これってアリ!?「宿題の〇付けをする時間がとれないので、ご家庭で〇付けのご協力をお願いします」

宿題の〇付けをする時間がとれないので、ご家庭で〇付けのご協力をお願いします。

ある小学校の保護者会で協力を呼びかけられたそうです。

みなさんは、宿題の〇付けを親がすることについてどう考えますか?

 

  • 仕事や介護などで忙しくて子どもの宿題に〇付けするゆとりはない、というご家庭もあるのでは?
  • 〇か×か、いちいち親が判断するのって、親に学力があるって前提? 親にとってかなりストレスに感じることもあるのでは?
  • 子どもが宿題をして、どこが間違っているか先生がチェックしてこそ、その子に向けた適切な指導ができているか確認できるのでは? 先生が見なくて大丈夫??と不安を覚える家庭もあるのでは?
  • 複数のお子さんがいる家庭の場合は、子どもの数だけ〇付けをするとなるとかなりの労力もいるだけに、宿題が出ないでほしいと思う親もでてくるのでは?
  • 子どもの学力の現状がわかるし、親子のコミュニケーションにもなると肯定的に捉える家庭もあるかも。

 

「宿題」というものがそもそも、何のために先生が行っているのか?目的も大切かと思います。その日の学習の定着が目的であれば、先生が目を通し、個々の理解度・習熟度を確認して、次の授業計画に活かすべきだと思います。

 

また、貧困や虐待など、子どもが育つ家庭環境には様々なことが想定されます。

学校の先生たちから、

教師でもわが子に教えるのは容易ではない、ついつい怒ってしまったりして良いことばかりではない

という話を伺ったことがあります。

必ずしも親子のコミュニケーションとしてより良い結果につながる家庭ばかりではないと思うのです。

親が自発的に子どもの宿題をみることはあっても、先生への協力として親が〇付けをするということに、私は強い違和感を持ちます。

 

まして、先生が「〇付けをする時間がない」という理由はまかり通るものではないと思います。 事実、日本の教師の労働時間は先進諸国の中でも突出して長く、時間が無いというのは現実問題ではあります。しかし、それは労働環境の問題であり、生徒とその家庭に向けるべき課題ではありません。

子ども達が育つ家庭すべてが、子どもの宿題の〇付けをする時間やゆとりがあるという前提で考えているか、あるいは、仮に余裕がなかったとしても、わが子のことなのだから無理してでも協力すべき、と考えてのことだとしたら、間違っていると私は思います。

家庭が協力すべきことは、果たして「〇付け」でしょうか?

みなさんはどのように考えますか?

 

 

一方、宿題の目的が子どもの「家庭学習の定着」である場合には、〇付けを子ども自身がするというのは「あり」だと考えます。

ただし、〇付けをして間違いを自分で理解するというのは、それなりの年齢であることも必要でしょうし、やり方をしっかりと教えておくことも必要になると思います。

それもまた、〇付けをすませて宿題を提出した後に、先生が目を通し子どもの学習の定着度を知り、子どもの学力向上に役立てるということを大前提にすべきかと思います。

 

ちなみに、2015年も全国学力テストでトップになった秋田県では「特別なことは何もしていない」そうですが、1年生から毎日提出する「家庭学習ノート」がとてもユニークです。

http://dot.asahi.com/aera/2013070300037.html

 

 

以前、秋田市教育委員会に視察に行った折に、「家庭学習ノート」について伺ったところ、学習内容は日々、自主的に計算問題、漢字練習、調べ学習、予習・復習など子ども自身が自由に決めて取り組んでいるそうです。

子どもは行った「家庭学習ノート」を担任に毎日提出し、先生は「良かった」といった言葉かけやアドバイスを書き込んで返しているとのことです。

担任によっては、「家庭学習ノート」を2冊用意させて交互に提出させ、放課後にコメントを書いたり、時間がないときにはスタンプだけ押して、コメントは後に書いたりといった工夫をしているとのことでした。

自主学習を通じた先生との1対1のやりとりが、子ども達の学習意欲や学力の向上に効果があるのかもしれません。

 

「お子さんに宿題をちゃんとさせてください」という言葉かけを学校現場から聴くたびに違和感を持っていたのですが、こうした取り組みを聴くと、子ども自らが主体的かつ意欲的に宿題に取り組むためには、日々の先生とのコミュニケーションのあり方が大きく関わってくるのではないかと感じます。

親が宿題の◯付け

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