学校の避難所機能に標準整備ガイドラインを!~「悲観的に準備し、楽観的に生活する」

今回の熊本・大分地方の震災を受けて、日本中に無数に存在する活断層が再び注目されています。

 

文京区にも大きな活断層がある可能性が示唆されています。

地質調査専門家らのグループが平成24年8月に開いた日本第四紀学会で、JR田端駅付近から南南西に、東京大学付近を通過、文京区役所、東京ドーム付近を通り、JR飯田橋駅周辺から外濠沿いに進み、JR四ツ谷駅付近まで最大七キロにわたって地層が食い違った断層が続いていることを突き止めたと発表しています。この断層そのものが地震の原因になるかどうかは不明だとのことですが、地震の原因となる活断層が、より深い地中にある可能性が示唆されています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2003L_Q2A820C1CR8000/

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33416

 

 

25日に開催された文教委員会では、柳町小学校の改築の理念や配慮すべき事項等をまとめた報告書について審議を行いました。

審議の中では様々な委員から、新たに発見された断層の上に柳町小が位置していることから、活断層がある可能性も十分に視野に入れ、より強固な耐震性を確保する必要性が指摘され、施設のあり方を具体的にまとめる今後の検討委員会には、防災等の専門家に参加してもらう要望が出されました。

 

しかし、教育委員会は、

あくまでも学会での発表であり、国から示されているものではないので、研究等を注視していく

といった答弁で、柳町小の改築に関して活断層の可能性を視野に入れて建設をする必要性があるとの認識には、まだ至っていません。

また、専門家に加わってもらい多様な視点から改築を検討するということについても明言は避けられました。

 

 

政府は、3月29日にまとめた首都直下型地震に備える応急対策活動計画の中で、最大72時間は職場や学校、官民で設ける一時滞在施設などにとどまるよう一斉帰宅の抑制を徹底する方針を明確にしました。

http://mainichi.jp/articles/20160330/k00/00m/040/044000c?fm=mnm

 

今回の熊本地震でも、14日に発生した震度7の地震の後に、電気がいったん復旧したことなどから、ご自宅に戻った方々が16日未明のさらなる強い揺れによる家屋倒壊などで被害に合われたケースが多いと聞きます。

このように度重なる大きな揺れでダメージを受けた建物が崩壊してくる可能性もあるだけに、帰宅に際しては慎重に慎重を期すことが必須です。

 

とは言え、子どものことを考えれば一刻でも早く帰宅したいという思いが湧き上がってきても当然です。

それだけに、これからの学校・保育園・幼稚園等々は、「ここなら安心」と少しでも思ってもらえるように、施設の安全性はもとより備蓄も十二分に備えていかなくてはなりません。しかし、今の備蓄はまだ子どもの一日分があるかどうかです。

物資の輸送が滞ることも十分にあり得るだけに早急な対策が必要です。

このままの状況では、政府の「最大72時間一斉帰宅抑制方針」に合致しないだけでなく、子どもを早急に迎えに行きたい親のはやる気持ちと不安は増すばかりです。

 

柳町小の改築では、子ども達に向けた備蓄を3日分はしっかりと備えられる備蓄倉庫はもちろんのこと、現在設計が進められている誠之小学校の改築でも備蓄倉庫に十分な備蓄ができるかどうか検証すること。さらには、建て替えをしない他の学校にも十分な備えができるように備蓄倉庫が足りないようであれば、校庭などに倉庫を設けることを要望しました。

 

また、文京区では、区立小・中学校全30校が災害時の避難所に指定されており、

( http://www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/bosai/bousaitaisaku/kunren/hinanjyouneikunren/gakkoubetu.html )

避難所となることを想定して、すべての学校に文京区としてどのような設備や機能を標準整備すべきか、その指針となるガイドラインの作成を求めました。

例えば、ノロウィルスに感染した人たちの部屋や感染した人のトイレをどこに設けるか、授乳室、シャワー、洗濯スペース・洗濯を干す場所等々、様々なことを改築の際などにもれなく設計に組み込んでおくことが、災害時への備えとして必須だと思います。

 

 

テレビで、防災の専門家が災害への備えとして

悲観的に準備し、楽観的に生活する

ことがだいじ、と語っていたのを聴いて強く心に残りました。

「起きないだろう」「大丈夫だろう」と楽観視するのではなく、「もしかしたら起きるかもしれない」と、あらゆるリスクを悲観的に想像して、そのリスクを最小限にするように準備しておいてこそ、安心して日常生活が送れる、ということだと思います。

 

「想定外だった」と事が起ってから言わないように、あらゆる側面から想定していくことが、今、一番求められていることではないでしょうか。

 

備蓄倉庫

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