SDGsのゴールが相互に関連していることを踏まえ、「文の京」総合戦略において、各施策を推進するための基本となる考え方に、SDGsの視点を当てはめることで、持続可能な地域社会の構築に向け、既存の分野や組織の領域を超えた柔軟な発想により、各施策を推進しております。
- さらに、地域福祉保健計画や地球温暖化対策地域推進計画などにおいても、SDGsの視点を踏まえながら、必要な施策をお示ししており、これらの取り組みは、SDGsの基本理念に通じるとともに、その目標達成にも寄与できるものと考えております。
- 区が策定する行政計画は、それぞれの目的や性格が異なることから、SDGsの基本理念を一律に掲載する考えはございませんが、今後とも、SDGsの視点も生かしながら、様々な行政課題と向き合い、持続可能な地域社会の実現に向け、取り組んでまいります。
Oかいづの考え
菅総理は昨年9月の国連総会で、コロナ感染症の拡大について、これを乗り越えるには「誰ひとり取り残さない」との考え方を指導理念として臨むことが極めて重要です。」と述べています。この言葉はSDGsの理念を象徴的に表すとともに、国際的な宣言でもあり、国の施策でも、都の施策でも、「誰ひとり取り残さない」という言葉が、いたるところで使われています。
ところが文京区は、区長のメッセージ、答弁等、区の施策の中にも「頑なに」絶対と言っていいほど注意深く、「誰ひとり取り残さない」という言葉を使わないようにし続けています。
区が策定する行政計画は、それぞれの目的や性格が異なっても、SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」は、すべてに通じるものです。「誰ひとり取り残さない」姿勢の確認をしていきます。
Q質問:海津敦子~◆コロナ禍でのメンタルヘルスについて
- 警察庁が2月4日に公表した「2020年の犯罪情勢統計(暫定値)」によると、警察に寄せられた配偶者などパートナーからのDVの相談と、虐待の疑いで警察が児童相談所に通告した子どもの数がともに過去最多となりました。DVの相談件数は8万2641件、虐待の疑いで児相に通告した18歳未満の子どもは10万6960人です。検挙件数は2131件で、これも過去最多です。
DVや児童虐待をめぐっては、新型コロナの感染拡大に伴う生活への不安やストレスによる増加のほか、家族以外との接触機会の減少による潜在化が懸念されています。
そのような状況の中、配偶者暴力相談支援センターの予算が、来年度は減額になっています。ステイホーム等で、配偶者から暴力を受けるケースは増えています。相談等にこれまで以上に力をいれるべき事業であると思います。予算の数字からは区の姿勢が見受けられません。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 配偶者暴力相談支援センターの3年度当初予算については、当センターの運営に必要な経費を計上しております。
- 開設から2年が経過しましたが、新型コロナウイルス感染症に起因する社会状況の変化等により、当センターに寄せられるDV等に関する相談は複雑化してきており、その重要性は増々大きなものになっております。
- そのため、DV等でお悩みの方が当センターを知り、ためらわずに相談することができるよう、区ホームページ等により周知を行っております。
- また、相談の際には、相談者1人ひとりの異なる事情を丁寧に伺うとともに、緊急時の安全確保が何よりも大切になることから、そうした機関との連携を図り、その後の生活に資する支援をおこなっているところです。
- 今後とも、新たに設置する、母子父子・女性支援担当をはじめ、関係部署と一層寄り添った支援を行ってまいります。
Q質問②:海津敦子
- また、同様に、うつ病・自殺対策の予算もわずかですが減額しています。
厚生労働省が1月22日発表した、警察庁の統計に基づく2020年の自殺者数(速報値)によると、前年確定値より750人(3.7%)多い2万919人でした。
10年連続で減少していた自殺者数は、女性の自殺が2年ぶりに増え、男女合わせた人数はリーマン・ショック後の2009年以来11年ぶりに増加に転じています。自殺した児童生徒は、昨年より140人増えて、過去最多の479人です。
いずれも、新型コロナの影響とみられる自殺が増えていると分析が進められています。
予算を編成する際には、当然、そのような状況になっていくことは予測できることではないでしょうか。伺います。
A答弁:佐藤保健衛生部長
- 区では、区民の方々の心の健康対策として、困りごと・悩み事をもつ方が、相談窓口や支援機関とつながり、それぞれの状況に合った適切な支援を受けることができるよう、相談窓口リーフレットを作成し、庁内各課や関係機関へ配布をしております。
- また、区民の方々が、自分自身の健康状態やストレス度を知るために携帯電話等からアクセスできるメンタルチェックシステムをホームページに掲載する他、様々な取組みを行ってまいりました。
- 自殺対策は生きることの阻害要因を減らす取組みを行うことであり、この取り組みに関わる区の事業は全庁的に自殺対策事業の一環と認識しております。
- 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で生きることの阻害要因が生じた場合、その要因を減らすために、それぞれの問題別に多くの支援事業が実施されることになっております。
- 今後も引き続き、心の健康に対する取り組みについて周知啓発するとともに新たな課題についても対応してまいります。
- なお、自殺対策にかかる予算は、過去の実績に基づき必要な経費を計上しております。
Oかいづの考え
コロナ禍で、児童生徒は過去最多や、他の世代も増加に転じている中、自殺予防に関して「過去の実績に基づく予算計上」というのは、あまりにも危機感の薄い予算計上だと言わざるを得ません。
区としては、必要があれば予算をつけるという考え方でありますが、必要が生じたときに、予算を新たにつけるということなのだと思いますが、それでは遅い事態は十分に予測できることかと思います。
質問:海津敦子~◆コロナ禍で経済的に困窮する区民への支援
社会福祉法改正が想定する地域共生社会づくりは、「断らない相談支援」「伴走型支援」などの「公助」が中心になって、共助・自助と連携していくものです。
例えば、家賃の支払いが出来ずに困っているときに「対象にはなりません」と突き放すことではなく、丁寧に対話をし、家賃以外、介護、障害、子育てなど他に困っていることはないか見立てて、縦割りの弊害でたらい回しにすることなく、応えていくことが要です。
- 令和2年度、「断らない相談支援」として、コロナ禍で住居確保給付金(家賃補助)以外でどのような伴走支援を行ったのか。具体的な内容、その件数をそれぞれ教えてください。
A答弁:木幡福祉部長
- 令和3年2月末現在の住居確保給付金以外の相談受付人数は625人で、新型コロナ感染症の影響により生活困窮状態に陥った方への家計相談や、就労に向けた相談支援を行っており、また、生活困窮者自立支援制度に基づく事業として、一時生活支援事業を16件、家計改善支援事業を1件、就労支援を4件行っております。
Q質問②:海津敦子
- 特例貸付を利用するときには、自立相談支援機関との連携が必須とされています。特例貸付が延べ約3000件の中で、どのぐらい連携はなされたのでしょうか。実数と内容を伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 特例貸付を行っており社会福祉協議会との連携については、貸付申請を行うすべての申請者についての情報を共有し、社会福祉協議会が必要に応じて自立相談支援機関に相談をするように案内を行っております。
- 実勢といたしましては、特例貸付を行ったもののうち、約400件が自立相談支援期間へつながったものとなっております。
- また、相談内容ですが、生活費や住宅更新費用についての相談、債務整理の相談等があります。
Q質問③:海津敦子
- 外国籍の方が自立相談機関へ相談された際の配慮、支援はどのように実施されているでしょうか。外国籍の方の相談件数もあわせて伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 令和3年2月末現在の外国籍の方からの相談は、167件となっております。外国籍の方への相談支援については、自立相談支援機関の相談員が英語での窓口対応等を行うことに加え、他部署で申請手続きを行う際の同行支援も行っております。
- また、外国製期の方からの住居確保給付金の申請にあたり、自立相談支援期間の相談員が申請書の記載支援や、不動産事業者等へ向けた書類作成依頼の手伝いを行う等、申請に向けた手続きの支援を行っております。
Q質問④:海津敦子
- 特例貸付は給付ではなく、返済が必要です。また、それだけでは足りずに、区民の方の中には、自分のクレジットカードの限度額いっぱいまで借りて生活する方々も少なからずいます。今後、生活保護、自己破産への手続きも必要になる方が増えるかもしれないということを想定し、伴走していくことが不可欠かと考えます。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 特例貸付につきましたは、先ほど申し上げましたように窓口となる社会福祉協議会と連携し、社会福祉協議会が必要に応じて自立相談支援機関に相談をするように案内を行っております。
- そうした相談の中で、債務整理が必要な方については、家計状況などを丁寧に聞き取り整理した上で、東京都生活再生相談窓口への同行支援を行っております。
- また、債務整理が必要となる方については、複合的な課題を抱えることが多く、課題を整理しながら継続的な支援を行っており、必要に応じて、生活保護の申請につなげる支援も行っております。
Q質問⑤:海津敦子
- 国は「生活保護を受けることは国民の権利。迷わず申請を」と呼びかけ、文京区も同様にHPで伝えています。区として、誰もが困窮に直面することがあり得る中、迅速な支援に繋げるために、電話等での相談の際、「扶養照会」についてどのように説明されているでしょうか。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 生活保護法上、扶養義務者による扶養は、生活保護に優先して行われるものとされておりますが、保護の前提となる要件ではないことから、要保護者の心理的負担に十分に配慮しながら、保護の実施要領等の関係通知に基づき、適切に対応しております。
Q質問:海津敦子~◆地域包括ケアシステム
地域包括ケアシステムは、少子高齢化に対応するために国が進める政策の柱といえます。また、地域における「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供できるケア体制を構築しようというのが、地域包括ケアシステムです。
- この目的を達成するには、今後は家族の実情に合わせた「断らない」相談体制が重要です。各自治体はその方向に向かっています。地域包括支援センターの役割は、高齢者とその支援や介護に携わっている人を支えるものです。親の介護から鬱になり、また、子どもに障害があり子育てに行き詰まる、ということも珍しくありません。世田谷区の地域包括支援センターは、高齢者に関する相談に加え、障害のある方や子育て中の方などの身近な相談も受けるとして、HP等で周知しています。文京区でも周知に努められ、区民がSOSを出せる選択肢を増やす必要があると考えます。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 今年度策定している「高齢者・介護保険事業計画」最終案では、地域包括ケアシステムの実現に向けた重点的取組事項の一つに、「高齢者あんしん相談センターの機能強化」を掲げております。
- 計画では、「適切な人員体制の整備」に加え、「他の相談支援機関や区との連携強化」について、その取り組みの方向性をまとめたところです。
- 今後とも、区報やホームページなどを活用して、高齢者あんしん相談センターの認知度の向上に努めるとともに、複合的な課題を抱えるケースに適切に対応すべく、職員の専門知識や相談対応能力のさらなる向上を図りながら、子ども、障害者及び生活困窮者等の支援に係る相談機関との密接なネットワークを構築し、相談支援体制の充実に取り組んでまいります。
Q質問②:海津敦子
- 「自助・互助・共助・公助」から見た地域包括ケアシステムについては、区民はどのように理解すればいいでしょうか。
A答弁:木幡福祉部長
- 行政の役割は、区民の生活を守ることにあり、介護保険や医療保険などの社会保障制度に係る「共助」に加え、公的福祉サービスの「公助」の施策をじゅじつさせていくことが大変重要であると考えております。
- また、自発的に自らの生活課題を解決する力である「自助」とともに、相互に支えあいながら解決していく「互助」もあわせてタイsてうであると考えております。
- 今後とも、「自助・互助・共助・公助」を通じて、地域福祉の課題に取組み、高齢の方々が住み慣れた地域で、いつまでも安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの実現に向けた取組みを推進してまいります。
Q質問③:海津敦子
- 地域包括ケアシステムの前提は、生活の基盤として必要な住まいがきちんと整備されていることです。本人の希望と経済力に沿った住まい方が確保されていることです。一方、来年度の予算は、すまいる住宅等の予算が削減されています。実績に基づき削減するのではなく、安心して暮らせる住宅を提供できるように改善し、実績を延ばすのが、横ぐしを刺した予算の在り方ではないでしょうか。きめ細かい支援には、重層的な枠組みが欠かせません。伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 区では、今年度からすまいる住宅登録事業において、見守りサービスを導入するなどの拡充を図ってまいりました。
- また、来年度から障害者に係る対象者の拡充を行うことで、引き続き住宅確保要配慮者の住まいの確保に努めてまいります。
- 今後も、住まいの協力店等と連携することで、事業の充実を図ってまいります。
- なお、事業に係る予算は、過去の実績に基づき必要な経費を適切に計上しております。
Q質問④:海津敦子
- また、合わせて、このような多様な方々を対象にした地域包括ケアシステムにおいて重要とされている多職種連携について、会議体にとどまらず、日常的に連携しながら活動できるような仕組化をどのように推進していくお考えか、伺います。文京区でも、例えば、教育センターのサテライトを高齢者あんぜん相談支援センター内に設置していくなども今後の方向性としては重要かと考えます。
A答弁:木幡福祉部長
- 多職種が参加する地域ケア会議等の効果的な実施を図るため、区からの側面支援を行う仕組みや、高齢者あんしん相談センター間の総合調整を行う体制整備の検討を行ってまいります。
Q質問:海津敦子~◆防災について
来年度には備蓄の充実などに努められること、確認しました。
- 避難所は、新しい生活様式への対応も含め、収容人数がすでに限界を越えています。仮に、すべての教室を使い、一時的に被災者を収容することができても、BCP(事業継続計画)では学校を1週間以内には再開するとしていることを考えると、早急に打開策を検討しなければなりません。近隣の高校や大学への二次避難も限界があります。仮設住宅も足りないと言われていることからも、避難所生活は長期化するとの見通しを持つことが危機管理として欠かすことができない視点だと思います。避難生活と教育活動が共存する場合には、避難所の質の向上に向けて活用することが想定される特別教室の配置もそれぞれの動線が交錯しないように、きめ細やかな想定が必須です。建築中の学校も含め、全庁的に持続可能な避難所の再考は不可欠だと思います。伺います。
A答弁:吉岡総務部長
- 現在、各避難所における受入人数を超過した際の二次的な避難所として、区内の大学、後攻や事業者、寺院等と協議を進めており、新たな避難先の確保に努めているところです。
- また、災害の規模によって、避難者数や避難所の開設状況は様々になると考えておりますが、避難所に学校施設を提供したため、長期間、学校が使用できない場合には、「地域防災計画」に定めるとおり、教育委員会に連絡し、他の公共施設等の確保を図り、早急な授業の再開に努めてまいります。
- なお、学校の改築等を行うに当たっては、子どもたちの教育環境の充実と、避難所としての機能について、バランスに配慮しながら検討することが必要であると認識しております。
Oかいづの考え
長期間、学校施設が使用できない場合に、他の公共施設等の確保を図るとしていますが、現実的には、確保は無理だと推測します。そのため、今後、さらに具体的なシミュレーションが必須だと考えます。
避難所生活は長期化するとされています。避難所だから、「ストレスがたまってもしょうがない」では、災害関連死は減らせません。ストレスによって心身ともに体調を崩していってしまいます。
子どもたちの教育環境の充実と、避難所となったときに、被災者ができる限りストレスをためずに過ごせるための学校設計は、どちらも両立できることです。
例えば、避難所となる体育館の近くには、家庭科室、音楽室、図工室といった特別教室、そして、学校図書館を配置しておけば、被災者の皆さんがそこを活用して、様々なつながりをつくることで心身の健康を維持することができます。
普通教室棟と、体育館、特別教室、図書館を別の棟や階にして、動線を分けておけば、学校再開も比較的速やかです。被災者の方も、体育館だけに閉じ込められるといった生活にならずにすみます。
Q質問:海津敦子~◆子ども宅食について
子ども宅食は、配送スタッフが家庭のSOSに気づき、文京区子ども家庭支援センターにつなげていくことを目指すものです。この3年間で子ども宅食から子ども家庭支援センター等へつながったのか、つながった先とそれぞれの件数を教えてください。
A答弁:大川子ども家庭部長
- 子ども宅食プロジェクトでは、配送スタフからの報告、LINEによる事務局へのメッセージ、利用者アンケートから、宅食をご利用している家庭の状況把握に努めており、これまでに気になる状況として、コンソーシアムから子ども家庭支援センターに6件の相談がありました。
- その中には、子ども家庭支援センターにおいて、既に状況を把握していた家庭や支援を実施していた家庭もありましたが、2件は新たな情報として受理しております。
- このほか、コンソーシアムでは、LINEを活用し、学習支援や給付金等の情報を発信しております。各家庭がそれぞれの窓口に申し込むことから、実際に事業の利用に結びついた件数については把握できておりませんが、知りたかった情報が届いているとの感想も寄せられているところです。
Oかいづの考え
子ども宅食プロジェクトの人件費は、2019年度の総予算約5,500万円の55%を超えています。つまり、(ふるさと納税も含む)税金を財源とする予算のうちの半分以上は、コンソーシアムの人に払われていることになります。
いっぽうで、そもそもの狙いの一つでもあった生活に困りごとを抱える子育て家庭へのアウトリーチの成果はどうだったかというと、現在600世帯を超える家庭に配達をする中、子ども家庭支援センターにつながった「気になる状況」の家庭が3年間で6件。
仮に、行政が直接、コンソーシアムへの人件費分にあたる年間約5500万円をかけて、現金給付や情報提供を行う場合と比較して、期待できる成果を検証したらどうなるか、おおいに気になります。
また、コンソーシアムからの情報提供で各家庭が直接窓口につながったという答弁のケースは、知りたかった情報が、こども宅食プロジェクトに登録していなければ届いていない現状に課題があることの裏返しでもあります。
子ども宅食プロジェクトに登録しなくても、必要な支援が必要な人に届くこと。そこをどのようにしていくのか、改善を求めていきます。
Q質問:海津敦子~◆就学相談について
学校教育法施行令では、小中学校へ入学する期日等を1月31日までに保護者へ通知することになっています。ですが、就学相談を受けた子どもたちの中で、特別支援教育相談委員会が子どもにとって適切と判断した入学先と、保護者の判断が異なっている子どものケースでは、就学通知を1月31日までに出していませんでした。通知は、学校と「合意」してからとのことです。保護者達は、周りの子どもたちが入学先の通知を受け取っている中、わが子だけが決定通知を受けられず、悲しみと同時に、「障害のある子を育てることの辛さ」に追い詰められていきます。「嫌がらせをされているように思う」との声も届きます。通常学級を希望する場合には、就学相談を受けなければ、学区の入学通知を普通に受け取れます。
- 「就学相談は受けない方がいい」との考えも広がっていくと思います。来年も1月31日までに就学通知を出さない就学相談は続くのでしょうか。併せて、今年度、就学相談を受けた児童生徒数、1月31日までに就学通知を送った件数、2月28日現在で就学通知を送付していない件数を教えて下さい。
A答弁:山崎教育推進部長
- ここ数年就学相談件数が増加するとともに、保護者との合意形成が必要となる件数も急増しております。このため1月31日までに就学通知を送付できない方が発生しております。こうした状況を改善するため、来年度より就学相談日の時期や回数を検討してまいります。
- 具体的な件数については、今年度、就学相談を受けたのは、小学校が162件、中学校が48件となります。1月31日までに就学通知を送付した件数は、小学校で78件、中学校で23件、2月28日現在で就学通知を送付していない件数は小学校で13件となります。
Oかいづの考え
3月に入っても、就学通知を受け取ることができなかった家庭がありました。
こうした対応が「相談」の結果であることを知れば知るほど、保護者は「相談」から遠ざかります。
Q質問②:海津敦子
- 障害のある子を育てる家庭に多様な困難が集中していることは様々な研究で明らかとなっています。就学相談は、障害のある子を育てていくうえで、教育委員会とつながるはじめの一歩。その大切な相談の中で、保護者の中には、「子どもと共に死ねたら楽なのに…」との思いが頭をよぎることもあると聴きます。「寄り添ってもらえる」「ここなら安心して話せる」という関係を願う思いを踏みにじっています。
パワハラもいじめも、「そんなつもりはなかった」ではなく、受け止める側がそう感じたらダメなのです。相談相手を苦しめ、追い詰めている就学相談をどう評価していますか。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 就学相談の評価についてですが、就学先の決定に当たっては、児童・生徒の可能性を最大限に伸ばす教育が行われることを前提に、本人・保護者の意見を可能な限り尊重する必要があります。ただし、保護者の意見と児童・生徒等の教育的ニーズは、異なることもあり得ることから、就学相談の過程や判断結果については、本人・保護者に対して十分な情報提供をするとともに、教育的ニーズと必要な支援について、本人・保護と学校との合意形成を図ることが重要となります。保護者の思いに寄り添いながら、適切な就学先を決定してまいります。
Oかいづの考え
教育委員会は、就学相談で自分たちが考えた児童・生徒の就学先こそが、子どもの可能性を最大限に伸ばすと信じているのでしょう。
「子どもためによかれ」と思っての善意なのだと思います。でも、それは保護者を追い詰めるだけです。 相手を追い詰める相談は、素人がすることです。
保護者の思いに寄り添い、その選択の中でどうすれば子どもの育ちを応援できるか支援・配慮を共に考え、提供するのがプロの相談だと思います。
Q質問:海津敦子~◆障害児施設について
教育センター内にある児童発達支援事業について「そよかぜ」から幼稚園や保育園に入園しようとすると大きな壁があります。ある区立幼稚園では、「障害のあるお子さんは保育園の方が手厚いからいい」と勧められたとのことです。
- 区立幼稚園の園長を含む職員から障害のある子の保護者に対して「保育園に行った方がよい」という話がなぜ出てくるのでしょうか。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 区立幼稚園では、入園のご相談があった際には、それぞれの園の特色についてご案内するとともに、特別な支援が必要となるお子さんの保護者には、特別保育支援員等の体制についてご説明しております。保護者の就労等の状況によっては、区立保育園の状況についても併せてご案内する場合もあります。今後も、区立保育園と連携を密にし、1人ひとりのお子さんと保護者に丁寧に対応してまいります。
Oかいづの考え
区立保育園ではなく、区立幼稚園での預かりのもと就労等を希望している保護者に向けて「保育園を勧める」というのは、「幼稚園に来てくれるな」といっていることと等しいです。
Q質問②:海津敦子
- 実態も伺います。認可保育園での障害児保育に加配した人材に対して、報酬は月額いくら支払っていますか。区立幼稚園ではいくらでしょうか。私立認可保育園に障害児保育の加配職員はいくらでしょうか。私立幼稚園の障害児保育に対しての助成はどうなっているのでしょうか。
A答弁:大川子ども家庭部長
- 区立保育園では、要配慮児保育という形で、教育センターとも連携しながら、きめ細かい保育に努めております。
- 現状では、概ね児童1人につき、会計年度任用職員一人を加配しておりますが、園における対象園児の人数、支援の内容、クラス全体の職員配置等により、正規職員の加配も含め、判断しております。
- なお、一般的に要配慮児保育に配置する保育士資格を持つ会計年度任用職員の報酬単価は、一時間当たり1,738円です。
- 私立認可保育所については、障害児の保育に伴って常勤保育士を加配する場合は、人件費相当分を運営費に加算して交付しております。
- また、私立幼稚園については、障害のある園児数に応じて補助金を交付しております。
- なお、職員の加配の状況については把握しておりません。
A答弁:山崎教育推進部長
- 現状では、概ね園児二人につき一名の特別保育支援員を加配しておりますが、対象園児の人数、支援生内容、園全体の教職員配置等により、正規職員の加配も含め、阪大しております。
- なお、支援員の時給単価は、教員免許を有する者は1,794円、教員免許をゆうしない者は、1,454円となります。
Oかいづの考え
文京区では、区立保育園でも区立幼稚園でも、等しく質の高い幼児教育・保育を提供する環境を整えることにより、次代を担う子どもたちの心身共に健やかな成長と「生きる力」の基礎を育てることを目的に、「文京区版幼児教育・保育カリキュラム」を策定しています。にも拘わらず、保育園・幼稚園で、支援や配慮が必要な子どもに対しての体制に開きがあることは大きな課題です。 改善を求めていきます。
Q質問③:海津敦子
- そよかぜに在園するお子さんが、区立幼稚園・保育園に入園を希望する場合には、そよかぜが主体的に幼児保育課と連携して入園を支援し、さらに、安心かつ楽しく園生活を過ごせるようなサポート体制の構築が求められます。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 公平性の観点から、幼稚園や保育園への入園における特別な対応はできませんが、子どもが安全的に園生活を送ることができるよう、そよかぜでは保護者からの相談に応じ必要な情報を提供するなど支援をしております。
- また、幼稚園・保育園に入園することになった際には、保護者や受入園の要望に応じて、子どもの情報や園の環境における工夫が必要な視点等について共有をしております。
- 加えて、教育センター総合相談室が行う発達支援巡回相談事業を活用することで、心理士や作業療法士等の専門職員が園へ訪問し、保育上の必要な配慮等について助言を行っております。
- 子どもたちが安心して楽しい園生活を送ることができるよう、引き続き、幼稚園・保育園との連携のもと、サポート体制の充実に取り組んでまいります。
Oかいづの考え
公平性の観点から幼稚園や保育園への入園における特別な対応はできない、としています。
ですが、そよかぜは、週5日の通園から幼稚園等へいくことを勧めるのであれば、そよかぜ後の在園先を共に探し考えるのは、支援として重要です。
まして、そよかぜは、「広い教育センター」を持ちながらも、頑なに2時以降の預かり保育を拒んでいますので、週5日通園する子どもの保護者は就労がほぼ不可能です。
Q質問④:海津敦子
- 放課後等ディサービスや児童発達支援事業が不足していることを大きな課題としてとらえ、開設にかかる施設整備費等に対する補助制度を開始されることは、大きな一歩であると高く評価いたします。しかしながら、開設をしても家賃等が高い文京区では「事業の継続」が難しい、人件費が安くなってしまい人が集まらない実情で、これまでもいくつも施設が閉鎖されてきました。「事業の継続」が当たり前にあってこそ、子どもも保護者も安心した日常が過ごせます。お考えを伺います。
A答弁:木幡福祉部長
- 来年度新たに開始する補助制度は、主に重症心身障害児や医療的ケア児童等を受け入れる障害児通所支援事業所に対する一時経費ではありますが、開設当初における事業者の負担軽減に一定寄与するとともに、事業の継続にもつながるものと考えていることから、現時点では、経常的な家賃等の補助を行う考えはございません。
Oかいづの考え
保育園に対しては家賃に対して多額の援助がされているからこそ、安定的な経営が実現できています。障害児施設もまた、家賃等の補助がなくては、安定的な事業ができるものでないことは明白です。非常に厳しい事業運営が強いられる障害児施設等の安定的な運営を区が担保していくことは、区民サービスの向上にもつながるものです。
Q質問:海津敦子~◆教室対策について
本郷小は、教室対策で図書室がなくなってしまいました。
学校図書館は学校教育において欠くことのできない基礎的な整備であるとして、学校図書館法で「学校には学校図書館を設けなければならない設置義務」があります。教室対策があっても、設置すべきものをなくしたままで良いはずはありません。
新学習指導要領では、「学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、児童の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること」と明記されています。
- 学校図書館のない本郷小と、学校図書館がある学校とでは、学習機会に格差が生まれてしまいます。設置義務を文京区教育委員会はどのように解釈しているのか。図書館の設置をどうしていくのか。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 図書室の機能としましては、複数階に分散して図書を配置し、各フロアに学年に適した配架をしております。また、相互の連携に十分配慮しているところであり、図書室としての機能は果たしているものと考えております。
- 今後の整備については、学校と協議の上、学校の施設等の状況を勘案しつつ、適切に対応することで、良好な教育環境の確保に努めてまいります。
Oかいづの考え
国は、学校図書館を各校に設置することを求めています。
学校図書館は、法律で定められた名称で、本などの資料を収集し、分類、整理、保管して子どもの「読書センター」「学習・情報センター」として機能するとともに、教員のために図書館資料の収集・整理・保存、供用を行う施設としても位置付けられています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/meeting/08092920/1282744.htm
一方、図書室は、本を集めてある「部屋」を指しています。
本郷小にあるのは、本を集めている「部屋」の図書室でもなく、本を置いている「図書コーナー」にすぎません。まして、低学年は2階、高学年は3階にあった図書コーナーは、教室確保のため、2階の図書コーナーは無くなり、低学年は3階にも上がれない状況です。本の貸出も止まっていると聴きます。
学校図書館が設置されている学校との格差は、本の貸出ひとつをとっても明確です。
早急に改善が不可欠です。
Q:「学校図書館」と「図書室」はどう違うの?
学校図書館協議会HPより
A:「学校図書館」は、法律の下に定められた正式な名称です。「図書室」といった場合、学校の中に本が集めてある”部屋”を指しますが、場所、メディア、職員、機能すべてを含む名称として「学校図書館」が使用されています。
Q質問②:海津敦子
- 文科省は「学校施設のあり方に関する調査研究協力者会議」をスタートしました。「個に応じた指導」を充実するためには、多様な児童生徒に対応する個別学習スペースなど学習空間の整備や、タブレットを置ける大型サイズの机などが必要だとされています。区立小学校では、児童数の増加で教室を確保することだけで目いっぱいです。改築中の学校も、教室が確保できると現時点で推測しているだけで、新しい学びを実現できるか不安要素は多々あります。伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- 改築工事においては、必要とされる教室が増えることも想定した設計となっております。今後、改築を計画して行く際においては、新しい時代の学びを実現する学校施設のあり方について、国の動向なども注視してまいります。
Oかいづの考え
小学校の改築工事中の学校において、35人学級が進み4クラスになると、小人数学習の教室はなくなります。
誠之小、明化小、柳町小ともに、35人学級が全学年になることや、GIGAスクールや新しい生活様式を想定して作られた設計ではありません。
完成が近づく誠之小では、4月に入学する時にはすでに教室の不足が懸念されます。
国の動向はすでに多くが示されています。平成のままの学校教育環境で乗り切ろうとするのでしょうか。想像を広げて、後手に回らないように要望していきます。
Q質問③:海津敦子
- 春日・後楽園駅前再開発が来年には完成します。学区の礫川小学校地区には他にもファミリー向けマンションの建設が進んでおり、学齢期人口が増えることは確実です。新しい生活様式の中でも、教室不足にはならない。多くの児童は私立に入学するとお考えでしょうか。後手に回り、子どもたちにしわ寄せは行かないのか、伺います。
A答弁:山崎教育推進部長
- これまでも、年少人口の動態や児童数を注視し、周辺のマンション建設等の動向も加味しながら、必要となる学級数の推計を行い、その結果をもとに、教室対策の検討を行ってまいりました。
- 今後も、これらのことを踏まえて適切に対応してまいります。
Oかいづの考え
マンション建設等の動向も加味しながら教室対策を検討してきた、という根拠となるデータを、情報公開かけてみましたが、「不存在」でした。
GIGAスクール構想では多様な児童生徒に対応する学習空間が必要とされています。教室数は、そうした新たなが空間にも対応できるものではなければなりません。
本郷小のように学校図書館を設置できないような教室対策になっては本末転倒です。
礫川小においても、ぎりぎり普通教室は確保できたとしても、多様な学習空間は子どもたちに提供できない、となる確率は高いと思います。職員室のスペース確保も心配です。
文京区は、小学校について改築だけでなく、増築も積極的に検討する時期にあると考えます。
Q質問:海津敦子~◆女性管理職比率について
東京オリパラ組織委員会元会長の森喜朗氏による女性蔑視発言は、国内だけでなく海外からも大きな批判を呼びました。アメリカのザ・ディプロマット誌が「東京五輪に新たな障害―性差別主義 組織委員会の長が発した性差別発言は、日本に深く根差したジェンダー問題の象徴」と題して特集を組むなど、森氏個人の問題ではなく日本全体に根深くはびこっている問題と言えます。世界経済フォーラムが男女格差を分析した「ジェンダーギャップ指数2020年」でも、日本は153カ国中121位と、前年110位からさらに順位を下げており、改善される傾向すら見えません。
男女平等参画推進条例を掲げる文京区における、区長部局、教育委員会の課長以上の女性管理職比率をそれぞれ教えてください。
A答弁:吉岡総務部長
- 令和2年4月1日時点で、区長部局においては8.9%、幼稚園教諭を含む教育部局においては50%であります。
Oかいづの考え
女性管理職が圧倒的に少ないことがわかります。
教育部局は、幼稚園・小中学校を除く、教育委員会事務局の女性管理職率はゼロです。
女性管理職が少ないことから、課長たちによるプロジェクトチームが立ち上がっても、ほんどが男性管理職のみでの議論です。文京区では会議等において「男女いずれか一方の性が委員総数の4割未満とならない」と目標にしているだけに、目標を達成する会議体となるように工夫が不可欠です。
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