子ども・子育て支援・・・子どもは社会で育てるもの
1月19日子ども・子育て支援会議を傍聴してきました。
12月に発表された来年度の重点施策にある「トワイライトステイ事業」が実施されることなどの報告がありました。定員は一日3人になるとのことです。
※トワイライトステイ事業:児童及び家庭の生活の安定及び仕事と子育ての両立を支援するため、保護者が仕事・病気等の理由により、一時的に児童の養育ができない時に、17時から22時の間において、文京総合福祉センターで児童の預かりを行う。
この日は今年度最後の子ども・子育て支援会議で、任期が終わる委員も多く、会議の最後には委員お一人お一人からご挨拶がありました。その中で、「シビックセンター(文京区役所)に足を運ぶのは転居の際や何かの届出の時ぐらいだと思っていたのに、まさかこんなに足を運ぶようになるとは・・・」といったお話を子育て中の委員からお聴きして、ふと頭をよぎったことがあります。
「そうだ、通常の子どもを育てるということは、ほとんど役所に縁がないものだったんだな~。障害のある子を育てると、そこが大きく違うのだ。」と改めて想いました。
障害のある子を育てることは、役所とは切っても切れないつながりができて、何度となく役所を訪れなくてはいけません。
例えば、幼稚園や保育園への入園、学校の入学でも通常の手続きだけでなく様々な手続きが必要です。しかも、「お子さんのためには・・・」「集団行動ができないお子さんは・・・」などの枕詞で、通常の子どもの集団から切り離され、一般的な子育て支援からも取りこぼされる現実を突きつけられることもしばしばです。
それでも、障害のある子を育てるには、役所と縁を切るわけにいかず、気持ちを奮い立たせては役所に出かける・・・そんな繰り返しが、障害のある子を育てていくことなのだな~と思います。
さて、委員の皆さんに熱心に作成いただいた「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、来年度も子ども・子育て事業が行われていきます。
事業が適切に実施されているかなどは「子ども・子育て支援調査特別委員会」で審議していきます。私も委員の一人として参加していますが、しっかりと審議をしていく上での「軸」がほしいと様々考えあぐねている中、とても納得がいく文章に出会いました。
淑徳大学教授・柏女 霊峰教授が、自治体法務研究2015年冬号に寄せられているものです。以下に抜粋してご紹介します。
- 「子どもの最善の利益」
- それを保障するための「公的責任」
- 人と人とのゆるやかなつながりをめざす「社会連帯」
- 「子どもの能動的権利の保障」すなわち、子どもの権利に影響を与える事柄の決定への参加の保障
公助と共助の視点に、市場に基づくサービス供給体制の多元化をどのように組み込み、かつ、社会的排除や制度間の切れ目なくしていくことができるかが課題となる。
障害や病気があっても、その子の今の力のままで、必要な配慮や支援を受けながら、学校・地域の中に、当たり前に「そこにいる」社会を作りたいと思います。
「~まではできるようになってから」「~ができないと」「安全のためには」等々の理由をつけて障害のある子等を排除すれば、次は、また何か理由を探し誰かを排除することにつながるからです。
また、たとえ保護者の経済的問題や精神状態など、子ども自身にとってはどうしようもない苦しい現実を抱えていたとしても、学校・保育園・幼稚園等々に行けば、ありのままの自分をまるごと大好きで受け止めてくれる大人がいる…そんな子どもが安心できる大人との出会いがある環境を作っていってこそ、「社会で育てる」子育て支援だと思います。
どのような環境に生まれた子どもであっても、障害や病気等があったとしても、すべての子どもが自信を持って「生まれてきて良かった」と自己肯定感を抱えて育っていけるようにするための「子ども・子育て支援事業計画」であるべきです。
これらのことを念頭にチェックをしていきます。
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