「義務教育学校」~小中連携教育に向けて検討委員会が始まります

「義務教育学校」という名称を聴かれたことはありますか?

品川区は平成18年から小学生と中学生がひとつの施設で学ぶ施設一体型の小中一貫校を6校開設していますが、同区は今年の4月からこの6校を「義務教育学校」としました。

これは、昨年、学校教育法の一部が改正されて、小学校段階を「前期課程」、中学校段階を「中期課程」として9年間で一貫教育を行う「義務教育学校」という新しい学校の種類が誕生したことによるものです。

具体的には、義務教育学校は、品川区のように施設一体型の小中一貫校と、校舎は別であっても一続きのカリキュラムで一つの学校として9年間一貫教育をする施設分離型の学校の2種類になります。いずれも校長は1人です。

現在は、小学校6年、中学校3年の「6・3制」となっていますが、義務教育学校の場合は、柔軟に決めることができ、「4・3・2制」や「5・4制」など様々な区切りができるようになります。

また、教育課程も、学習指導要領に示された内容項目を網羅すること、各教科等の系統性・体系性に配慮すること、児童生徒の負担過重にならないようにすること、等を前提とした上で、各学年の課程を前倒しで子ども達に教えていくことも可能になっています。

 

毎日新聞記事 http://mainichi.jp/articles/20160408/k00/00m/040/030000c

品川区HP

http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/other000066800/27-4gimukyouikugakkou.pdf

 

現在、文京区には義務教育学校はありません。

小中連携教育についても、まだ実施されていません。

全国的に小中連携、一貫教育に取り組む自治体が増えていることもあり、文京区でも小中連携教育をどう考えていくべきか、検討委員会がスタートすることになり、25日に開催された文教委員会では、「文京区小中連携教育検討委員会」について審議しました。

 

全国的に小中連携や一貫教育への取り組みが広がっている背景には、「中1ギャップ」と言われる小学校から中学校への進学時に、新しい環境での学習や生活への移行段階における不登校や不適応が増えているという課題があります。一因としては、小学校から中学校に進学する際の接続が円滑なものになっていないとされ、その背景には以下のような課題があげられています。

 

  • 授業形態が、小学校は学級担任制であるのに対して、中学校は教科担任制。
  • 小学校時点の子どもの学習上や指導上の課題が中学校と十分共有されない。
  • 中学校では、小学校と比較して生徒に課せられる規則が多く、小学校よりも規則に基づいたより厳しい生徒指導がされる傾向がある。

 

小中一貫教育に取り組んできた自治体は、上記のような小学校から中学校への移行に伴う変化をスムーズにすることで「中1ギャップの解消につながっている」と評価しています。

一方、施設一体型の小中一貫教育を導入することを理由にして、学校統廃合が推進されるといったケースも少なくないとの指摘もあります。

 

文教委員会でも様々な委員から、統廃合が目的ではないか?との疑問が出ました。教育委員会は、「けして統廃合を目的とするものではない」との答弁でしたが、検討委員会での最終報告次第では、「義務教育学校」を設置することにより、結果的に統廃合ということもあり得ないことではないと感じました。

 

また、検討委員会で議論するための前提として、まだ小中連携教育を実施していない文京区立小中学校の現状を分析したデータを基礎として課題を把握する必要があります。

 

例えば・・・

  • 小学校でも授業形態として教科担任制を取り入れてきた学校の有無と、その子ども達が中学進学時に不安が少なかったのかどうか。
  • 全国学力調査などは生徒個々の学習上の課題を明確にして日々の学習指導に活かすためになされるもので、当然、そこで得られた課題等は中学校へも引き継がれなければならないにも関わらず、その情報が共有されていないのはなぜか。

 

などなど、現状のどこに課題があるのかを分析してこそ、より建設的な議論ができるはずです。

速やかに現状を分析して検討委員会の議論の資料とすることを求めました。

 

小中連携教育であれば特別支援教育の視点は欠かせないものです。

しかし、確認したところ、この視点は一切入っておらず、関係する立場の委員もいませんでしたので、検討するよう求めました。

 

委員構成についても課題があります。

文京区は、検討委員会等の委員の男女比率が偏らないように4割は男性なり女性にする努力をすることとしています(文京区男女平等参画推進計画)。ですが、今回の文京区小中連携教育検討委員会は委員9人で構成される中、女性はわずか2人です。男女比率が偏らないようにという区の方針に則った委員構成とは言えない状況です。

しかも、行政職員の委員が9人中7人もおり、区民からは小学校PTA連合会、中学校PTA連合会から各1名だけという構成です。児童・生徒ひとりひとりの現状の課題や意向を最も身近で理解していて、家庭としてどのような教育を望むのか、という視点を持った保護者の立場の委員が少なすぎると感じます。

正式な委員ではなくても、必要に応じて様々な立場の人が検討委員会に参加し意見を述べられるような工夫を求めました。

 

文京区として、より良い小中連携教育のあり方を検討していくためには、主体となる子どもの視点、子どもの意見をしっかりと取り込んでいくことも要望しました。

 

 

どのような教育を子ども達に届けていくか、それはすなわち「どのような社会を作っていくか」でもあり、社会のすべての人ひとりひとりの人生に大きくかかわることです。

是非、多くの方々に注視していただくと共に、ご意見を検討委員会へ届けて頂きたいと思います。

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「文京区小中連携教育検討委員会」

平成28年6月2日(木曜日) 18時30分~

会場:文京シビックセンター20階北側 教育委員会室

1 趣 旨

学校教育法の改正により、平成28年度から9年間の義務教育を一貫して行う「義務

教育学校」が制度化されたことを踏まえ、本区においても、児童生徒の発達の段階に応じた小中連携教育について検討を進める。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0110/5786/3-9.pdf

 

この検討委員会は傍聴が可能です。

傍聴希望者について、会場入り口前において先着順で受付を行い、10名まで傍聴が可能な予定です。直接会場に行って受付で名前を記入いただくだけです。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kyoiku/kaikaku/syouchurenkei/daiikkai.html

 

義務教育学校


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