特別支援学級設置に高いハードル!?学校長らは後ろ向き?

◆文京区立中学校に初の自閉症情緒特別支援学級

文京区立小学校2校(全20校)に自閉症・情緒障害特別支援学級がありますが、中学校(全10校)には、これまで設置されていませんでした。 

保護者の方々が、中学校への設置を要望し続けたこともあり、文京区教育委員会は、来年度、茗台中学校に自閉症・情緒障害特別支援学級の設置を決定しました。

◆本来なら地元の学校で要望に応えるべき

重要な決定です。小中連携で学びを継続していく観点からも喜ばしいことです。 

しかし一方では、小中学校に特別支援学級がないことから「ぜひ設置してほしい」と望む保護者の声は当たり前の要望であるのに、要望を繰り返さないとならない現状は、子どもの育ちの「障害」だと思えてなりません。 


日本も批准する障害者権利条約では、 

・「障害者が障害に基づいて一般的な教育制度から排除されないこと及び障害のある児童が障害に基づいて無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないこと。」 
・「障害者が、他の者との平等を基礎として、自己の生活する地域社会において、障害者を包容し、質が高く、かつ、無償の初等教育を享受することができること及び中等教育を享受することができること」

といったことが、明記されていることからも、昨今は、学区の学校に特別支援学級がなくて、設置の希望があれば開設する自治体が増えています。 

文京区でも、学区の学校に特別支援学級を新設する要望は年々増えてきています。

◆特別支援教育振興委員会の審議結果

以下が、文京区教育委員会から「自閉症・情緒障害特別支援学級の現状と今後」について諮問された特別支援教育振興委員会の審議結果(中間まとめ)です。 

https://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0199/3043/20206391448.pdf

学校長たちで構成される「特別支援教育振興委員会」がまとめた答申は、どの学校にも特別支援学級が設置されないように「できない」「難しい」という理由を並べたまとめだな・・との印象がぬぐえません。 

課題4「施設」について書かれたところには、特に大きな違和感を感じました。以下に添付します。 

◆出来ない理由を並べる後ろ向きの姿勢!?

施設という環境面を条件にして、特別支援学級の設置を進めないようにしたい・・・という思いが透けて見える気がします。 

特別支援学級の開設に必要なことは、学級数に応じたスペースだけです。 

特別支援学級担任の実質的な職員室となる準備室は必ずしも必要ではありません。事実、特別支援学校には各学年に準備室は設けられていません。むしろ、準備室があることで、特別支援学級の担任は通常の職員室にいなくなり、通常学級担任との日常的な情報交換や打ち合わせを阻む温床にもなりかねません。 

また、大規模な改修など必要なく、通常学級を増級するのと同じ程度で大丈夫です。 

カーテンやパーティション等を用意することと、掲示物などを個々の特性に応じて工夫し、必要な情報が確実に届くようにするアセスメントと具体化する工夫さえすれば可能です。 

施設という環境面を条件にあげて困難さを強調し、すべての学校に特別支援学級を設置する、すなわち、「誰もが、自分が暮らす地域の学校で、特別支援学級も選択もできる」という「すべての子どもに公平な教育機会を提供する」という公立学校がごく当たり前にやるべきことに対して、現場の学校長たちが「できるだけ先延ばしにしたい」という気持ちがあふれているようで、残念でなりません。 

施設の整備は、目的ではなく手段です。手段は、目的に合わせて最善策を選ぶだけです。手段が難しいから、その目的を掲げない、というのは本末転倒な話です。

◆ぜひご意見をお聞かせください

今月25日、文京区議会文教委員会が開催されます。 

教育委員会の5月定例会で、特別支援学級設置については報告されていますので、文教委員会で質疑することになると思います。 

皆さまの率直なご意見をお寄せいただければ幸いです。

特別支援学級

特別支援学級設置に高いハードル!?学校長らは後ろ向き?” に対して 2 件のコメントがあります

  1. 秋羽智美 より:

    小学校にできた「まなびの教室」もスタートはひどかったですよ。しかし、支援の先生方が与えられた空間を多様なお子さんが安心して学び、過ごせる空間に少しずつ作り上げて来られました。今考えると、作りこまれた教室よりも
    「ここを使って」とスペースを頂けたから、思うように作ってこられたのかも。が、必要な物を迅速に買ったり用意する予算は区にしっかりつけていただかないとどうにもなりませんが。
    確かに茗台にエレベーターはあるけれど、自宅くを出て学校までの道のりを支援の必要なお子さんはどう通うのか・・。自宅に近い学校なら自身で通い、自身と力をつけられるのに・・。
    そして、小学校で生活を友にした友人と違う学校に通わなければならなくもなる。
    選択する権利は平等にあるべきですよね。

    1. かいづあつこ より:

      ご指摘のように、「まなびの教室」と同じように、子どもの実態に応じて、子どもが安心して過ごせるように教室の整備に買い足すなどの予算は不可欠だと思います。
      最大8人定員の特別支援学級に準備室までいれて、普通教室3教室分など 作らせないための理由を考え出したとしか思えません。

      校長先生たちの発想は、学校の中に「特別支援学級」というもう一つの学校を作るという発想なのだと思います。
      できるかぎり、特別支援学級エリアで学校生活が完結し、通常学級エリアに出てこないようにという思いからなのだ推測しています。

      書いていただいたとおり、自宅に近い学校で、それまで生活を共にした友人たちと同じ学校に通える選択肢は平等にあるべきです。
      それを、教育者として子どもたちの前に立たれる校長たちが、合理的な根拠なく「できないように知恵を絞る」ことに強い憤りを覚えます。

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