シリーズ6月議会一般質問~⑦⑧⑨仕事のしかた~区民ニーズは役所の外にある

文京区が新たな施設を作るたびに、現実的に利用しづらいそのつくりに対して利用者から不満の声が上がります。
これは、施設設計の課題として、利用者の視点を欠き、動線等が考慮されていないからで、当事者からしかっりと聞き取り、丁寧な設計をする重要性が、議会からも再三指摘されています。
しかし、残念なことにまたまた・・・文京区民センターのリニューアルでも同じ轍を踏んでしまいました。

4月にリニューアルオープンした区民センターは、、障害者部門・子育て支援部門・市民活動支援部門を加えた総合的な区民施設をめざし、「設備の面でも、バリアフリー化・省エネルギー化・老朽部分の更新を行いました」と誇らしげに発表されました。
ところが実際には、「バリアフリ―化」と言っても、あくまでも、施設設計を行った区側が想定した範囲のバリアフリーであって、当事者の視点を欠いているものでした。
文京区視覚しょぅがい者協会の方々が「心身障害者(児)及び家族との区政を話し合う集い」で指摘したことから明らかになりました。主な内容は次の通りです。

  • 誘導ブロックの設置が不自然でわかりづらく、本来設置すべき場所に誘導ブロックが設置されておらず、視覚障害の方が受付までたどりつけない。
  • 音声ガイドの機械の設置場所や案内の文言も不適切で、音声に従って移動すると壁にぶつかってしまう。音量も車の音にかき消されて聴こえない。
  • 区民センター前の歩道の誘導ブロックがマンホールをまたいでいることで、区民センターの入り口がわかりにくくなっている。

どうして、こんなに情けないバリアフリー化になってしまったのでしょうか。税金をバリアフリー化に向けて有効に使い、誰もが安心して利用できる公共施設にすべきです。そのことを区も当然、目指しています。

区に取材をすると、そこにあるのは「驕り」としか言わざるを得ない仕事姿勢が見えてきました。
「自分たちは当事者の気持ちになって考え尽くしているから大丈夫だろう」という・・・自分の想像力を過信してしまう傾向が見られます。いくら当事者の立場に立って考え尽くしたとしても、残念ながら担当者は当事者ではありません。「当事者の立場に立って考え尽くす」姿勢は大切です。ですが「考え尽くす」中で、「本当に、自分たちが考えていることが当事者にとって使いやすいものになっているだろうか?」と、常に疑って検証するという謙虚さに欠けている仕事ぶりに感じます。けっして難しいことではありません。「これで大丈夫ですか?」と当事者に聴いてみれば良いだけです。聴いて検証もせず「これでいいはず」と進めてしまうのは「おごり」「過信」「ひとりよがり」だと思います。オープンしてから指摘を受けて直さざるを得ない事例が続いていることがその事実であり、これを謙虚に受け止めて、安易に繰り返さないように仕事の仕方を変えて欲しいと強く思います。

文京区は区民参画をうたっています。本来、各部署がそのことをしっかりと理解し、自分たちのやり方に都合の良い人たち=「OKだけを出してくれる人たち」からのみ聴きとりをするのではなく、「当事者の意見を聴く」という文化をもっていれば、今回のようなことは起らなかったことが明らかです。
当たり前のことですが、今回、当事者からの指摘を受けて、区は改善をしていくことを約束しています。是非、速やかに改善してもらいたいことです。
が、そもそも、着工前に当事者の声を聴いていれば当然防げたことが、まったく当事者の声を聴かずに設計してしまったために、改めて設置等の改修をし直さなければならない、つまりは二度手間=税金の無駄遣いになってしまっています。

これから、スポーツセンターの改修や、小学校の建て替え等々、大きな施設設計が続きます。
例えば、小学校の建て替えでは、紫外線対策が必須となって折、プールの場所なども重要となります。教育委員会の中には、「プールは太陽の下で」という意見も根強くあり、そうした区の考えだけで設計をしていけば、結果的に保護者の意向とズレた学校になってしまうのは必然でしょう。

様々な声に耳をふさぐことなく、当事者の声をくまなく聴きとった上で施設設計をしていくことが今後さらに必要になると思います。しっかりと議会としても求めていきます。


6月議会では、一貫して、こうした当事者、区民の声を反映するという視点から一般質問を行いました。
今回は、私の一般質問の残りのテーマをまとめてご報告します。

⑦ テーマ:人事評価制度

【一般質問&答弁全文+視点】

▼Q:区職員評価の「正確性」「公平性」を確保するための研修実績と具体的改善は?

昨年の9月議会での一般質問に「評価の正確性・公平性の確保と人事評価制度の理解促進に努める」と区長より答弁いただきました。伺います。これまでの研修の実績について内容をお聞かせください。また、「評価の正確性」「公平性の確保」は、具体的にどのように改善されたのか現状をお聞かせください。

▼A:成澤区長

本区では、平成19年度に、職員の能力及び業績を踏まえた人事評価制度を導入いたしましたが、本年度は、更に、目標申告を踏まえた人事評価制度に見直しを行ったところです。人事評価の実施にあたっては、職員から信頼される運用を行うことが重要であり、各職層に向けて制度の周知を図るほか、制度を導入した19年度以降、毎年、全管理職を対象に評価者研修を行っております。評価の正確性、公平性の確保の観点からは、評価者研修を繰り返し実施していくことが必要であり、今後とも研修を継続してまいります。

▼海津の視点:

評価が実に曖昧です。例えばこれまで、総合体育館の設計上の問題や、特別養護老人ホーム大塚みどりの郷等の建て替え方針が、後から都の補助金上建て替えできないことが発覚し、大規模改修に変更になったことなど、様々な問題があります。にもかかわらず、誰に責任があり、なぜそのようなことが起ったか、全く不明確です。逆に、区民にとって望ましい成果を上げた仕事の評価も不明確です。事業計画に対して責任の所在を明らかにした上で、うまくいったこともいかなかったことも、そのプロセスを検証し、より成果を上げられるようなノウハウを蓄積し、他の事業へも水平展開できるような仕組みの構築を求めます。また、仕事を評価・検証する上では、庁内の力学や価値観にとらわれることなく、広く区民の視点に立つことを第一義とした「正確性」「公平性」の確保を求めていきます。

⑧ テーマ:春日・後楽園駅前地区再開発

▼Q:補助金約270億円も投入する春日再開発の「公共性の向上」はどなっているか?

補助金総額約270億円の再開発で解体工事が着々と進められています。しかし、公共性の向上について具体的なことは何も示されていません。区がイニシアチブを発揮して、再開発事業の中で、区民ニーズや地域課題を解決する意気込みも見えてきません。区は、再開発組合に対して、具体的にどのような公共性の向上を交渉されているのかお示しください。

▼A:成澤区長

本区としては、再開発組合に対して、公益性の高い施設の設置について、引き続き求めております。同組合では、区民サービスに資する施設の設置について、検討を進めているところです。

▼海津の視点:

約270億円もの税金を投入しているにも関わらず、区が区民サービスをどのように再開発で向上させるつもりかまったく見えてきません。税金の使途としての費用対効果を考えれば、その「効果」は広く区民にもたらされるものでなければなりません。区民のニーズを知り得ている区として、税金の投入に見合う公益性を再開発組合に求め、再開発で何が実現し、なぜできなかったのか、区民に説明責任を果たす義務があります。

⑨ テーマ:サウンディング調査の導入

▼Q:「サウンディング調査」導入の提案

待機児童問題や高齢人口の増大、社会インフラの老朽化など、近年複雑化する社会課題の解決のためには、公有資産をより一層有効活用するなど、従来のやり方に囚われないより柔軟な発想力が求められます。そこで、対話を通じた公民連携の手法である「サウンディング調査」の導入を提案いたします。横浜市が開発した市場調査手法のひとつで、対話の相手方を公募し、公平性・透明性を確保して行う民間事業者への個別ヒアリングの手法です。これまでのように行政が事前に事業案を検討して条件を設定してから事業者を公募する手法では民間事業者が自社で蓄積したノウハウや企画力を生かした事業提案の余地がありません。社会構造が複雑化している昨今では、行政の事業企画力だけでは限界があり、行政の課題認識の上に民間の事業提案力を早期の段階でヒアリングし事業化に生かす手法を具現化している横浜市の先行事例には学ぶべき点が多いと考えます。伺います。横浜市のサウンディング調査による公民連携の事例を調査・研究し、文京区にも導入すべく検討をお願いしたいと考えますが、見解をお聞かせください。

▼A:成澤区長

公有財産の活用にあたっては、区民ニーズや社会情勢等を考慮しながら多角的な検討を行っているところです。また、事業者の公募条件の設定にあたっては、可能な限り事業者の参加意向を把握し、より事業者が参加しやすいものとなるよう、現在も工夫しております。公平性や透明性を確保しながら、市場性を的確に把握し、多様な活用アイデアを収集するご提案のサウンディング調査についても、事業者選定プロセスとして、導入の可能性について、研究してまいります。

▼海津の視点:

横浜市が導入して成功している「サウンディング調査」は、事業者選定プロセスだけにとどまるものではなく、広く区民ニーズに基づいた新たな公民連携の手法です。事業アイディアは区役所の人材だけではこれまでの域を出ないことが明白です。社会情勢の変化とともに近年複雑化する社会課題に対して、自治体がその限られた財源や人員・公有地などのリソースで取り組むためには、広く民間の知見や経験値から生み出される発想豊かな事業企画力を取り入れることで、区民ニーズに対する成果を最大化していく改革が必要です。ぜひ、公有財産についても区民ニーズに沿ったより高度な活用を実現すべく、早急にサウンディングの手法を取り入れるよう求めていきます。

担当者の想像力だけでは当事者ニーズはわからない


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