待機児童解消・3歳の壁・預かり保育・園庭のシェア「できる手立てはすべてつくす」

■ 「できる手立てはすべてつくす」

文京区は、担当課だけでなく全庁をあげて「できる手立てはすべてつくす」とし、待機児童の解消に努めています。 実際に、区内の認可保育所定員をこの5年間で約1,600人増やしてきていますが、その間に0~5歳児は約2,100人増加しており、増やせど増やせど追いつかないという状況です。

 

区は子ども・子育て支援事業計画を改定し、待機児童の多い0~2歳児への対応策として、小規模保育所で、平成30年に321人、31年には530人の受け皿を作るとしています。ちなみに、改定前はいずれの年度も目標値は86人だったので、大幅な定員増です。小規模保育所は、保護者から要望の高い0~5歳児の認可保育園を開設するよりは、確保すべき広さなどハードルが低いものの、子どもが育つ場として適切な物件を確保するには難しいものがあります。

 

■ 2度目の保活「3歳の壁」

さらには、平成31年に0~2歳児、530人の定員を確保できたとしても、卒園する子ども達が次に入園する3歳の受け皿はさらに厳しくなっていくことが確実視されています。

 

実際に、今年の状況はどうでしょうか…

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0148/9776/300222_bunkyo_5.pdf

文京区平成30年度4月保育園等入園時の応募状況

文京区平成30年度4月保育園等入園時の応募状況

文京区平成30年度4月保育園等入園時の応募状況

文京区平成30年度4月保育園等入園時の応募状況

 

平成30年度4月(文京区内、認可保育園、こども園、幼保一元化園、の合計)

3歳児の募集    145人

応募        268人

3歳児の応募数は定員の約1.8倍となっています。

 

文京区は、2歳まで等の年齢上限のある小規模保育園等を卒園する児童については「調整指数をつけるので入園しやすいはず」との見解を持っています。ですが、これまでは大丈夫であっても、これからは「3歳の壁」で保護者をますます悩ます事態になることが予想されます。

 

しかし区は、「3歳の壁」を少しでも緩和する方策のひとつとして、「区立幼稚園の3歳児クラスに入園して、預かり保育を活用してもらうこともできる」と考えています。

 

では、実状はどうでしょうか…

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0148/9777/300222_bunkyo_6.pdf

平成30年度文京区立幼稚園入園児の応募状況について

平成30年度文京区立幼稚園入園児の応募状況について

 

平成30年度の文京区立幼稚園の3歳児枠

募集定員          160人

応募                334人

実に約2.1倍の狭き門で、しかも、定員を超えているケースでは、「抽選」で入園の可否が決定します。

また、幼稚園の預かり保育は、朝の8時からで、利用は18時までです。保育園のように7時15分から18時15分まで預けることも、19時15分までの延長保育を活用することもできません

 

保活からやっと解放されたという安堵感もつかの間、さらに2度目の保活を迫られ、またドキドキ不安な時間を過ごさなければならない「3歳の壁」。この壁に苦しむことがないように、「できる手立てはすべて尽くす」ことが、子育て支援として必須です。

 

 

■ 文教委員会での要望事項

先日22日に開催された文京区議会文教委員会では、認可保育園のさらなる増設はもちろんのこと、区立幼稚園について以下を要望しました。

  • すべての区立幼稚園で3歳児保育の実施と、3歳児学級をすべて2学級に増やすこと。
  • 預かり保育の定員増を図ること。
  • さらに預かり保育の時間を保育園同様に延長保育も実施し、拡充すること。
  • 預かり保育が、単なる「預かり」で終わることないように、質の向上に努めること。
  • 区立千駄木幼稚園は3歳児学級が20人定員で2クラスありますが、他区立園3歳児保育を実施している園は1学級のみです。3歳児保育を実施してない園も2園あります。背景には、子どもが少なくなっていた時期に私立幼稚園との共存を図るために、区立幼稚園では3歳児保育をしない、開設しても1学級といったこと等の取り決めが交わされていたようです。未だに後楽幼稚園、青柳幼稚園には3歳児クラスがない状況です。
  • 私立幼稚園の3歳児枠が定員割れをしている園はほぼないようですし、区立幼稚園の4・5歳児の定員は大方の園で定員割れをしている状況があり、3歳児学級を増やすと共に、預かり保育の定員増、延長保育の拡充を速やかに実施することが重要です。3歳で卒園となる保育園の子どもの受け皿としても預かり保育の定員増、時間の延長等は打つべき手です。保育園は18時15分まで就学前の保育として、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法など指導計画に位置付けることになっていますが、その一方で、預かり保育は、同じ長時間でありながらも指導計画がまだまだ曖昧な部分が多いからです。

 

■ 幼稚園における「預かり保育の推進」

そもそも、国が「子育て安心プラン」で、「幼稚園における2歳児の受入れや預かり保育の推進」を掲げていることから、区は当然、検討をしなくてはいけません。

質問をしたところ、区立幼稚園における2歳児の受け入れは「認定こども園へ移行する園の中で実施していく」との答弁です。 しかし、認定こども園の移行は32年度以降です。

一方、「預かり保育の推進」は、上述したように十分にできることであり、時間は要しません。が、区は、残念なことに現状維持とする方向です。そこには、「幼稚園の1日の教育課程に係る教育時間は,4時間を標準」となっていることから、区立幼稚園が、教育終了時間等に行う、就労支援等の「預かり保育」に対して、これ以上は。。。という抵抗感への配慮があるように感じます。

 

それでも、「預かり保育の推進」は待機児童解消に向け、国が求めていることです。現在の預かり保育は、「午前8時から9時まで、及び教育課程終了後から午後6時まで(夏休み等の長期休業中については、午前8時から午後6時まで)」となっています。

待機児童解消にむけて「できる手立てはすべてつくす」としている区ですので、保育園同様に19時15分まで延長する等を行い「預かり保育の推進」をすべきです。

また、例えば、区立幼稚園の3~5歳児枠はすべて2クラス定員40人にして、定員の半分は預かり保育を利用したい就労世帯の受け皿にするなど、待機児童解消の一助として十分に検討の余地があると思います。

 

■ 「できる手立てはすべてつくす」のは「数の確保」だけでなく「遊びの確保」も

待機児童解消のために、次々と新設している認可保育園では、園庭の無い園も多く、児童の十分な遊びの確保に先生方はたいへん苦労されている実状があります。

 

なぜ、保育園・幼稚園で遊びを大事にする必要があるのでしょうか?

幼児期に夢中になって遊んだ体験が小学校以降の「学習の基礎」となります。

文京区版教育・保育カリキュラム~3歳以上児~

もっともなことです。

人格が形成されていく時期に、子どもが自発的・主体的に遊びこみ、好奇心・探求心を追求できる環境は、とても重要です。

つまり、待機児童解消と同時に大切にしなければならないのが、保育園に通う子ども達の園生活です。

 

 

■ 区立幼稚園の恵まれた園庭をシェアし合うという発想を

文京区立幼稚園の預かり保育の利用実態として、保護者の就労等で活用する各園の登録児童数を調べてみると、多い園で31人、平均は20.8人です。

文京区立幼稚園の預かり保育を利用する児童数

文京区立幼稚園の預かり保育を利用する児童数

区立幼稚園の広い園舎・園庭も、教育課程修了の2時以降に残って遊ぶ子どもも、園庭開放が終了する3時には帰ります。

つまり3時以降は、広い園舎・園庭は預かり保育の登録利用児童と、その日だけの一時利用児童(最大で10人)が加わった子ども達だけで使えます。春休み・夏休み等の長期休みの期間は朝から晩までずっと、です。

 

文京区立幼稚園は、近隣の園庭のない保育園の子ども達に、これまでも園庭等を提供しているとしていますが、3時以降や長期休暇中など、もっともっと工夫すれば、子ども達が、固定遊具や砂遊び、プールなども楽しめます。夏休みなどは、プールで疲れたまま帰るのではなく、夏休みで使っていない部屋を借りて一休みしつつ、持参したお弁当を食べてから帰るということもできるのでないかと思います。

 

区立幼稚園を「公共財産」ととらえれば、その価値をその園単独で利用するだけでなく、近隣の園庭の無い保育園等ともネットワークして、限られたリソースをシェアし合うという発想は、時代に合っていると感じます。幼い頃から多様な他者と触れ合う体験は、自分と異なる他者を理解する力やコミュニケーション能力にプラスになる面もあるのではないでしょうか。

 

区立幼稚園は、区立小・中学校と同様に、住民のもっとも身近な公共施設です。文京区として、園庭のない保育園の子ども達も、外遊びでも夢中に遊ぶ体験を重ねていかれるように「できる手立てはすべてつくす」上では、区立幼稚園の園庭提供はマストです。

文京区は、今後、検討していくとのことでしたので、春休みも間近であることから、その間も見据えて開放していくことを重ねて求めました。

 

■ 区にあなたの声を届けてください

区は「要望があれば…」と言っています。

園庭の活用に限らず、声が届かなければ「現状で問題なし」とするのが行政の常です。

積極的に近隣の区立幼稚園を活用したい!という、園庭のない保育園の保護者からの要望を声にしていただくことがとても重要です。

区議会に請願を提出していただくという方法もありますが、お一人でも区に声を届けることは可能です。文京区ホームページの「区民の声」から要望を送っていただく方法です。

文京区 区民の声
http://www.city.bunkyo.lg.jp/kusejoho/koho/koe.html

 

保育園の待機児童解消に苦労している自治体は文京区だけではありません。公立幼稚園を活用するという手立てもぜひ検討して欲しいと思います。

 

保育園の園庭


待機児童解消・3歳の壁・預かり保育・園庭のシェア「できる手立てはすべてつくす」” に対して 3 件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    初めてまして。
    先生はパッピーマムという保育園をご存知でしょうか。

    3月だけで7人の保育士が退職されました。
    転職率が高い職とは言え、半分もの職員がお辞めになるとは、あまりに多い退職数です。
    数年前には保育士全員が辞職した過去を考えますと、園の体制は当時からなんら反省をしていないのではないでしょうか。

    また、子を預ける側は、待機児童問題が解消されていない中で、入園できただけでもありがたいと思わなくてはならないのでしょうか。
    園長の話は、慇懃ではありますが「我々な対応は違法ではない。」との趣旨の発言が多々あります。
    違法でないなら何でも良いのか、
    おおいに疑問を持っております

    1. 海津敦子 より:

      ハッピーマムのことについては、ご指摘のことが起きたときには、様々な面で区に対して支援を要望してきました。
      が、今回のことは申し訳ありませんが、知りませんでした。明日にも保育課に確認をとり、保護者の方々が安心して子どもを送り出せるように改善していってもらいます。
      改めて報告させていただきます。

    2. 海津敦子 より:

      保育課は今回のことを把握してはいませんでした。園に聞き取りをしたところ、退職された理由としてはプライベート上の都合と、スキルアップをしたいとの理由もあったとのことです。
      元保育園長等が巡回指導をするにあたり、園運営に関しても指導を強化して、安心して子どもを送り出せる環境を整備するようにしていくとのことです。
      保護者の方々の直接を、今回いただいたように巡回指導に届けていくこともとても重要なことですので、お気づきのことがあれば、直接メールをいただくとありがたいです。引き続きよろしくお願いします。

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