「保育園落ちた日本死ね!」の叫びに応える~国や自治体が取るべき施策は?

「保育園落ちた日本死ね!!!」

過激なタイトルの匿名ダイアリーでの悲痛な叫びがネットで話題になっています。↓

http://anond.hatelabo.jp/20160215171759 

 

 

文京区では、4月認可保育園一次募集の段階で、募集人員1,098人に対して応募1,821人となり、数字上は721人に不承認通知が届いていることになります。地域によっては30点でも入れなかった家庭があるとのことで、「子育てと仕事の両立支援」を掲げる区として、深刻な状況であることは言うまでもありません。

 

都議会議員のおときた俊議員は、待機児童対策として、認可保育園を増設するのではなく、認可保育園にかかる経費を各家庭に分配してバウチャー制度を導入することや、土地の確保が難しい都市部では小規模保育園を作ることを提案されています。

「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由

http://otokitashun.com/blog/daily/10445/

 
分野は異なりますが、

通常学級の児童・生徒はひとり当たり約100万円の経費がかかるのに対して、特別支援学校の児童生徒ひとり当たりでは、年間約800万円かかっていると言われています。この費用の中には通常学級と比較して、一人あたりの施設の経費や教員数が多いこと、住まいと学校が遠くなることから、バス等での送迎が必要になることなどがあります。
そうした中、障害のある子どもが増えてきていることと、地域の学校でわが子に応じた教育が受けられない、教員が確保されないという切実な思いから、特別支援学校への入学を望む家庭が増えており、各地で特別支援学校が新設されています。

しかし、年間約800万円の費用を、特別支援学校を選択せずに地域の学校を選ぶ障害のある子一人ひとりに振り分けて、地域の学校で使えるようにすれば、各自治体でインクルーシブ教育や合理的配慮をもっての子ども達の教育を具現化する原資にできるはずです。発想の転換が必要だと思っています。
なので、おときた議員の認可保育園にかかる費用をバウチャー制度の導入に使おうという提案には、共感する面があります。

ただし、バウチャーを導入したとしても、そのままずっと家庭保育を基本とするのはどうでしょうか? 小規模保育園にしても2歳までなので、その後の受け皿となる、基本3歳以降の保育の場が必要になります。そのための増設は避けて通れない課題で、根本的な解決には至らないと思うのです。

それでも、バウチャー制度を導入して、ベビーシッターを利用するなどの家庭保育を選択しやすくすることは、0~2歳児の待機の現状を考えると、その子達が3歳になるまでに保育園を増設する時間はかせげるかとは思います。

ちなみに、将来の人口減少を考えると、認可保育園というハコモノをつくることに疑問を持つ方もいます。が、本当にそうでしょうか。

保育園でなくなったときにどのような活用ができるか 様々な活用ができるように考え、多様な選択肢を視野にいれて当初から設計するということは可能だと思います。

高齢者に向けての施設や、単身者も増えていくとも言われているだけに、コレクティブハウスにしていくことだってできると思うのです。

国がなかなか踏み出せない事でも、自治体が地域の実状や特性に合わせて積極的に先進的な施策を実行していくことで、逆に国をリードしていくことも必要なのではないでしょうか。

さらには、子どもの育ちにおいて、「将来」にハコモノが邪魔になるからといって、子ども一人ひとりが遊びを存分に体験できる環境をつくらないという選択肢はいかがなものでしょうか。

子どもが主体的に遊べる環境を作り、自信をもって、周りへの信頼も育てられる教育・保育環境を作ることは、どんな投資よりも「将来」を支える人づくりとしては非常に大切なものだと思うのです。

「親」の立場に寄り添って「子育てと仕事の両立」を支援することも重要ですが、将来に向けた「育ち」を支える「教育と保育の質をどう担保するか」、つまり、子どもの「今」をどのように保障するか?という視点を疎かにしてしまうのは、この国の未来を疎かにすることと同じだと感じます。

認可保育園増設のネックになっているのが、都市部では場所がないこと、といわれますが、実際には、まだ学校の敷地を活用したり、公有地を転用したり、などまだまだあります。そこを活用しきれていないという大きな問題が潜んでいます。

開設場所はまだまだ知恵の絞り出しようがありますが、もっとも深刻なのが、認可保育園を新設するにしても、保育士の人材不足です。
認可保育園を積極的に増設しようとしても、土地の問題だけでなく、そもそも力のある保育士が集まらず、子どもの保育の質が担保できるかどうか不安をもち、二の足を踏むという事業者も少なくありません。
介護人材の不足問題と同様に、保育士の賃金をもっと上げることも同時に行っていかなければ、子どもの育ちを支える保育士の確保そのものが難しく、そんな中でもがんばっている保育士にかかる負担は大きく、それは小規模保育園でも同じです。

国をあげて、賃金改善や借り上げ住宅の補助を行ってはいますが、子どもの命を預かり、その子の人格形成に大きく関わる学校教員等と比較して格差は大きく、さらなる見直しは必須です。

保育士の責任の重さに見合う待遇改善ができてこそ、子どもを安心して送り出せる、本当の意味での「子育てと仕事の両立支援」と言えるのではないでしょうか。

子どもの育ちの「今」を保障する点でも、単なる「人材」ではなく「人財」と呼べるような保育士の育成が欠かせません。

 

都内で13園の小規模認可保育所を経営する認定NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんの記事も合わせてご覧になってみてください。↓

「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由

http://bylines.news.yahoo.co.jp/komazakihiroki/20160217-00054487/ 

 

保育園落ちた日本死ね!!!

写真はイメージです

 


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