文教委員会報告~35人学級,待機児童,区立/私立保育の格差など
25日に開催された文教委員会に提出された請願を審議しました。
文京区として独自に、小・中学校の全学年で35人学級制度の実施を求める請願
です。
教育委員会は 現状小学校2年生までの35人学級を「小学校3年生まで拡充する」要望書を東京都へ提出しており、現場の 先生方や保護者の多くも35人学級を望んでいるのです。
都は速やかに小学校3年生まで35人学級の拡大を進めてほしいところです。
また、国会では、民主党が少人数学級のさらなる推進にむけ「35人学級法案」を提出していますが、残念なことに法案成立の目途はたっていません。
地方自治体が国に先んじて、35人学級の推進に着手する必要性を強く感じます。
各会派の採択・不採択の態度は以下のとおりです。*カッコ内は委員の人数
ぶんきょう未来(3) 採択
共産(2) 採択
市民の広場(1) 採択
自民(1) 不採択
公明党(1) 不採択
委員会の審議結果は、6対2で「採択」とされました。
自民党・公明党の不採択理由は、
- “教員の人員確保はコストがかかる、補助教員を入れたり、大学生や地域の人に手伝ってもらったりして学習を進めていけば、現状でも成り立っていて、40人学級でも大丈夫”
- “小学1・2年生、中学1年生を35人学級にしている現状の学級制度で十分である”
といった内容でした。
上記の反対理由からは、現場の先生・保護者の認識とのズレを感じざるを得ません。しかも、上述したように、文京区教育委員会は特別区教育長会を通して、現状小学校2年生までの35人学級を「小学校3年生まで拡充する」要望書を東京都へ提出しているのです。
ぶんきょう未来としては、請願事項を「採択」するにあたり以下の意見を申し添えています。
- 35人学級を全学年に拡大したからといって「教育的効果があがる」という短絡的なものではなく、「教育は人なり」と言われることからも、教員の指導力向上は必須。不退転の決意で、教員の指導力の向上を具現化すること。
- 体育や合唱・合奏など一定の集団規模での学習の方が、教育効果があがるとされる分野もあることから、教科によっては、他クラスと合同の授業を行うなど集団の規模にも柔軟に配慮した授業計画をねること。
- さらには、自主財源で教員を確保することになることから、小学校3年生、中学2年生に少しずつ拡大していくなどしながら、結果的に全学年で35人学級に拡大するといった手法など、丁寧に対応すると共に、教員の質の向上をさらに努めること。
文教委員会では他に、いっこうに解決しない待機児童対策に通じる請願も採択されました。
子どもの成長、発達を保障でき、安心して預けられる区立保育園をはじめとする質の高い認可保育園の増設を要望する請願
についてです。
ぶんきょう未来(3) 採択
共産(2) 採択
市民の広場(1) 採択
自民(1) 不採択
公明党(1) 不採択
結果、6対2で「採択」となりました。
「不採択」とした自民・公明党の理由は、
- “区はスピード感を持って努力し、保育の質を担保できるようにも頑張っているのだから、わざわざ請願を通さなくても大丈夫”
といった内容でした。
しかし、数字は語っています。
4月認可保育園入園の一次選考が終わり、その結果は次の通りです。
私立認可保育園 募集=618人 -> 応募= 659人 1.07倍
区立保育園 募集=458人 -> 応募=1038人 2.27倍
このように、第一希望で区立保育園を望む保護者が多いのは明らかです。
保護者の方々は、「保育の質」における区立と私立との格差や、子ども達が育つ保育環境にも大きな違いがある、と感じていることが数字に表れていると思います。
実際のところ、年末に不適切な保育が行われた私立保育園がありました。
また、園庭のない私立保育園に通う子どもの保護者達からは、“保育の質を担保するための施策がまったく不十分であり、区立保育園との格差が大きすぎる”との声が多数聞かれます。
“区立保育園との格差があきらかなのに同じ保育料を支払わなければならないのか?”との不満の声も届きます。
区は、これまで“区立保育園を新設しない”としてきましたが、「区立お茶の水女子大学こども園」を新設し、4月入園の募集をしたわけです。
つまり、区立保育園の開設が「できる」という方向に舵を切りなおしたのですから、区立保育園を始めとする認可保育園を増設することは可能なはずです。
そもそも区は、区立幼稚園と保育園で「同じように質の高い幼児教育・保育をしてほしい」という多くの期待に応えるために、3歳児から5歳児まで統一した「文京区版幼児教育・保育カリキュラム」を作成したことを契機に、この4月からは、区立幼稚園と区立保育園で大きく格差のあった教材費を、保育園を値上げし、幼稚園教材費と同じにする予定です。
区立保育園はこれまで以上に保育の質を担保することになります。
以前に書きましたが、私立保育園に比較して区立保育園は、加配の職員配置も手厚く、園庭やプールも設置されているなど、私立保育園の先生方が最大限努力されても埋め切れない溝があるのではないでしょうか。
区立・私立の保育の格差が、さらに開いていくと言っても過言ではないと思います。
例えば、この4月に開設予定の区立認可外保育施設「文京区春日臨時保育所」は、施設面だけみても、民間ではとても用意できるものではありません。
文京区春日臨時保育所
外観・内観写真
http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0101/2440/4shasin.pdf
平面図
http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0101/2442/6heimenzu.pdf
区立保育園の増設は区民の強い希望であり、子どもにとってより良い教育環境を設定するのは区の責任であると思います。
現在、園庭がないなど、区立、私立の保育の質、環境格差の是正のために、前例のない施策で対応していくことが重要です。
同時に、お茶の水女子大学の中に認可保育園を開設したように、協定を結ぶ多数の大学の中に認可保育園を開設するなどして、良好な保育環境を整備した待機児童対策の拡充が急務だと思います。
区立幼稚園の認定こども園化のスケジュールなどもまったく見えてきません。
今回の文教委員会で採択された
- 文京区として独自に、小・中学校の全学年で35人学級制度の実施を求める請願
- 子どもの成長、発達を保障でき、安心して預けられる区立保育園をはじめとする質の高い認可保育園の増設を要望する請願
それぞれに対して、区はどのように具現化していくのか。
皆さんも是非、注目してください。
“文教委員会報告~35人学級,待機児童,区立/私立保育の格差など” に対して2件のコメントがあります。
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区立は、保護者にとってはきついです。
保護者が病気で仕事を休む日は、保育園に子供を預けることができません。
兄弟が病気になり、仕事を休む日も同様です。
両保護者の勤務がある日の「勤務時間+通勤時間」以外は、保育園に通うことができませんので、午後休暇を所得する日は、昼寝中にお迎えに行くことになり、子供はお昼寝を中断して帰宅させられます。
切迫流産で、仕事を休んで自宅安静するよう診断を受けたときも、保護者が自宅にいるならと、自宅保育を要求されるそうです。
育休中の預け可能時間も、私立より区立の方が一時間短いです。
また、夏が近づいてきたら「夏休みは、いつ所得されますか?」と担任から何度も聞かれ、「夏くらい休ませてあげないと、お子さんが可哀想」と有給所得を強要されます。
こちらは日々、子供の病気による急な呼び出しや看病休暇により職場では肩身の狭い思いをしていますので、リフレッシュのための有給を取る余裕などございません。
夏は、先生達が有給を取り人材が手薄になるため、園児の数を少なくしたいという裏事情もあるようです。
上記のような区立の対応は、私立保育園では聞いたことがないのですが、
何の差なのでしょうか。
保育課に相談しても「園長先生とご相談ください」と逃げるだけ。
それこそ、同じ保育料を払っているのにずるいです。
「2015年度父母連アンケートの集計結果」を見て頂ければ、区立におきている保護者への格差が垣間見れます。
父母連のアンケートに書かれていることは、議会でもとりあげ改善に努め、誰もが安心して子育てと仕事の両立ができるようにしていきます。
また、保育課に頂いたご相談の内容を確認しましたところ、保護者の病気があれば「保育に欠ける」状態ですので、当然 預けることができるとのことでした。
園長によっては保育園の認識がどこか不足しているのかもしれません。ご相談の事など、よろしければご一緒に保育課に相談へまいりますし、また園が直接わかれば具体的に解決にむけて一緒に考えさせていただくことができますので、電話でもメールでもご連絡をいただければと思います。