「小学校3年生の35人学級化」都は一足早くこの4月から導入を!

2021年、令和3年がスタートしました。21世紀もすでに21年目となります。 

コロナ禍はますます収束が見えず、家族でのふれあいさえも慎んでほしいとの要請もある中、みなさま、どのような新年をお過ごしでしょうか。 

入院されたり、特別養護老人ホームに入居している家族との面会もままならず、切なく辛い思いを抱かれている方もいらっしゃると思います。 

障害のある子・人がいる家庭では、ステイホームで外出先も思うようにできない中、子育てのゴールが見えない不安を強くされたり、学校や福祉施設が始まるのを待ちわびる家庭も少なくないのではないでしょうか。 

明日からの住処に不安を持つ方、見通しの立たない仕事のめど、家計が気がかりで落ち着かない時間・・・ 

コロナ禍の日々は、様々な暮らしの不安を浮き彫りにし、公助の足りなさを明らかにしています。 

今日は子どもたちにとって「暮らしの中心」である学校の学級編成について書きます。

◆ 学級規模による「密」の状況(少人数学級)

日常にも大きな変化が迫られる中、昨年12月17日、文科省は小学校全学年で一学級の上限を35人にする35人学級を5年かけて段階的に実施すると発表しました。この春には、2年生での35人学級が全国でスタートします(1年生の35人学級は2011年度から実施済み)。5年後に6年生までの35人学級を実現することになります。 

ただし、10年前でさえも全国では 以下のような状況です。

平成22年度は、小学校1・2年生では約85%、小学校3~6年生では約30%の都道府県が少人数学級 を実施している。 ○平成23年度当初は、平成22年度に比べ、小学校6年生を除く全ての学年で、少人数学級の拡充(基 準の引き下げや対象学年の追加など)がみられた。

全国都道府県教育長協議会第4部会(平成24年3月)より
全国都道府県教育長協議会第4部会
「学級編制及び教職員定数の現状と課題」より

東京都も小学1 、2生にはすでに35 人学級を実施しています。 

30人学級であればかなり密度は違ってきますが、35人学級がスタートしても、学級数を増やせて密を解消できる学校は、文京区には多くはないのが実情です。 

例えば、62人の児童がいる学年は、35人学級だと今のまま2クラスで、1クラス31人。しかし30人学級が実施されていれば3クラスになり、1クラス20~21人で密はかなり解消されます。 

出典:第46回教育再生実行会議(令和2年7月20日資料、抜粋)

文科省は「学校の新しい生活様式」で、児童の席間の距離を最低でも1m程度あけるとしていますが、30人を超える学級では隣の席に座る児童の口から1mといった程度で、席と席の間は実際は45㎝程度といった学校が多いのが現状です。 

中学受験や高校受験を控える家庭や、基礎疾患のある子どもの家庭の中には、密になる教室環境が不安だから学校には行かせない選択をする、という声も少なくありません。 

40人学級から35人学級にするといっても小学校のみです。それも5年もかけて。時間のかけすぎです 。
小中学校、高校も含めた30人学級の具現化に取り組んでこそ、国をあげて「新しい生活様式」を実現しようとする本気の姿勢と言えるのではないでしょうか。

◆ 教員採用希望者を増やすには

昨年度は、メンタルヘルスの悪化で休職する教員が過去最多だったとのことです。文京区でも昨年度だけで「新たに」休職された教員は小中校で3人いますが、それ以前から休職している人数は含まれていません。 

今年度、様々な学校から、休職した先生の話が聞こえてきます。学校現場では、代わりの教員が見つかりません。 副校長が担任を務めるなどで急場を凌ごうとしますが、副校長の本来の職と兼用で担任を務めるのは無理があり、そのしわ寄せは子どもたちに行ってしまっています。

教員採用試験を受ける人が減る背景には、担任として向き合う児童・生徒数、そして、その保護者への対応を丁寧に行うことの難しさも一因としてあると聴きます。 

パソコン端末を活用した指導が積極的に取り入れられています。が、必ずしもパソコン活用に得意な教員ばかりではありません。担任として、児童一人ひとりへの丁寧な支援が求められる中、受け持つ子どもの数が多い現状では指導する負担感が重過ぎるとも聴きます。そうした情報は、学生たちの耳には入っています。 

教員を目指す人を増やすには、学級規模を小さくすることが必須です。 

「教員がいないから学級規模は小さくできない」というのは、鶏が先か卵が先かの議論にも思えます。

◆ 学級人数が増えるほど不登校も増える

感染対策の密だけの問題ではありません。 

文京区は、不登校の出現率も高いです。学級規模と不登校も関係があると指摘されています。

出典:第46回教育再生実行会議(令和2年7月20日資料、抜粋)

東京都ではすでに小学1・2年生は35人学級で、小学3年生からは40人学級です。 

ある小学校の2年生は73人で現在3クラスです、1クラス24~25人の学級規模です。 しかし4月から3年生になると1クラス36人、37人の2クラスになります。大きな違いです。 

子ども達が登校しやすいように学級規模を改善することは、国、自治体の責任です。

◆ 小3の35人学級、都はこの4月から導入を!

コロナ禍で、経済的な不安を抱える家庭も増えています。 

塾に行かなくても学校に行けば安心して過ごせる、一人ひとりに自分の居場所がある、「勉強は楽しい」と思える学校を実現するのは、社会の役割だと思います。 

そのためには、教員が、個々に応じて丁寧に寄り添える「ゆとり」が重要です。 
今のように教員が疲弊して余裕がなくなっている状況は、一日も早く改善すべきです。 

今回、国は中学校の35人学級は見送りましたが、小学校同様に中学校もせめて35人学級を全学年に導入すべきで、国の判断は残念でなりません。 

コロナ禍の今こそ、スピードをもって学級編成を変える必要があります。 
東京都は、国が示した小学1・2年生の35人学級の実施は、すでに独自にやってきているわけですから、一足早く、4月から小学3年生にも35人学級を導入するべきだと考えます。 

こうした決断を都知事に促すのは、都議会の役割でもあります。 
5年後では時間のかけすぎです。1年でも早く全学年で35人学級を実現するよう、最大限努めるべきです。 

現在の都議会議員は、7月21日に任期満了を迎えます。その前には選挙があります。 同じように思われる方がいらしたら、ぜひ、身近な都議会議員に伝えて下さい。また、都知事にも声を届けてください。

▼ 都民の声総合窓口 
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/iken-sodan/otoiawase/otoiawase/goiken/index.html 

小人数学級で、丁寧に向き合った教育を受けられたかどうかは、将来の日本のあり方につながります。現役保護者だけでなく、私たち全世代の問題だと言えます。

◆ みなさんが抱える困難や不安、教えてください

「生まれて来なければ良かった」という思いを抱くことなく、誰もが「生まれて来て良かった」と日々を肯定できるように、施策、制度をチェックし、提案を重ね、公助を拡充していくよう精進していきます。 

そのためにも、子どもたちが置かれている状況、皆さんが抱える困難や不安、実現して欲しい施策や制度のご提案など、今年も様々なことを教えて頂ければ幸いです。 

どうぞよろしくお願いします。 

「小学校3年生の35人学級化」都は一足早くこの4月から導入を!” に対して4件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    文京区立小学校に子どもが通う保護者です。一刻も早く1〜6年生まで30人以下学級を希望します。現在の35人以下学級(実際に子どものクラスは転入生が入り、実質36名)では、教室内が非常に密な状況で、先生の指導やケアが行き届かない難しさを感じます。密であるがゆえの些細なトラブルも発生します。特別支援学級のお子さんが入ると40人を優に超え、もはや物理的に同じ教室で学習をすることは不可能に近く、「交流及び共同学習」が成り立つ余地もありません。また、資料に示していただいたように「不登校に立ちはだかる学級人数の『壁』」は身近で切実な課題です。「誰ひとり取りこぼさない文京区に」、そして「教育日本一」を目指す文京区であれば、いち早く全学年30人学級(少なくとも基礎的な学習の構え:形式や型ではなく、学ぶことは面白い!と思えるマインドを育む上で、低学年は30人学級が必須だと思われます)の特例措置を実現し、その方法論を含めた成果を東京都及び全国に発信する使命があるのではないでしょうか。我が家では、シビックセンターの改修工事費用の一部を教育に当てるべき!と話題になります。大胆な教育改革を期待します。

  2. 小林 より:

    息子が東京都の公立小学校に通学してる現二年生で来年度三年生になります。 現在20人学級のふたクラスなのですが、来年度から40人ひとクラスになります。 息子の通う小学校は以前からの平米数の狭い教室でさらに渋谷区はタブレットを全校配置しておりまして、タブレット保管庫も教室に設置してます。 そこに40人とは到底収容不可となると思われます。 文部科学省が推奨してる間隔1m2を空けることは絶対に不可能です。
    現に一つ上の学年は33人のひとクラスですが、一昨年の冬にインフルエンザでの学級閉鎖が2回も起こりました。

    三年生以上の35人学級実現に東京都に向けて保護者で署名活動などをしていこうと思っております。

    その他に何か私達にできることはないかご教示願えますと幸いです。
    よろしくお願いします。

    1. かいづあつこ より:

      感染拡大を止めるために、三密にならないように繰り返し訴える都知事です。
      ご指摘のような状況を放置できるのが不思議です。
      「できない」理由を羅列するのではなく、オリンピック・パラリンピック開催に向けて開催「できるよう」に最善を尽くす力、資金を、子どもたちの教育環境にも届けてほしいものです。

      さて、署名活動。素晴らしいですね。
      それ以外では、「都民の声」で、3年生の35人学級実現 といった「タイトル」で、
      知事・小池百合子様 とされ、送られるといいです
      https://cgi.metro.tokyo.lg.jp/cgibin/cgi-bin/fmail_input_disp.cgi?dep_id=ts02&scr_id=f001&lang_opt=00

      内容は、短くてもいいので、一人でも多くの方が、携帯からでも時間があるときに送られるといいと思います。

      貴区に限らず、都内で広がるといいですね。

      都議会議員には、ぜひご連絡をされてください。
      「教員が・・・」「教室が・・・」といったできない理由を並べたときには、「現状は、待っていられる状況ではなく、解決できることです」と言われてください。

      ちなみに、教員は、都教委が正規教員として雇用すればいいことです。教員の質は、研修や学校体制でカバーすればいいことです。
      ご参考に

      1. 小林 より:

        文京区からではなく他区からのコメントにご丁寧に対応していただき、ありがとうございます。(また誤字脱字が多々あり、申し訳ございません。)

        実現に望みが薄く、めげてしまいそうになってたのでお言葉嬉しく思います。

        早速都民の声にメールを送りました。

        他の保護者の方にもお願いをしてまいります。
        都議会議員にも声が届くようにできればと思います。

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